ベンジャミン

ไทรย้อย

クワ科フィカス(イチジク)属 F. benjamina


(チャンタブリにて2007年9月に撮影)

枝から無数にぶら下がっている茶色い紐のようなものは、気根です。


以前行った東北部のピマーイ遺跡の近くにある「サイ・ンガーム公園」 の
あの直径何十メートルにも広がった樹が、このベンジャミン(ゴムノキ)でした。

タイで一番大きなベンジャミンです!

気根が地面に達して幹のようになり、どんどん広がった樹の姿は圧巻です。

広がった枝を支えるのに、補助柱も立ててありました。


トランの公園にも、そんなに大きな樹ではありませんが、何本も植わっています。

同じ樹を外側から見たのが下の写真です。

こうして見ると、日本でよく観葉植物として売られている、あのベンジャミンと同じだとわかるでしょう?
近づいて葉を見てみましょう。

写真はまだありませんが、実は8mmほどの赤い実で、無花果に似ているそうです。


また別の場所で・・もう少し古い樹でしょうか・・
気根が地面についてますね。

こちらは暗い写真ですが、観葉植物のように、やわらかい幹を人の手で編んでやらなくても
自分からこんなふうになっています・・

ベンジャミン・・・日本で昔育てていた観葉植物の中で一番好きなものでしたが
まさか、こんなに大きな木になる樹だったとは知りませんでした。


タイのあちらこちらで人々と共にあるベンジャミンゴムノキ、そんな風景を2枚


(2002年ラオスをメコン川対岸に望む町タートパノムにて)


(2003年、こちらもメコン川対岸はラオスというムクダハンのインドシナマーケットにて)
こちらは写真では見えませんが、下部にカラフルな布がたくさん巻かれて、精霊の宿る木として祀られています。
また、あるときは、大きなリスが飛び回っていましたよ。


(以下は、自分のメモのために、単語について書いておきます。面倒な方は読み飛ばしてください。)

タイ語で正確に何と言うのかを調べるときに、サイ・ンガーム公園の名前を手がかりにしたら、
冨田竹二郎著「タイ日辞典」ですんなりと見つかりました。

それによると、サイ・ンガームไทรงาม の サイ ไทร は、「榕樹、ガジュマル(沖縄方言)」と出ています。

ちなみに、ンガーム งาม は「美しい」の意です。

さらに細かくタイ語の ไทร の解説を読むと、ベンジャミンとガジュマルは別物です。

察するに、タイ語「サイ」 ไทร は、フィカス(イチジク)属のバンヤン(枝から気根を垂らし、奇妙な樹形になるもの)
ベンジャミンやガジュマルなどを含む樹を総称する語のようです。

調べたものをまとめてみました。

ไทร Ficus retusa
Ficus microcarpa
英名 banyan tree 榕樹(ガジュマル)

沖永良部島には日本一のガジュマルがあるそうです。

ไทรกร่าง Ficus bengalensis ベンガルボダイジュ
กร่าง Ficus gibbosa 呼び名は不明

カンボジアのタ・プロム遺跡で撮った写真があります→

ไทรย้อย Ficus benjamina ベンジャミンゴムノキ(和名、ホソバアコウ)

   単語の話がまだ続きます・・タイ日辞典によると

โพธิ์ は「菩提樹」が仏教の象徴であるように、ไทร は神や精霊の宿る樹とされ「平安と憩い」の象徴であり、

ร่มโพธิ์ร่มไทร =「菩提樹の樹蔭・ガジュマルの樹蔭」とは「頼るべき所」の意で、

古典文学では、旅人を眠らせる所は大抵この樹の下ときまっている。

インドでも古来聖樹とされ、パーリ語で 「ニグローダ」 นิโครธ という。

最初に赴任したロイエットの学校の所在地に โพธิ์ の字がつき、現住所に นิโครธ の字がつくが、
それらに関する記述を見て、つい、解説が長くなりました。

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