距離と時間でアベの増減をくり返すPCの解法  

 このページはウルトラテクニックの最後でご紹介しました時間と距離により増減を繰り返すPCに順不同PCが加えられた複雑怪奇なPCの解法をご紹介します。姫路工業大学のラリーや学生ラリーで時々出題されます。
 ウルトラテクニックの最後STAGE8で、少しご紹介して邪魔くさくてサボっていたPCの解法をご紹介します。
 Specalな解法は特にありませんが、私の場合は下記のようなチャートとOMCPまでのPCで紹介しました表を用いて解いています。とくに時間が無い場合が殆どですから、残りの距離または時間を確実に算出して、どの順番で出現してくるかを一つのPCを処理するごとに判断していくことが求められます。


<問題>
CPから30km/hで走行せよ。
・○○CPより2km走行ごとに前速度をUP,DOWNせよ。
・○○CPより10分走行ごとに前速度をDOWN,UPせよ。

【以下順不同PC】
・交野市のバス停より        40km/hで走行せよ。
・50km/hの速度規制標識より  35km/hで走行せよ。
・WINの看板より         20km/hで走行せよ。

 但し、速度は少数第2位を四捨五入、距離はm単位を四捨五入、秒未満切り捨てで計算せよ。



<解法>
 以下図を見ながら読んで下さい。このPCでは一定距離及び時間での速度の増減が非常にやっかいです。以下順を追って、説明します。図は右から左に進行します。



 こういったPCの場合、ナビは非常に忙しく、前を向いていられませんので、順不同PCの目標物を写してダッシュボードに張るなどして、目標物はドライバーに発見してもらうようにします。

 1)CPからAVE30km/hでスタートすると2km走った地点で速度の増減PCの1回目(10%UP)がやてきます。同様にさらに2km走った地点で10%DOWNになります。前速度を増減ですから、33*0.9=29.7km/hとなることに注意します。

 2)次が問題です、2つ目の2kmUP,DOWNで7’38”たっています。もうすぐ10分ですが、2kmPCも心配です。
 10分PCと2kmPCの比較
 10’00”−7’38”=2’22”ですから、現在のAVE29.7km/hを掛けて29.7*2’22”=1.17kmとなります。これと2kmを比較すると当然10分PCが先に出現することがわかります。この計算を2分以内に完了しなければなりません。前のPCから1.17km走った地点が10分PC(緑の四角で表示)です。


 3)10分地点では、問題がDOWN,UPですから、DOWNから始まる点に注意して下さい。次に、先の2kmPCから1.17km来ている訳ですから、あと0.83km地点で次の2kmPCが出てきます。

 4)さらに順不同PCの50km/h速度規制標識が出てきましたので、これを処理します。次の2kmPCまで0.5kmしかありませんので、忘れないように注意します。 (いろいろやっている内に、UPかDOWNかが分からなくなりますので、UPとDOWNに正の字を書いて行きます。)


<解説>
 一定距離の場合にはSUBトリップ等があれば簡単です。ところがやっかいなのは上の例では10分PCとしましたが、これが3分のように短くなるともっと忙しくなります。特に3分の間でPCが出現するとパニックになることが多いと思います。 一定時間pc
これは、残り時間を距離に変換することが難しい為だと思いますので、私のナビが作っていたプログラムを紹介します。(上の解法の赤字で書いた部分の補助手段と考えて下さい。)

  3’00=X/A+Y/B
  Y=B*(3’00”−X/A)

 下の式を関数電卓にプログラムしておきます。3つの要素を入力すると残り距離を表示させる簡単なものなので、ラリー直前にでもプログラムできます。これで残り距離を瞬時に算出できるので、安心でしょう。3分のところは、毎回入力するのでは面倒なので、時間が変わったらプログラムの中で変更したほうがよいでしょう。但し、この場合3分の間に1つのPCを想定していますので、短い時間向きでしょう。


 北海道大学自動車部の竹下紀子さんより下記のような内容のメールを頂きました。練習問題としてやってみる等参考にされてはいかがでしょうか。

 さて、質問といっては何なのですが、うちの練習会でしょっちゅうでてくるやっかい
な問題の処理方法をいっしょに考えていただけませんか? 

