1 老鶯や父祖代々の家ひとつ 2 ドクダミは白く十字にツンと咲き 3 木漏れ日や鶯のこゑ心地よき 4 蟄居とは庭に鎮座のつつじかな 5 竿を振る夏うぐひすの渓の中 6 我妻や初夏と向ひし生け花を 7 冬鶯散歩の路を導びけり 8 庭ごとに我が家のバラと誇らしげ 9 みどり中さくらと交換ハナミズキ 10 うぐいすの声つたなくてホーケキョと鳴き 11 鶯を聴いてしばらく鍬を置く 12 花蜜柑すでにかほりを放ちけり 13 老鶯や疎林の中をここかしこ 14 母の日や妻へ娘の電話あり 15 春秋の溢れんばかりのつつじ咲く 16 二十日余も早き梅雨入りよ山を見る 17 笹鳴や姿は見えず声きこゆ 18 「あら虹が」傘を畳んで妻の声 19 卯の花や虫の三密作り出し 20 静か朝妻に娘らカーネーション 21 街にふと女声合唱花水木 22 親燕雨の歩道を滑空す 23 ファクチン順電話口へと殺到し 24 楽しみは梅雨の晴れ間の農作業 25 筍の無人販売ぼたん寺 26 雨近し杖の如くに傘を持ち 27 松の芯一番名乗り競い合ふ 28 花びらに囲まれて楽(たの)し新入生 29 立山を仰ぎ一献ホタルイカ 30 かがやきに頭照らされ夏帽子 31 青梅に塩をまぶして荷重する 32 体調を整えワクチン会場へ 33 部落への道に累々栗の花 34 老鶯や時計は未だ鳴りもせず 35 籠り居や届く新茶に富士を見る 36 春秋や五輪の所在さんざめき 37 鶯の声聞かれぬや我が町は 38 牛蛙なにを憂ひて鳴くのやら 39 豊作の枇杷の実をもぎジャムにする 40 前線が下れば上る梅雨近し |
芳拙 南圃 如水 伸平 風 左打 剣矢 鵜雪 左打 南圃 鵜雪 芳拙 剣矢 如水 伸平 風 剣矢 如水 鵜雪 左打 芳拙 風 伸平 南圃 芳拙 剣矢 風 伸平 如水 左打 南圃 鵜雪 芳拙 剣矢 風 伸平 左打 如水 南圃 鵜雪 |
5 竿を振る夏うぐひすの渓の中 11 鶯を聴いてしばらく鍬を置く 13 老鶯や疎林の中をここかしこ 22 親燕雨の歩道を滑空す 27 松の芯一番名乗り競い合ふ |
風 鵜雪 剣矢 風 風 |
11 鶯を聴いてしばらく鍬を置く 14 母の日や妻へ娘の電話あり 18 「あら虹が」傘を畳んで妻の声 22 親燕雨の歩道を滑空す 26 雨近し杖の如くに傘を持ち |
鵜雪 如水 如水 風 剣矢 |
3 木漏れ日や鶯のこゑ心地よき 11 鶯を聴いてしばらく鍬を置く 24 楽しみは梅雨の晴れ間の農作業 25 筍の無人販売ぼたん寺 35 籠り居や届く新茶に富士を見る |
如水 鵜雪 南圃 芳拙 風 |
1 老鶯や父祖代々の家ひとつ 21 街にふと女声合唱花水木 35 籠り居や届く新茶に富士を見る |
芳拙 芳拙 風 |