ライバルに差を付けるナビゲーションテクニック


このページは米谷展生さんの制作です。


他の章で、大溝ナビは良く「0.5秒先行でCPインしてくれ」という指示を出す云々という質問がありましたよね。そして、まさしくそれがライバルに差を付けるナビゲーションだと思います。

1.オンタイムは1.8秒もあるの?

次の表を見てください。

これは、ラリコンのファイナルタイムと正解タイムの関係です。

ここでいわゆるファイナルタイムでのオンタイムは−0.9秒から+0.9秒まで1.8秒もあります。でも実際の正解タイムのオンタイムはたった1秒しかないのです。

すなわち、この1.8秒の範囲内に正解タイムがあったとしても0.8秒は「減点0」ではないのです。

大溝ナビはおそらくこういうちょっとした減点を少しでも減らしてドライバーの負担を減らそうとしているのだと思います。

1CPでたった1秒ずつでも10カ所あれば10秒となり、1本のSSでは取り返せない差になるのです。

ファイナルタイム
+2.9〜+2.0
+1.9〜+1.0
+0.9〜+0.0
-0.0〜-0.9
-1.0〜-1.9
正解タイム
+2
+1
0
-1
-2
-3

2.ファイナルタイム0でも減点2?

今度は上表の場合においてファイナルタイム『-0.6』でCPインしたと仮定しましょう。

ファイナルタイムは1秒以下なので『減点“0”』のつもりでいたのがなんと、実際は減点2です。

これはよくあることなんですがコマ図もたいして狂っていないしオンタイムでCPインしてくれと指示し予定通りCPインしたんだからうまく行けば“0”悪くても“1”と思っていた結果です。この場合0.5秒先行でCPインしていればあなたの思い通りとなったのです。

つまり、α補正をするほどでもないときでも細かい指示が必要なのです、しかし何も0.1秒単位で指示しろと言っているのではなく特にオンタイムでのCPインの場合先行か遅れをはっきりとドライバーに伝えないと余分な減点を喰ってしまうということです。

3.では、何故0.5秒先行なら減点が少なくてすむと分かるのでしょうか?

正解時間がファイナルとずれる原因はたくさんあります。そして、その要因を1つづつ整理していきましょう。

(1)コマ図の区間距離は10m単位だけど計算は1m単位

試走車は1m単位で計測してコマ図に記載する際1mの位を切り捨てています。それによって、実際の距離に対して、コマ図の区間距離は±9mの誤差があります。

しかし、この誤差は連続して+ばかりとか−ばかり続くことはないはずですよね。

つまり、たとえ5mとか3mとかでも連続して区間距離の+(または−)が続くとコマ図3つで1秒位は先行(または遅れ)でCPインした方が確率は上がるでしょう。

(2)前のCPでちゃんとライン上でCPボタンを押しましたか?

SSのゴールなどでブラインドコーナーにCPラインがあり、CPラインを通過してからCPボタンを押しませんでしたか?もし、この場合、当然次のCP間の距離が短くなっているのでCPからのアベにもよりますが30km/h台の場合通過距離を10mとすると、1秒遅らせてCPインすべきです。

(3)パスコンでの誤差は発生しないの?

それは、大きく分けて2種類の誤差があります。

1つめは、オフィシャルの設定したPCラインと自車のPCラインがずれた場合で、Y字路や停止線のない交差点などで考えられます。この場合、PCの前後のコマ図の区間距離で予想が付くでしょう。例えば、PC前のAVEが40km/h、後のAVEが25km/hで20mPCボタンを遅れて押した場合、高いAVEで余分に走った訳ですから1秒遅らせてCPインすべきです。

2つめは、計算方法のから来る誤差です。PCのスタートタイムは秒未満を切り捨てているので、オフィシャルとの距離の誤差がたった1mでも1秒差が出るときがあります。だから、CP間にPCの数が多いときはPC1カ所につき0.2〜0.3秒づつ補正した方が確率が上がります。この場合、先行するか遅らせるかはその日のコマ図の区間距離の出方で決めると良いでしょう。

(4)ラリコンの時計は正しいですか?

ラリコンの時間を合わせるのは以外と難しく、若干狂っていることが良くあります。また、長時間のラリーでは以外と狂ってきます。

例えば、ラリコンの時計が0.5秒進んでいるとしましょう。この場合、スタート時間自分の時計とは関係ないのでファイナル“0.0”でCPインすると0.5秒先行となってしまいます。つまり0.5秒遅れでCPインしなければならないのです。

(5)CPでの計時の誤差はないか?

CPのオフィシャルを経験したことのある人なら分かるでしょうが、CPでの計時は1人のオフィシャルがCPラインで笛を吹き、それを聞いた別のオフィシャルが時計を見てCPカードに記載する訳です。つまり、この一連の作業で伝達の遅れが発生することが考えられます。経験的には、10〜20%位の確率で1秒遅く計時されることがあります。つまり、確率的には0.1〜0.2秒先行した方が良いでしょう。

また、たまに同じ場所で2回以上CPが開設されることがありますが、この場合で1度目に1秒遅く計時された時、2度目に同じCPにCPインするときは思い切って1秒先行しましょう。往復で通る場合も同じオフィシャルが計時することが多いので、計時が自車と違った場合はその場所を良く覚えておきましょう。もしかしたら、オフィシャルの時計が狂っていることも考えられます。

以上の要因を組み合わせて最終的に自車のCPイン時間を決定し確実に指示を出しましょう。これらの積み上げできっとライバルに差を付けられるでしょう。あとは、運を天に任せて『Let’s try.』

このページは米谷展生さんの制作です。


 


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