たとえば、「2CP〜3CP間で3分ごとにAve.を10%up-downせよ」 というような問題です。

例
     *2CP〜3CP間で3分ごとに前Ave.を10%up-downせよ   
        (2cp 22.50km  よりAve.36km/h で走行せよ)
        fig.19 23.35km  Ave.42
        fig.21 25.8xkm  Ave.39 (25.85km)
        fig.22 27.30km  Ave.30
        fig.25 30.55km  Ave.40
        fig.26 31.2xkm  Ave.34 (31.25km)
        fig.28 33.30km  Ave.42
        3cp 35.00km

 正解表は、(ただし、距離10m未満、時間秒未満切り捨て)
                     区間距離    ave.            所要時間
        2cp.       
                        0.85              36                85秒
        fig.19       
                        1.11              42                95
        PC(10%up)
                        1.39              46                108
        fig.21
                        0.78              39                72
        PC(10%down)
                        0.67              35                68
        fig.22
                        1.50              30                180
        PC(10%up)
                        1.65              33                180
        PC(10%down)
                        0.10              29                12
        fig.25
                        0.70              40                63
        fig.26
                        1.00              34                105
        PC(10%up)
                        1.05              37                102
        fig.28
                        0.74              34                78  
        PC(10%down)
                        0.96              30                115           
2cp〜3cp  1195秒
        3cp            
ふぅ、もっと簡単な例にすれば良かったとちょっと後悔しました。 こういう問題が申告CPで出る場合はまだいいのですが、通常CPで、止まって計算している 余裕のないときにはいったいどうしたらいいのでしょう?ちなみに、たいていは看板 のPCや 距離ごとのPCと組み合わされてでてきます。 いままではずっと、時間ごと以外のPC(コマ図PC等)はそのままコンピュータに入力 して、時間ごとの up-downの分は、別に計算してレスコンで調節していました(そしてたいてい’とん で’いました)。 話を聞く限りではまわりのNv.はみんなだいたい似たような方法で処理しているらし いのですが、 なにか「これは!!!」というような画期的な処理方法ってないものでしょうか? ちなみに最近考えた方法は、あらかじめ関数電卓に次のようなプログラムを組んでお いて:
        1.前PCのスタート時間をいれる
        2.次の時間ごとPCのスタート時間をいれる(前CPのスタート時間+3分*x)
        3.前PCからのAve.をいれる
        で、前PCから次に出てくる時間ごとPCまでの距離を表示させる
コマ図PCがくる度に次の時間ごとPCまでの距離を計算し、次のコマ図PCより手前なら 、その距離で PC処理をしてしまおうというものです。これなら看板etcと組み合わされてもだいじ ょうぶ!
という 気がしているんですが、まだ実際にためしたことはないんです(プログラムはつくり ました。 この例のfig.19〜fig21なら、2cpのスタート時間を0時00分00秒とすれば、 1.25(1分25秒です);3.00;42で、時間PCまでの距離1.11kmと所要時 間95秒が 表示されます。最近の関数電卓って、かしこいですね。) Internetの「チョット難しいPC」その2の例のような1回きりで終わるものならちょ っと計算すれば すみますが、めちゃくちゃ忙しいときに何度も出てくるような時間PCって、どうやったら すこしでも楽にできるのでしょう?????  


 やはり皆さんこのような問題に苦しんでおられるようですが、私の解説で参考になりましたでしょうか。竹下さんのプログラムの方が、私が解説したものよりも、親切なプログラムです。
 レスコンで入力する方法は必ず天文学(的減点)の一因になります。距離だけ控えてどんどん先行して走って処理しようと思っていると時間が足りなくなってやはり飛びます。リアルタイムでチャートか表で処理していく方が私は良いと思います。その補助手段として残り距離を表示させるプログラムを組んでおくのがよいのではないでしょうか。皆さんも参考にしてみてはいかがでしょうか。このような問題が出ると分かっている場合は必ず机上で演習してからラリーに臨むべきでしょう。 もっと良い解法があれば、是非ご連絡下さい。



 これらの問題のアシストプログラムを公開しています。(ここをクリック!) 
 このプログラムをポケコンに組んで行けば、大学ラリーも姫工も怖くないゾ!?






ウルトラテクニックに戻る


ホームページに戻る