1 音だけの骨箱 亡父(ちち)の日は遠く 2 同窓会話は尽きず月見酒 3 米寿友と来し方行方月見酒 4 月見酒所作美しき老妓かな 5 長雨に期待失い月見酒 6 ミサイルを肴に妻と月見酒 7 命日や月見酒などして偲び 8 友の顏想ひ浮かべて月見酒 9 夏布団冷気の朝は丸くなり 10 百歳を生き抜く秋となりにけり 11 妻偲び熱めコーヒー月見かな 12 暮れなずむギヤマン色に赤蜻蛉 13 敬老といわれ笑顔で家族飯 14 豪雨なす雨雲連ね台風来 15 子孫(こまご)来て子孫帰りて盆閉じる 16 一枚を背なに掛けられ月見酒 17 改築の庭にもどる虫時雨 18 彼岸花寂しい街に人の波 19 新涼や潮目の果ての筑波山 20 そば庵の隅に編笠風の盆 21 溜池を囲む葉桜野分呼ぶ 22 釣舟草幽けき風に艫揃へ 23 終い湯に足を延ばして虫の声 24 風吹けばイガを気にして栗拾い 25 孫来る日台風も来る鳴るラジオ 26 昼ちちろ大化の遺跡掘るロマン 27 新米に平飼ひ鶏の玉子割る 28 風に揺れゆーらりと舞う秋茜 29 ナナフシの骨身に沁みる秋の風 30 雀来ず稲の実りの美しき 31 跡地なか鮮やか咲きしコスモスや 32 拙さは棚に上げての展示会 33 過疎の地を朝夕二便のバス下る 34 気が付けばとうに過ぎけり敬老年 35 紅葉にならず飛び散る嵐あと 36 洗顔のあとに覚ゆる涼新た 37 夏仕舞い撥の裁きや盆踊り 38 押しあふて電線に鳴く稲雀 39 荒れはてた狭庭に一つ百日紅 40 夏草の勢い何時しか陰りおり |
伸平 南圃 剣矢 風 左打 鵜雪 芳拙 如水 南圃 鵜雪 剣矢 芳拙 左打 風 伸平 如水 左打 鵜雪 風 如水 伸平 芳拙 剣矢 南圃 剣矢 風 如水 南圃 芳拙 鵜雪 左打 伸平 芳拙 鵜雪 左打 如水 伸平 風 剣矢 南圃 |
13 敬老といわれ笑顔で家族飯 16 一枚を背なに掛けられ月見酒 23 終い湯に足を延ばして虫の声 26 昼ちちろ大化の遺跡掘るロマン 39 荒れはてた狭庭に一つ百日紅 |
左打 如水 剣矢 風 剣矢 |
4 月見酒所作美しき老妓かな 15 子孫(こまご)来て子孫帰りて盆閉じる 18 彼岸花寂しい街に人の波 20 そば庵の隅に編笠風の盆 39 荒れはてた狭庭に一つ百日紅 |
風 伸平 鵜雪 如水 剣矢 |
9 夏布団冷気の朝は丸くなり 16 一枚を背なに掛けられ月見酒 20 そば庵の隅に編笠風の盆 35 紅葉にならず飛び散る嵐あと 40 夏草の勢い何時しか陰りおり |
南圃 如水 如水 左打 南圃 |
4 月見酒所作美しき老妓かな 11 妻偲び熱めコーヒー月見かな 16 一枚を背なに掛けられ月見酒 29 ナナフシの骨身に沁みる秋の風 36 洗顔のあとに覚ゆる涼新た |
風 剣矢 如水 芳拙 如水 |