その9
「9」
タイで縁起のよい数字は9である。カーオという発音が「進む」という意味の言葉と同じということで縁起がよいらしい。
(日本式に考えると九=苦につながり、縁起は悪いのにね ← シーーッ)
いろいろな行事に呼ばれる僧の人数が9人である、というのは割合によく知られている。結婚式のようなめでたい行事に9は付き物だ。その他ありとあらゆる事柄で9は珍重される。
遠足の予定表をみせてもらったことがある。
「出発は9時19分、帰着は19時29分」
時刻について私は言いたい。普通一般そこらに見られる時計がすべてきちっと(あ、この言葉は忘れるべきだった)合っていることはほとんどない。町々に立つ時計台 の示す時刻が正確なのは見たことない。
人と待ち合わせても時間通りに来ないことについて、タイ人は定評があると言っていい。(あ、早目に現れる数少ない友人もいることは書いておかなければ。 でもこれは例外と言っていいと思う。)
それなのに、9分とか19分とか29分とか、そんな細かい数字を予定表に書かないで欲しい!
と評するのは、日本人の私。
予定をこう組むのは縁起をかつぐからだ、遠足の旅の安全無事を願うからだ。誰かの時計でぴったりその時刻になったら出発すればよし、帰着時には無事帰着していることだし、もう予定時刻は問題ないのだろう。
皮肉に聞こえるかもしれないが、実際、こういう見方をしていると理解できるような気がする。そしてその方が、1分2分の違いにこだわる私よりずっと人間的な気がする。 待たされること、時間通りに始まらないことなどにはだいぶ慣れてきたが、この順応性は是か非か。
8/12/'04