２０１９年１０月
（兼題：秋の声）
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１ 朝まだき蝉かと聞けば虫の声
２ 赤い羽根孫の胸に喜びを
３ 控えめな残暑に替わる嵐蓮
４ 木まもりをつつく小鳥の愛らしく
５ 行く雲や流るゝ水に秋の声
６ 日の透くや川瀬に秋の声を聞く
７ 鐘の音や枯山水より秋の声
８ 独り者何時何喰う呑む好き勝手
９ 木漏れ日の路のそよ風秋の声
１０ 牡蠣鍋は土手かキムチか豆乳か
１１ うり坊の数歩遅れて母を追ふ
１２ 台風の進路迷路か迷惑な
１３ 秋の夜駅前居酒屋一人飲む
１４ 掛け干しの穂先に光る朝の露
１５ 夕暮れて猪の影濃くたじろがぬ
１６ 進出を叫び喜ぶ秋の声
１７ 静けさや草むらに鳴く虫の声
１８ ななかまど燃ゆる涸沢奥穂高
１９ 菜園の世帯が替わる野分かな
２０ 妻逝って小言なくなり白い雲
２１ 凄まじや祈る他なし秋出水
２２ 露の世や筆談尽きて友逝きぬ
２３ 台風が街を氾濫泥水で
２４ コスモス田風が奏でる秋の唄
２５ 暁を鋭く裂くや鵙の声
２６ 虫食へど手編みのマフラー捨てられず
２７ たけなわの秋に居残る蝉の声
２８ 半袖の腕ひんやりと秋の声
２９ 金木犀想ひ出多き香りかな
３０ 白い雲コスモス浮かぶ赤トンボ
３１ 焼夷弾と見紛う秋雨大暴れ
３２ 風に知る温め酒という言葉
３３ 里の灯や薄の影の濃やかに
３４ コスモスのサワと動きて風を知る
３５ 不漁と言われ食すやサンマかな
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剣矢
左打
伸平
南圃
如水
風
芳拙
剣矢
如水
風
芳拙
伸平
左打
南圃
芳拙
左打
南圃
風
伸平
剣矢
如水
芳拙
左打
剣矢
如水
風
伸平
南圃
如水
剣矢
伸平
風
芳拙
南圃
左打
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如水 選
６ 日の透くや川瀬に秋の声を聞く 風 （句またがりの季語の配置に感服です）
７ 鐘の音や枯山水より秋の声 芳拙 （上中と季語がよく響き合っています）
２０ 妻逝って小言なくなり白い雲 剣矢 （せめてもの慰め。「白い雲」が効果的）
２７ たけなわの秋に居残る蝉の声 伸平 （長命に驚嘆、雌はもう居ないだろう）
２８ 半袖の腕ひんやりと秋の声 南圃 （秋の気配に、季語がよく効いています）
左打 選
５ 行く雲や流るゝ水に秋の声
１１ うり坊の数歩遅れて母を追ふ
１４ 掛け干しの穂先に光る朝の露
２４ コスモス田風が奏でる秋の唄
３４ コスモスのサワと動きて風を知る |
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伸平 選
１８ ななかまど燃ゆる涸沢奥穂高
２１ 凄まじや祈る他なし秋出水
２２ 露の世や筆談尽きて友逝きぬ
２６ 虫食へど手編みのマフラー捨てられず
３４ コスモスのサワと動きて風を知る |
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芳拙 選
６ 日の透くや川瀬に秋の声を聞く
９ 木漏れ日の路のそよ風秋の声
１４ 掛け干しの穂先に光る朝の露
１９ 菜園の世帯が替わる野分かな
３２ 風に知る温め酒という言葉 |
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剣矢 選
１３ 秋の夜駅前居酒屋一人飲む 左打 （秋の夜 自分をみつめる）
１８ ななかまど燃ゆる涸沢奥穂高 風 （若き日の登山の思い出）
２１ 凄まじや祈る他なし秋出水 如水 （自然の猛威 茫然）
３４ コスモスのサワと動きて風を知る 南圃 （田一面にゆれる秋の桜）
３５ 不漁と言われ食すやサンマかな 左打 （不漁心配一匹のサンマ佳し）
鵜雪 選
１４ 掛け干しの穂先に光る朝の露
２４ コスモス田風が奏でる秋の唄
２６ 虫食へど手編みのマフラー捨てられず
２９ 金木犀想ひ出多き香りかな |
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風 選
１４ 掛け干しの穂先に光る朝の露 南圃 （晩秋の景が見えました）
２０ 妻逝って小言なくなり白い雲 剣矢 （下五は奥様の顔？）
２１ 凄まじや祈る他なし秋出水 如水 （中七に一票です）
２５ 暁を鋭く裂くや鵙の声 如水 （下五で決まりました）
２９ 金木犀想ひ出多き香りかな 如水 （華やかな思い出とは）
南圃 選
１ 朝まだき蝉かと聞けば虫の声 剣矢 （季節の移り替わりは早い）
５ 行く雲や流るゝ水に秋の声 如水 （6番と同じ景色）
６ 日の透くや川瀬に秋の声を聞く 風 （5番と同じ景色）
９ 木漏れ日の路のそよ風秋の声 如水 （木陰の路地に静かな秋風）
１３ 秋の夜駅前居酒屋一人飲む 左打 （酒は静かに飲むべかりけり）
・選句有権者数が３〜４名のときは３点以上
・選句有権者数が５〜８名のときは４点以上
・選句有権者数＝投句者が選句してもらえる人の数
４点 １４ 掛け干しの穂先に光る朝の露 南圃
・高得点者＝得点が選句有権者数プラス１点以上の上位者1名とする
・同点が２名の場合は２名とする
・同点が３名以上の場合は該当なしとする
１０点 如水
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