<その45> 旬のもの

といっても、トッケーの食べ物のこと。

雨季の始め頃は、カナブンが毎晩たくさん舞い込んでくるので、黒光りしたのや青緑のいいつやのカナブン=ご馳走にこと欠かなかった。

そのうちにご馳走と言えるものがなかなか飛び込んでこなくなり、少し小さめの羽虫などで凌いでいたようだ。

ここへ来て、乾季の始まり。毎晩飛び込んでくるのは、蛾(小さいのから20cmはあろうかという特大のまで色々)とバッタ。自分達の体の大きさに見合った獲物を狙い定め、飛び回っていた相手が止まって息をついているところを、ササッと歩み寄り、パクッとやる。

うちのトッケー、おどけ者。この前は、蛾がひらひらと目の前を舞ったので、パクッとやったつもりが、外れて落下。湯沸しポットなどに被せてある布の上にドサッと落ちた。バタバタして抜け出し、頭は掻かなかったけれど、体勢立て直してやり直しとなった。

その次は、困り者。黄緑色のキリギリスに似たバッタをしとめた!と思ったら、私が日本から持ってきて飾っていた貝合わせの貝の1枚を落として割ってくれた・・・接着剤で貼り合わせたけれど、がっくり。

バッタなら野外の方がずっと数が多い。そのせいか、ゆうべはトッケー、家から外へ出て行ったようだ。

なんだかペットのようにかわいくなって、こうして書いてはいるが、今タイでかかっている映画に、「リザード・ウーマン(原題:トッケー・ピー)」がある。タイ人の監督によるホラー映画だが、出演者の中には日本人の名前も見える。(矢野かずきさんは、パントマイムのプロで、主演。)日本人地質学者夫妻が発掘作業中に見つけた木箱を空けたら、呪われたトッケーの封印が解かれ、その呪いが日本人をはじめ、タイ人作家にも降りかかってくるという話らしい。。。タイ人は本当にホラー映画が好きだと思う。

うちのトッケーは呪われていませんよーに!

11/11/'04

戻る  <その46