２０１４年１１月
（兼題：新米）
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１ 初霜や小屋閉め始め八ヶ岳
２ あの世から香り楽しめ今年米
３ 野辺の道地蔵の顔は冬浅し
４ 匂い立つ新米おしんこ日本人
５ 新米や安き価格に泣く農家
６ 名優の逝く知らせあり時雨降る
７ 一面の芒が原や風軽し
８ 炊きたての新米にふと手を合わし
９ 彗星に十年の旅冬銀河
１０ 冬枯れの草食む音や岬馬
１１ 白菊を愛でる婦人に根分けせり
１２ 初冬や寺の厨（くりや）に薪の壁
１３ 山裾に霞み沿わせて明けた朝
１４ 初冬やふぐちり肴ひれ酒を
１５ パンジーを植えて花壇の年終わる
１６ ふる里に寄る実家（いえ）なくて赤トンボ
１７ 自転車風に舞った落ち葉が追うて行く
１８ 新米を釜で炊いたコゲ美味し
１９ 住む人のなき里の家返り花
２０ 新米を食して腹は十二分
２１ 巡り合ひて嬉しき後の十三夜
２２ 晩秋や子等寄るを待つ落葉かな
２３ 男手が新米用い握り飯
２４ 新米や飢餓の世代の香りかな
２５ 亡き妻の実家（さと）から届く柿うれし
２６ 冬に入り京の漬物待ち侘びる
２７ 潮風を受けて鮮やかツワの花
２８ 助手は妻口数多く障子張る
２９ 会釈してくれたマスクの人知らず
３０ 伊達をやめ股引履くや木の葉髪
３１ 熊ささの緑に混じり冬紅葉
３２ 深まりて日々足早に染む木立
３３ 姿よき紅葉を探しひもすがら
３４ 人想う古き日記や柿紅葉
３５ 避難路や声掛けあって紅葉踏む
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左打
風
南圃
剣矢
如水
鵜雪
伸平
剣矢
如水
南圃
鵜雪
風
伸平
左打
鵜雪
剣矢
伸平
左打
風
南圃
如水
伸平
左打
鵜雪
剣矢
如水
南圃
風
剣矢
風
左打
伸平
如水
南圃
鵜雪
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左打 選
３ 野辺の道地蔵の顔は冬浅し 南圃
６ 名優の逝く知らせあり時雨降る 鵜雪
１０ 冬枯れの草食む音や岬馬 南圃
２２ 晩秋や子等寄るを待つ落葉かな 伸平
２８ 助手は妻口数多く障子張る 風
如水 選
１１ 白菊を愛でる婦人に根分けせり 鵜雪 （褒められると差し上げたくなった）
１２ 初冬や寺の厨（くりや）に薪の壁 風 （冬支度の情景「薪の壁」に長い冬を感じる）
１６ ふる里に寄る実家（いえ）なくて赤トンボ 剣矢 （「赤トンボ」が心情にピッタリです）
２３ 男手が新米用い握り飯 左打 （新米と聞けば男も何か作ってみたくなった）
２８ 助手は妻口数多く障子張る 風 （夫婦仲良く冬支度 主導権はどちらかな（笑））
伸平 選
１０ 冬枯れの草食む音や岬馬 南圃
１６ ふる里に寄る実家（いえ）なくて赤トンボ 剣矢
２１ 巡り合ひて嬉しき後の十三夜 如水
２５ 亡き妻の実家（さと）から届く柿うれし 剣矢
３１ 熊ささの緑に混じり冬紅葉 左打
鵜雪 選
２ あの世から香り楽しめ今年米 風
２２ 晩秋や子等寄るを待つ落葉かな 伸平
２５ 亡き妻の実家（さと）から届く柿うれし 剣矢
２８ 助手は妻口数多く障子張る 風
２９ 会釈してくれたマスクの人知らず 剣矢
剣矢 選
２ あの世から香り楽しめ今年米 風 （新米を喜んでいた亡き妻）
１１ 白菊を愛でる婦人に根分けせり 鵜雪 （楚々とした白菊をどうぞ）
１８ 新米を釜で炊いたコゲ美味し 左打 （おいしいおやつだった）
２３ 男手が新米用い握り飯 左打 （つい手伝った 大きめのおにぎり）
２８ 助手は妻口数多く障子張る 風 （二人ですることに、ご機嫌の妻）
風 選
４ 匂い立つ新米おしんこ日本人 剣矢 (「日本人」で決まりでした）
１３ 山裾に霞み沿わせて明けた朝 伸平 （風景写真のような一句。お見事です）
１６ ふる里に寄る実家（いえ）なくて赤トンボ 剣矢
（「赤トンボ」に作者の心情を感じました）
２５ 亡き妻の実家（さと）から届く柿うれし 剣矢
(斯くありたいと思うお付き合い。頂きました）
３５ 避難路や声掛けあって紅葉踏む 鵜雪 （町内会の良いお付き合いが伺われます）
南圃 選
９ 彗星に十年の旅冬銀河 如水 （科学の力宇宙に届く）
２８ 助手は妻口数多く障子張る 風 （共同作業は楽しいものです）
２９ 会釈してくれたマスクの人知らず 剣矢 （よくあることです）
３３ 姿よき紅葉を探しひもすがら 如水 （今年も良く歩きました）
３５ 避難路や声掛けあって紅葉踏む 鵜雪 （紅葉狩りを兼ねての避難訓練でしょうか）
・選句有権者数が３〜４名のときは３点以上
・選句有権者数が５〜８名のときは４点以上
・選句有権者数＝投句者が選句してもらえる人の数
・高得点者＝得点が選句有権者数プラス１点以上の上位者1名
９点 剣矢
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