重症筋無力症について 20〜30才の若い女性に発病しやすい病気ですが、男性でも、またどの年齢でも発病します。 初発症状は眼瞼下垂(まぶたが下がる、腫れる、重い)、複視(物が二重に見える)ですが、症状が進むと四肢の筋力低下、易疲労性(同じ動作を続けるとすぐ疲れる)、言語障害(段々としゃべれなくなる、声が鼻に抜ける)、嚥下障害(食事が飲み込みにくくなる)、咀嚼障害(物が噛みにくくなる)などの症状が出てきます。 女性ではお産後に発病することがあります。 一時的に全身の筋肉に力が入らなくなり崩れるように倒れてしまうことがあります。これを筋無力性クリーゼといい、呼吸も出来なくなることがあり非常に危険です。 アニチレックスを静脈注射すればすぐ回復します。 ●病因について ●病型について ●クリーゼの種類 ●クリーゼの見分け方 ●検査 ●治療 ワゴスチグミン: 外科手術などで内服剤が服用できない場合にも使用します。 胸腺摘出術 重症筋無力症は胸腺(前胸部の真ん中の胸骨と心臓の間にある)と密接な関係があり、多くの患者さんで胸腺の肥大、胸腺腫瘍を伴い、また肥大がなくても胸腺の組織のなかに活発に活動するリンパ組織があります。 胸腺を摘出することによって症状の改善があり、一部の患者さんでは完全に治癒します。手術は発病後早く行うほど効果があります。特に若い女性で発病後すぐ施行する場合は手術成績は良好です。 ステロイドバルス療法 副腎皮質ホルモンを3〜4日、毎日点滴します。 重症患者で症状が悪化した場合に行います。 血漿交換(免疫吸着) 重症患者で症状が悪化した場合に行います。 人工透析と同じような手技で動脈血を器械に通して血液成分の一部(この病気を悪化させる成分を含む)を吸着して静脈に返していきます。1日おきに施行し6回位施行します。効果不十分の場合、しばらく休んで再度試行します。 ランバート・イートン症候群 (Lumbert-Eaton Myasthenic Syndrome) 筋無力症候群ともいわれ、重症筋無力症と症状が似ている部分があります。 筋肉の易疲労性、筋力低下、複視、嚥下障害、発語困難、咀嚼困難等の症状があり、 重症筋無力症と症状が似ていますが、筋肉を継続して収縮させると筋力が改善する特長があります。 肺癌(肺小細胞癌など)等の悪性腫瘍に伴って発症することが多く、40才以上の男性に発症することが多い。 ●病因について ●治療について ●検査について |
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