<イサーンの香り>

ロイエットのあるイサーン地方の本来の食卓は、ダイエット食だとかねがね思っていた。炒め物やココナッツミルクなど、脂肪分の多いおかずは、別の地域からもたらされたものだと思う。魚も鶏肉も豚肉も炭火で炙り焼きするし、ソムタムやラープなどの代表的おかずもとてもさっぱりしている。とにかく、野菜や野草、木の芽をよく食べる。

こちらの人たちが大好きで欠かせないナムプリックという味噌は、ニンニク・唐辛子・香草・ガピ(エビ味噌)などがはいる「おかず味噌」で、日本の味噌のような塩辛さはない。茹でた野菜や生野菜、鯵(の仲間)の焼いたの、玉子焼きなどにつけて食べる。

今日は、学校のある先生のお宅にちょっと寄って、おうちとお庭をみせていただき、チャオームとサダーオをいただいてきた。どちらも私よりも背の高い木だ。

(右の写真)

チャオームの木はその枝にバラのように鋭いトゲがたくさんある。オジギソウに似た葉を持つ木で、まだ芽のうちの葉の部分を食べるのだが、摘んで手に持っていると、とても臭い。南部でよくとれる臭い豆(サトウ)と似た臭いだ

葉の部分をしごき取って(トゲに気をつけること)溶き卵に入れ、ナムプラーで調味してカイチオ(玉子焼き)にするといいわよ、と教わってきた。

(左の写真)

サダーオは、花芽の部分をしごき取って、生のままナムプリックをつけていただく。ラープといっしょに食べてもいい。とても強い苦味があるので、好き嫌いがあるようだ。

私は好きで、出されれば食べるのだが、このように花開いたのは初めて。これも食べられるそうだ。「苦いのが好きな人は歳の人だ」と笑われた。

カメラを持っていなかったので撮れなかったが、この先生の家には
花の木もあるが、食べられるものとしては上記の2種類の他、
ドークケー、マナオ(以上、木)、タクライ(レモングラス)、カー、マクルー、マナオ、バイトゥーイ(以上、草)、
それからマンゴー、パパイヤ、チョンプー、カヌン、ノニ、マヨームなどの果樹もぐるりと植わっていた。


夕飯は市場に行き、イサーン食卓になるよう、買い揃えてきた。


茹で野菜(マクワポアンというグリーンピース大の茄子、
きゅうり、カリフラワー、ドークケーろいう花の蕾)と
サダーオに、ナムプリック

チャオームを加えてカイチオを作ってみた。
臭みがほのかに残っているが
それが美味しく感じられた。

スップ・ヘット

茹で茸の香草和え
ミントとともにいただく


サイクローク・イサーン
イサーン風ソーセージ
(これは酸味のない種類の。唐辛子とにんにんくを
かじりながら食べる人も多いようだが
私はぱす。ソーセージだけ齧る)

これらのおかずにカオニオ(もち米)は欠かせない

(新しく買ったカオニオ専用の入れ物で)


2/14/'06

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