<聖火リレー>

各地で、特に欧米で激しい抗議行動のあったオリンピックの聖火リレー。

「チベットをチベット民族の手に!」
「人権侵害反対!」

私もそう叫ぶ!

ただ、聖火リレー阻止についてはこころもとない。

聖火リレーそのものは、もともとヒットラーの始めたことらしいし、やらなくてもいいんじゃないか、
物々しい警戒の中、市民が見ることも出来ないようなリレーなら、やってもむなしいのじゃないか、
とは思う。

オリンピックの開催地が北京になり、経済成長も上り調子の国となって、
問題だらけのかの国の問題の氷山の一角が次々と世界に露出されて問題とされるのは
かたや「身から出た錆」、かたや「瓢箪から駒」かもしれない。

下のサイトにある意見に共感を覚える私です。
http://www.amakiblog.com/archives/2008/04/11/


とにかく、世界中の誰がなんと叫ぼうと、進行している聖火リレー

4月19日はタイのバンコクでした。

ところで、タイといえば、道路の車を止めて交通を遮断するなんてことは朝飯前。
王族の方が車で通られるというときは、高速でも一般道でも
何十分でも遮断して待たせて渋滞を招くのは、特にバンコクであればよくあることです。

厳重警戒をしいて当たらなければならないらしい聖火リレーですが
いとも簡単に交通を遮断して、難なく終わらせるでしょうと予測していました。

おっと、そこがタイです、私の予想を裏切るのが大得意。

こんなふうでした・・

出発点は、バンコクの中華街ヤワラー通りに入る門

ホアラムポン中央駅からはそれほど遠くありません。
駅の近くに、中華街巡りをする無料の観光自動車が走っているのですが
たまたま通りかかったときが、出発5分前だったので、乗ってみました。
(暑くて、歩くのにうんざりしていたのもあったのです。)

そのとき気付きました。あ、この辺が聖火リレーの出発点じゃなかったかしら・・・
それは、午後3時、今は午後1時。

門が見えてくる辺り、車や白バイで渋滞してます。

まさか・・と思いましたが、この観光自動車は、堂々と入っていきます。
横には、IOC御用達の車が・・

門のあちら側は大混雑でした。
協賛のコカコーラやサムスンやレンソーなどがテントを出して
団扇や旗やコーラや水を配っています。

騒ぎになりそうな場所には近づかないようにしようと思っていたのに、
なぜか中華街ツアー自動車に乗ってしまった私。
その自動車は、ぐるりと中華街をまわって一通り見物を終えると
また門のところに戻ってきたので、降りてみました。


午後1時半(聖火リレー出発1時間半前)

出発点(下の写真の赤い背景の壇)の前で記念写真を撮る人々

主に、華人(中華街ですから大勢居ますが、無関心の華人だって大勢いそうな雰囲気の中)
応援団が気勢を上げています。

マスコミも関係者も応援団も通行人も見物人も観光客もごっちゃまぜ!

まだ始まるまでには2時間近くあるとはいえ・・

警官の皆さん、特に何をするでもなく・・


これは、行進のときに加わって、煙突からシャボン玉を出す汽車型トラックbyコカコーラ
(後からTVで見たのです)

ずらっと並んだ白バイ
(後からわかるのですが、この白バイが隊列を組んで美しく走ることなんて無理でしょうという混雑具合でした)

ぐるりと回ってみましたが、抗議活動をするグループは見当たりません。

小心者の私は、小さな声で日本語で、「チベットに自由を!」と叫びながら、
何か、そういう、抗議とか信条とか正義とかいうのがむなしくも「暖簾に腕押し」な空気の中
スゴスゴと、「なんか違うわ」と思いながら歩き去りました。


でも、気になって・・
(やはりただの野次馬の私)

3時頃、また来てみました。

3時をまわっていましたが、まだ壇上には誰もいず、カメラさんたちが準備態勢。

この時点でも、一般車両は普通に走っています。

沿道の両側にはますますの人だかり・・

やがて、偉い方々が壇上に現れ、いよいよ・・

あとからTVを見て知ったのですが、
聖火は、バンコク都知事から第一走者へ手渡されたそうです。

下の写真は、バンコク都知事が手にした場面でした。
(見えませんが^^; 一応、聖火は赤いパネルの中央より左辺りに写っているのですが。)

中華街だ(心情的に身贔屓な華人が多い)から、こんなに無警戒に近かったのでしょうか。

タイだから、こんなに「何でもあり」だったのでしょうか。

見物人が結構大勢いたとはいえ、たぶん、他国だったら(この状況なら)もっと大勢だったでしょう。

そして、世界のニュースなんて他所事のようなゆるい雰囲気。これは、

「タイ警察は精鋭部隊を投入して厳戒態勢で警備に当たるとともに、妨害活動を行った外国人およびタイ国籍を取得している外国人に対して国外追放や国籍はく奪などの厳しい処分を下す方針を示した」
のだそうですが、それが効いたのでしょうか。

タイにはいつもはぐらかされます。


走者を断った人は、環境保護団体のひとりの女性だけだったそうです。
ラーマ5世の孫に当たる方だそうです。

あとで、「バンコク週報」で読みました。以下、「バンコク週報」のサイトより一部引用します。
抗議活動もおとなしいものだったようです。

***

4月19日に厳重な警戒態勢の中、10.5キロのコースで行われたバンコクの五輪聖火リレーは、走者から聖火を奪おうとする者も現れず、大きな混乱なく終了した。

 しかし、スタート地点となった中華街で開始直後に支持派と抗議派が小競り合いを起こしたほか、国連関連施設の集まるラチャダムヌンノーク通りでは、チベット解放を求める約200人が「フリー・チベット」を連呼したのに対し、中国人留学生など数百人が「チャイナ・ファイト」と叫んで対抗する場面もみられた。

***

北京オリンピックの聖火リレーが行われたタイの首都バンコクで19日、チベットの解放を訴える市民運動家と中華系タイ人らとの間で小競り合いが起きた。

 小競り合いが起きたのは、聖火リレーの式典が行われた都内ヤワラー地区の中華門付近。第1走者のアナン・シリパッサラポーン・バンコク都庁副助役がスタートした直後の午後3時20分頃だった。

 きっかけは中華系タイ人と見られる男性。沿道で「ONE DREAM ONE TIBET」と記された長さ3メートルほどの横断幕を掲げていた西洋人男性とタイ人女性の2人から横断幕を取り上げようとし、小競り合いが起こった。

 その後、横断幕を掲げていた男女2人を中華系タイ人や中国人らが取り囲み、横断幕の取り合いをしたり、双方で「ウソつき」などと罵り合ったりするなどの揉み合いが3分ほど続いた。現場は一時騒然としたがけが人はなかった模様。

 横断幕を掲げていたタイ人女性は「中国の平和を願っている。私たちは『ワン・ドリーム、ワン・チベット』というスローガンを世界に伝えたいだけだ」と語った。


2008年4月24日

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