1 有明の海に切子の燈の果てり(切子=切子燈籠) 2 実家消えて灯籠いづこ鰯雲 3 鳴く蝉を聞かずひっそり酷暑往く 4 火の鳥の散らしし綺羅か曼珠沙華 5 ヒロシマや灯籠流しに祈る文字 6 両耳も頭の中も蝉時雨 7 嵐去り夜空に輝く盆の月 8 クマゼミに混じりツクツク鳴き始め 9 異常なり処暑とは言えず猛暑なり 10 何となく違う一日終戦日 11 台風に尻を叩かれ急く墓参 12 流灯の手を振るやうに瀬に消ゆる 13 氷水に泳ぐそうめんの心地よさ 14 そのうちにゆくと合掌生身魂 15 ぼんやりと古刹の灯篭灯を灯し 16 灯籠の灯りてよりの宴かな 17 ジョギングは鳩と競う程となり 18 ご先祖も一杯やるか盆提灯 19 台風の過ぎて畑を観て廻り 20 亡き人の好物などを盆支度 21 墓参り久しく見つめ灯籠や 22 お盆の日なき実家の前うろうろし 23 敗戦日親父の背は越えられず 24 炎天下働く蟻のたくましき 25 干潮の川床匂う残暑かな 26 起き抜けの大気にいささかの秋を知る 27 早朝の窓を開ければ虫の声 28 実家にあった灯籠4つ、今いづこ 29 三世代揃ふて灯す墓灯籠 30 反省の言葉を継ぐや敗戦日 31 熱き夜は寝返り百度敷布よれ 32 夕立や夏の暑さを消しにけり 33 ベランダを越えて凌霄延びており 34 爽やかや勝者を讃ふ敗け投手 35 母ちゃんを演じし妻の盆疲れ 36 精霊舟幼き御影しめやかに 37 夜明け前空赤くして今朝の秋 38 蝉の声梢に響く敗戦忌 39 かいぼりで育つついとも井之頭 40 炎天に散りし亡父の文を読む |
芳拙 剣矢 鵜雪 風 如水 伸平 左打 南圃 左打 剣矢 鵜雪 風 伸平 芳拙 南圃 如水 伸平 如水 南圃 芳拙 左打 剣矢 風 鵜雪 風 伸平 南圃 剣矢 芳拙 如水 鵜雪 左打 剣矢 如水 風 芳拙 南圃 鵜雪 左打 伸平 |
5 ヒロシマや灯籠流しに祈る文字 14 そのうちにゆくと合掌生身魂 20 亡き人の好物などを盆支度 31 熱き夜は寝返り百度敷布よれ 37 夜明け前空赤くして今朝の秋 |
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12 流灯の手を振るやうに瀬に消ゆる 19 台風の過ぎて畑を観て廻り 25 干潮の川床匂う残暑かな 33 ベランダを越えて凌霄延びており 38 蝉の声梢に響く敗戦忌 |
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12 流灯の手を振るやうに瀬に消ゆる 18 ご先祖も一杯やるか盆提灯 24 炎天下働く蟻のたくましき 29 三世代揃ふて灯す墓灯籠 36 精霊舟幼き御影しめやかに |
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12 流灯の手を振るやうに瀬に消ゆる 20 亡き人の好物などを盆支度 25 干潮の川床匂う残暑かな 35 母ちゃんを演じし妻の盆疲れ |
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