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2017年03月
 
【清 記 一 覧
(兼題:春愁)
 

















































 
 1 春愁やろれつまわらぬ二合半
 2 家訪えば香りはひろし沈丁花 
 3 希望校ゆけぬ娘よ春愁ひ 
 4 雛節句飾らぬままに桜餅   

 5 常連の揃はぬ宴や春愁ふ  
 6 春愁や隣の猫のやかましき 
 7 春愁や友の入院なお三月 
 8 サンシュウの色は春を目覚めさし

 9 春愁や体臭となる湿布薬
10 春愁や眠れぬ夜の深夜便 
11 砂浜の潮寄す辺り櫻貝  
12 春愁の土に落ちては解ける雪

13 鴬に起れば光る障子かな  
14 桜餅誰(た)が知恵なるやつぶし餡
15 春愁や旅立つ孫の荷を眺め  
16 山茱萸や古人目覚ます黄金かな

17 啓蟄の畑の賑はひ耕運す 
18 旅立ちの支度整ふくぎ煮かな 
19 すずしろの花も夕餉の膳にのり 
20 春風やヒップホップに手を叩く

21 青梅にて病より立ちて咲く梅や
22 それぞれに天突く芽吹き春の風
23 教会のホールの隅におひなさま
24 医院跡白木蓮を残すのみ   

25 啓蟄やそろそろやるか草むしり
26 山明し日向(ひむか)の国の山桜 
27 手作りと渡すクッキーホワイトデー
28 春めくや池面輝きさんざめく  

29 連翹や思案の蜂のホバリング
30 駅仕切る蘇鉄に混じり黄水仙
31 寒き朝春とは言えど名残り雪 
32 春愁やトランプ一言株上下  

33 次発まで文庫を読みて春の駅
34 タンポポや笑ひ地蔵の傾げをり
35 かいつぶり水ぬるみての談議かな
36 雨の中春を迎えし開花みる 

37 雪の朝競馬場駅に活気あり 
38 あさき夢破る一声背戸の雉
39 春ジャガや畝の割れ目の芽も育ち
40 蛙合戦命をつなぐ彼岸かな  
 

南圃
芳拙
伸平

如水
鵜雪
剣矢
左打


如水
芳拙
左打

剣矢
伸平
南圃
鵜雪

芳拙
如水
南圃


左打
伸平
剣矢
鵜雪

剣矢
南圃

伸平

如水
芳拙
左打
鵜雪

芳拙
如水
伸平
左打

剣矢

南圃
鵜雪
 
 
【選 句 内 訳】
芳拙 選
10 春愁や眠れぬ夜の深夜便    如水
15 春愁や旅立つ孫の荷を眺め   南圃  
19 すずしろの花も夕餉の膳にのり  南圃   
24 医院跡白木蓮を残すのみ    鵜雪  
38 あさき夢破る一声背戸の雉    風   
 
左打 選
11 砂浜の潮寄す辺り櫻貝      芳拙
15 春愁や旅立つ孫の荷を眺め    南圃  
26 山明し日向(ひむか)の国の山桜  南圃  
28 春めくや池面輝きさんざめく     伸平  
39 春ジャガや畝の割れ目の芽も育ち  南圃   
 
如水 選
 3 希望校ゆけぬ娘よ春愁ひ  芳拙  (見守るのみか。残り福、塞翁が馬とも)
 7 春愁や友の入院なお三月  剣矢  (自分のことより心配。三月に一層心配が募る)
15 春愁や旅立つ孫の荷を眺め  南圃  (寂しさがよく出ており、季語が生きています)
24 医院跡白木蓮を残すのみ  鵜雪  (寂寥感に満ち、白木蓮がピッタリです。)
38 あさき夢破る一声背戸の雉  風  (こんな詩が生まれる光景が懐かしですね)
 
鵜雪 選
 7 春愁や友の入院なお三月     剣矢
10 春愁や眠れぬ夜の深夜便      如水  
14 桜餅誰(た)が知恵なるやつぶし餡  伸平  
19 すずしろの花も夕餉の膳にのり    南圃  
33 次発まで文庫を読みて春の駅    芳拙  
 
伸平 選
 6 春愁や隣の猫のやかましき   鵜雪
 9 春愁や体臭となる湿布薬    風   
15 春愁や旅立つ孫の荷を眺め   南圃 
33 次発まで文庫を読みて春の駅  芳拙  
34 タンポポや笑ひ地蔵の傾げをり  如水
 
剣矢 選
10 春愁や眠れぬ夜の深夜便  如水  (昼間は留守が多い、届け切るのに深夜に及ぶ、ごくろうさん)
11 砂浜の潮寄す辺り櫻貝  芳拙  (あの人にと県命に探した桜貝だった)
15 春愁や旅立つ孫の荷を眺め  南圃  (荒波の社会へ漕ぎだす、幼い孫に幸あれと祈る)
18 旅立ちの支度整ふくぎ煮かな  如水  (愈々別れの時、好きなくぎ煮をそっと渡す)
27 手作りと渡すクッキーホワイトデー  風  (私が作りましたと気持ちをこめて渡す、よかった)
 
風  選
 5 常連の揃はぬ宴や春愁ふ  如水  (これも又お年頃) 
 6 春愁や隣の猫のやかましき  鵜雪  (老いらくの恋ままならず)
15 春愁や旅立つ孫の荷を眺め  南圃  (若者の活気を祝し羨む)  
18 旅立ちの支度整ふくぎ煮かな  如水  (煮る鍋に見る待つ人の顔)
26 山明し日向(ひむか)の国の山桜  南圃  (「日向の国」で大成功) 
 
南圃 選
 5 常連の揃はぬ宴や春愁ふ  如水  (風邪でも引いたのかな)
 6 春愁や隣の猫のやかましき  鵜雪  (恋の季節)
13 鴬に起れば光る障子かな  剣矢  (清々しい朝の光、早起きは三文の徳)
29 連翹や思案の蜂のホバリング  如水  (高速シャッターでカシャッと1枚)
33 次発まで文庫を読みて春の駅  芳拙  (1時間に1本の列車をのんびりと待つ)
 
 
【高 得 点 句】
 
  ・選句有権者数が3〜4名のときは3点以上
  ・選句有権者数が5〜8名のときは4点以上
  ・選句有権者数=投句者が選句してもらえる人の数
 
  6点 15 春愁や旅立つ孫の荷を眺め  南圃
 
 
【高 得 点 者】
 
  ・高得点者=得点が選句有権者数プラス1点以上の上位者1名とする
  ・同点が2名の場合は2名とする
 
11点  南圃
 
 
【談  話  室】
 
 
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