<不思議エイリアン>

大家さんの池の水からすくって小さな入れ物に入れておいた不思議エイリアン的生き物 がいる。始めは、透明な球体に黒いポッチがあったからカエルの卵であるはずだった。それからすぐにそれらが、不思議な格好の生き物になって水中を泳いでいる。尻尾は『おたまじゃくし』のようなのだが、黒い頭であるはずのところが、透明な『カブトガニ』のようなかたちになっていて、それはもうエイリアンのようなのだ。

虫眼鏡を取り出してよくよく観察してみれば、水の中には1匹だけ本物のの「おたまじゃくし」がいる。それから、当然のごとく『ボウフラ』もいる。ボウフラはタイ語では『ルーク・ナーム』(水の子ども)。

ゆうべ、友人のタイ人一家が遊びに来て、小さな入れ物をのぞき、「ボウフラなんて飼ってる」と言う。ちがうちがう、ボウフラを飼ってるわけじゃない、よく見て、と虫眼鏡を渡す。不思議エイリアン的生き物を見ると、「それは、おたまじゃくしになる途中の 『おたまじゃくしっ子(ルーク・オッド)』よ」と言う。 これから頭が黒くなって、足が出てきてちゃんと普通にカエルになっていくのだそうだ。ほんとうかしら?真相が明らかになるまでもう少し待ってみよう。

そんなこんなでカエルの話になる。このところ夜通し鳴いているカエルの歌は、今まで聞いたこともない種類なのだ。「キュキュッキュ・・」 と書いたらよいのか・・「チュチュッチュ」とか「ピュピュッピュ」と表記したら近いのかわからないが、鳥かと思うようなかわいらしい歌声だ。その声をまねると、友達は即座に、 「あぁそれは『キアット』だと教えてくれた。 姿はトノサマガエルとアマガエルを足して2で割ったように背筋がしゃんとした黄緑でお腹は白い。3−4歳の子の握りこぶしほどの大きさだ。

『カエル』はヒキガエル、アマガエル、トノサマガエルなど何種類もの○○ガエルの総称として私たちは(少なくとも私は)使う。タイ語での総称はゴップだと今まで私は思っていた。ところがそれは間違いで、『ゴップ』はよく市場で売られている食べられるカエルの名前、そのへんでゲロゲロ鳴いてるグレーの一般的なカエルのことらしい。ヒキガエルは、『カンコック』だそうだ。それから、もっとずんぐりして「うーんあーん、うーんあーん」と鳴くのは、『ウンアン』という名のカエルだ。普通は食べないが、食べる人がいないわけでもないようだ。謎。今のところ、この4種類の名前しかわからないが、もっとあるのかな。

ところで、学校で生徒に教わったが、『けえろ』というのもいる。

それは、ほら、T-シャツから飛び出すカエル、知ってますか、日本の漫画の。えーと、『ど根性ガエル』、ひろしの平面ガエル、ぴょん吉!あのぴょん吉のことを生徒達は『けえろ』と呼ぶんです。

けえろじゃなくて、か・え・る!と教えるが、タイ人の言いやすいのは、け・え・ろ。  ドラエモンも『ドレーモン』になってますし。

7/3/'05

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