<その44> 狼の子孫たち

このところ、よなかの犬の遠吠えが激しい。

1匹がわぉーーんと始めると、いろんな高さの声で不協和音的に続き、あっちでもこっちでも・・そこいらじゅう犬だらけだということがよくわかる。月明かりのまぶしかった満月の頃ならいざ知らず、今は月もやせ細っている時期なのに、なぜか、わぉーーん。

狼の血が騒ぐのか・・首輪や鎖がないのが多いからそれだけ野生に近いのだろうか。

昼間の暑い時間帯こそ、日陰でのたーっと伸びているが、涼しくなるや、徒党を組んで歩いて元気だ。気が立ってるのは、走るバイクをワンワン言いながら追いかけるし。

同じ犬仲間でも、下克上は激しく、強く猛々しいのにやられた経験を持つ犬は、相手が通りかかるだけで尻尾を丸めて逃げる。昨日の夕方、うちの中に入ってきて、椅子の下にうずくまっている小柄なオス犬がいたので、どうしたのかと見ていたら、外を大きなボサボサの白い犬が闊歩しているのであった。自由に放たれて生活しているというのも、結構たいへんなのだな。

日本のうちのカイ君も、散歩の途中で毎日下克上を経験している。悲しいけどちょっと弱いのである。うちの門の中では王様なのだが。

11/8/'04

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