<旅の平安祈願>

友人のつてでお世話になったウドンタニー県サンコーム郡にすむ一家。

そこの孫娘が家を発つ数日前、ということで、平安を祈願しに「サーン・プー」にお参りするというので
お供させていただきましたた。

サーン・プーは直訳すると「おじいちゃんの社」

出稼ぎや結婚で異国へ旅立つ者の多いこの村では、
旅立つ前と帰ってきた後に、平安祈願に参るのだそうです。

話を聞くと大変インターナショナルです。
姉は日本人と結婚した。
あの人は台湾で働いている。
彼は中東だ。
韓国の稼ぎはどうか。
あの子は中学卒業後、母親のいるアイスランドへ移り住むそうだ。
などなど・・・


今は雨季で水が上がっているから、「途中から舟よ」と言われ、何か楽しそうな予感。

ここで車から降ろされました。

なるほど、道はの中に消えていた・・・

やがて、向こうから・・

あの舟に乗ります。ふ、ふね?あれが?

そのあれは、(原油高騰の折、)エンジンもないただの入れ物でした^^;

乗る人が自分で漕ぎます。

進む水路、乾季には、れっきとした道です。

木々は、半分まで水に浸かっていますね。

小屋の屋根だけが水の上

目の前のこんもりした所が、サーン・プーのある丘のてっぺんですって。

階段の前にある東屋も半分、水の中。
丸い赤っぽいものはテーブルで、囲むようにある赤い枠のようなものは
全体で円形になる3つのベンチの背なのです。

階段を上がっていくと・・

地元の人たちが寄進して建てたらしい
(はっきり言って、掘っ立て小屋のような)建物がサーン・プーです。

まず、手前の土間で、お供え物の準備をします。

茹でた丸鶏、もち米、お菓子、水、酒、お花、ろうそくとお線香・・

この中は狭いのですが、ここに一同座って、
おじいさんが唱えてくれる有り難い言葉を聞きます。

どの人がおじいさんかと言うと・・

さっき、庭を掃いていた方です

なんだか、とってもいいですよ、この雰囲気。

のどかで、仲良くて、気持ちのいい風が吹き抜けて・・・

別のお願いでいらした人とも打ち解けてお喋り。

ついでということでもないでしょうが、私たち日本人3名の旅の平安も
祈っていただけました。
左腕に、白い糸を巻きつけて祈ってくださいました。
(糸は1週間、つけたままにしておきます。)

ただただ、この水に囲まれた丘のてっぺんでのひとときをゆったり過ごして、また舟で戻っていきます。

漕ぎ手は、参拝者の誰か。知り合いのタイ人女性が漕ごうとしましたが・・・

幸い、このあとはもうひとりの男の人が漕いでくれました。

 

今回の旅で、最もゆるやかに時間の過ぎた、イサーンでの朝のひとときでした。


2008年8月28日

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