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201210月
 
【清 記 一 覧
(兼題:柿)
 


















































 
 1 鈴なりの鳥も喰らわぬ渋柿よ      
 2 名月や明るく照らすあらし後      
 3 秋蒔きの種揃えるもはかどらず     
 4 苅田藁こすずめ来るを待つ風情     

 5 我よりもリスお先にと柿食えり     
 6 いざさらば長袖出さん夏果てぬ     
 7 沖縄やまた騙されて鵙猛る       
 8 夕日より赤き一群(むら)柿畑      

 9 初百舌の一声鋭く冷気裂く       
10 草を食む野生の馬に天高し       
11 矢田寺のコスモス匂う晴日和      
12  故郷の友の絵はがき秋まつり     

13 尖閣の字躍る紙芋包む         
14 落ち葉中彩添えるコスモスや      
15 人こひし潜(くぐ)る暖簾や秋の夜   
16 雨もやみ青空高く秋の朝        

17 碧空や日々染め変わる楓かな      
18 もみじ葉と秋色競う柿の実や      
19 どこにでもいる慌てん坊初紅葉     
20 友一言枝豆くれて帰りけり       

21 夏の香を丸めて仕舞うすだれかな    
22 (東京駅修復)天高し明治の気概見す駅舎 
23 柿盗み齧ってみれば渋きこと(疎開先にて)
24 朝まだき明星仰ぎ枯れ葉蹴る      

25 柿食えば妻の顔にも頬笑みが      
26 秋晴れや園児の帽子みんな赤      
27 二十四の瞳又観て泣きし秋       
28 子どもらはほお膨らませふかし芋    

29 秋風に名優死してさびしきか      
30 天高しレンガ駅舎の往時映え      
31 赤城峰の際立つ空や初嵐        
32 すじ雲の湧きいずる丘見晴るかす    

33 妻なくも秋海棠は花ざかり       
34 遠方から存在示すモクセイ香      
35 秋の風雲の流れに気が和む       
36 霜降や山の学校火入れ式        

37 柿をもぐ農婦の背中丸くなり      
38 柿紅葉かくしておくれ赤い実を     
39 羊雲梢に野分を吹き降ろし       
40 背戸の山賑わす声や小鳥来る

 

左打
南圃
伸平

鵜雪
剣矢
如水


鵜雪
南圃

剣矢

鵜雪
左打



伸平
左打
如水
剣矢

南圃

如水
伸平


如水
剣矢
鵜雪

左打
伸平

南圃

剣矢
左打

如水

南圃
鵜雪
伸平


 
 
【選 句 内 訳】
 
如水 選                    
15 人こひし潜(くぐ)る暖簾や秋の夜  風   
   (秋の味覚もさることながら、常連客との話しもご馳走)
32 すじ雲の湧きいずる丘見晴るかす  南圃   
   (青春映画のよう。「見晴るかす」に感心)
33 妻なくも秋海棠は花ざかり  剣矢   
   (奥様のお好きだった花だろう。秋海棠は何も知らない)
37 柿をもぐ農婦の背中丸くなり  南圃   
   (美味い柿には農家のご苦労あり。どこも高齢化)
40 背戸の山賑わす声や小鳥来る  風   
   (秋到来。早く退院してこの雰囲気に浸りたい)
                            
伸平 選                        
 3 秋蒔きの種揃えるもはかどらず  南圃   
11 矢田寺のコスモス匂う晴日和  豊   
20 友一言枝豆くれて帰りけり  剣矢   
29 秋風に名優死してさびしきか  左打   
37 柿をもぐ農婦の背中丸くなり  南圃   
                            
剣矢 選                           
15 人こひし潜(くぐ)る暖簾や秋の夜  風       
21 夏の香を丸めて仕舞うすだれかな  南圃      
26 秋晴れや園児の帽子みんな赤  如水      
28 子どもらはほお膨らませふかし芋  鵜雪      
35 秋の風雲の流れに気が和む  豊       
                            
風  選                           
 9 初百舌の一声鋭く冷気裂く  鵜雪      
   (「一声鋭く」初百舌ならではの感慨でしょう。)         
21 夏の香を丸めて仕舞うすだれかな  南圃      
   (なるほど!うまく詠むものだと感服しました。)         
29 秋風に名優死してさびしきか  左打      
   (共演した高倉 健がその演技に涙していました。)        
30 天高しレンガ駅舎の往時映え  伸平      
   (東京駅吟行。鰯雲も考えたのですが、やはり「天高し」でしょうね。)         33 妻なくも秋海棠は花ざかり  剣矢      
   (フランク永井の「妻恋うる歌」を思い出しました。「秋海棠」が効いていますね。)
 
豊  選                           
 2 名月や明るく照らすあらし後  左打        
 8 夕日より赤き一群(むら)柿畑  風           
15 人こひし潜(くぐ)る暖簾や秋の夜  風           
17 碧空や日々染め変わる楓かな  伸平          
30 天高しレンガ駅舎の往時映え  伸平          
                            
南圃 選                           
22 (東京駅修復)天高し明治の気概見す駅舎  風           
25 柿食えば妻の顔にも頬笑みが  豊           
   (我が家の妻と同じです。)                   
27 二十四の瞳又観て泣きし秋  剣矢         
   (懐かしいですね。)                      
28 子どもらはほお膨らませふかし芋  鵜雪         
   (先日幼稚園生の芋掘りを見てきました。)            
35 秋の風雲の流れに気が和む  豊          
   (紺碧の空に流れる白い雲。目に浮かびます。)          
                            
鵜雪 選                           
12 故郷の友の絵はがき秋まつり  剣矢         
15 人こひし潜(くぐ)る暖簾や秋の夜  風           
20 友一言枝豆くれて帰りけり  剣矢         
21 赤城峰の際立つ空や初嵐  風          
33 妻なくも秋海棠は花ざかり  剣矢         
                            
左打 選                           
10 草を食む野生の馬に天高し  南圃      
15 人こひし潜(くぐ)る暖簾や秋の夜  風       
26 秋晴れや園児の帽子みんな赤  如水       
30 天高しレンガ駅舎の往時映え  伸平       
32 すじ雲の湧きいずる丘見晴るかす  南圃       
 
 
【高 得 点 句】
 
    ・選句有権者数が3〜4名のときは3点以上
    ・選句有権者数が5〜8名のときは4点以上
    ・選句有権者数=投句者が選句してもらえる人の数
 
 
5点 15 人こひし潜(くぐ)る暖簾や秋の夜   
 
 
【高 得 点 者】
 
    ・高得点者=得点が選句有権者数プラス1点以上の上位者1名
 
9点  風
 
 
【談  話  室】
 
 
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