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2016年8月
 
【清 記 一 覧
(兼題:立秋)
 
















































 
 1 ぎらぎらと三十六度虫の声   
 2 作新の優勝怪物よみがえる 
 3 季節ずれ、立秋過ぎて猛暑来る
 4 バトン技ボルトの褒めしリオの夏

 5 秋立つやみちのくの旅友募る
 6 秋立つや草刈り鎌を研ぐ準備      
 7 声明の遠く聞こゆる今朝の秋
 8 故郷の山・川・雲の夏景色 

 9 墓洗ふ褪せし供花を詫びながら
10 通いたる里の小道の日照りかな
11 食卓の花瓶新たや今朝の秋
12 八ヶ岳盆の月夜のさわやかさ

13 門火焚く十日前には生きてたに
14 負けて泣く勝っても泣く人五輪かな
15 ナイターも延長戦の長夜かな       
16 日の丸が南の国にはためけり

17 マンションの石釜と化す夏の宵
18 サングラスかければ気分高倉健 
19 穂芒に温みの残る里の夕  
20 天炎ゆるアスファルトをゆく盲導犬

21 台風が裏切り持ち去る秋の日を
22 飛ぶ穂波色まだ青く陽は暑く
23 甲子園もオリンピックも終わり秋     
24 立秋や風吹きぬけて臭木咲く

25 杣道の中にほつほつ野紺菊 
26 朝蝉の少し静かな盆の入り 
27 初孫と花火しつつ夕涼み
28 百日紅紅白ありて健気かな   

29 昨日一本今日一本の胡瓜かな
30 あの人の垣は燃ゆるか凌霄花(のうぜんか)
31 涙落つ土を袋に夏終はる 
32 雲の峰呉鎮守府の煉瓦道 

33 秋めくや木漏れ日届く縁の端
34 リオ五輪メダルメダルの星月夜      
35 花火の夜何も起こらず一人寝る 
36 珍しいコースで台風押し寄せる

37 新居建て妻と二人夕涼み
38 原爆忌祈りのために生かされて
39 立秋と言えども酷暑知らぬ顔
40 秋立つや問へど答えぬ夜の風
剣矢
鵜雪
左打


如水
南圃
芳拙
伸平

芳拙
伸平
如水
左打


剣矢
南圃
鵜雪


剣矢
芳拙
如水

左打
伸平
南圃
鵜雪

芳拙
伸平
左打
剣矢

鵜雪
南圃
如水


如水
南圃
剣矢
鵜雪

左打
芳拙
伸平
 
【選 句 内 訳】
如水 選
 6 秋立つや草刈り鎌を研ぐ準備  南圃  (二十四節気は農耕の時季を知らせてくれる)
 7 声明の遠く聞こゆる今朝の秋  芳拙  (早朝の静寂 蝉はまだ眠っている)
24 立秋や風吹きぬけて臭木咲く  鵜雪  (小さい秋が見つかった)  
25 杣道の中にほつほつ野紺菊  芳拙  (猛暑の中、秋を探すのも俳句の楽しみ)
32 雲の峰呉鎮守府の煉瓦道  風  (過ちは繰り返しませぬように)  
 
芳拙 選
 5 秋立つやみちのくの旅友募る   如水
11 食卓の花瓶新たや今朝の秋   如水  
26 朝蝉の少し静かな盆の入り    伸平  
32 雲の峰呉鎮守府の煉瓦道    風  
33 秋めくや木漏れ日届く縁の端   如水  
 
左打 選
 6 秋立つや草刈り鎌を研ぐ準備  南圃
11 食卓の花瓶新たや今朝の秋  如水
16 日の丸が南の国にはためけり  鵜雪
26 朝蝉の少し静かな盆の入り  伸平
39 立秋と言えども酷暑知らぬ顔  伸平
 
剣矢 選
 4 バトン技ボルトの褒めしリオの夏  風  (何度見て胸躍らせたか)
 8 故郷の山・川・雲の夏景色  伸平  (懐かしの山、川、雲、忘れじ)
20 天炎ゆるアスファルトをゆく盲導犬  如水  (頭が下がる、有難う)
23 甲子園もオリンピックも終わり秋  南圃  (炎え、炎えて夏終る)
32 雲の峰呉鎮守府の煉瓦道  風  (煉瓦の色、青い空、白い雲)
 
鵜雪 選
 7 声明の遠く聞こゆる今朝の秋    芳拙
 9 墓洗ふ褪せし供花を詫びながら   芳拙   
31 涙落つ土を袋に夏終はる      如水   
32 雲の峰呉鎮守府の煉瓦道     風  
 
伸平 選
12 八ヶ岳盆の月夜のさわやかさ   左打
23 甲子園もオリンピックも終わり秋  南圃   
31 涙落つ土を袋に夏終はる     如水   
37 新居建て妻と二人夕涼み     左打   
40 秋立つや問へど答えぬ夜の風   風   
 
風  選
 7 声明の遠く聞こゆる今朝の秋  芳拙  (「眼にはさやかに見へねども」ですね)
11 食卓の花瓶新たや今朝の秋  如水  (端正な花瓶に秋を見る。これぞ俳人)    
20 天炎ゆるアスファルトをゆく盲導犬  如水  (盲導犬、作者の優しさが溢れています)
25 杣道の中にほつほつ野紺菊  芳拙  (紺野菊がよいですね) 
35 花火の夜何も起こらず一人寝る  剣矢  (携帯ならぬ旅寝の枕)
 
南圃 選
 9 墓洗ふ褪せし供花を詫びながら   芳拙  (墓参もままならぬ酷暑でした)
11 食卓の花瓶新たや今朝の秋  如水  (小振りの花瓶に楚々とした秋の草花、ほほえましい)
26 朝蝉の少し静かな盆の入り  伸平  (少し凌ぎやすくなりました)
29 昨日一本今日一本の胡瓜かな  鵜雪  (家庭菜園は採れすぎないのがコツ)
31 涙落つ土を袋に夏終はる  如水  (ベストを尽くした達成感!!)
 
 
【高 得 点 句】
 
  ・選句有権者数が3〜4名のときは3点以上
  ・選句有権者数が5〜8名のときは4点以上
  ・選句有権者数=投句者が選句してもらえる人の数
 
  4点 11 食卓の花瓶新たや今朝の秋  如水
  4点 32 雲の峰呉鎮守府の煉瓦道  風
 
 
【高 得 点 者】
 
  ・高得点者=得点が選句有権者数プラス1点以上の上位者1名とする
  ・同点が2名の場合は2名とする
  ・同点が3名以上の場合は該当なしとする
 
11点  如水
 
 
【談  話  室】
 
 
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