解答と解説

1.

(1)B
(2)午前11時50分
(3)エ
(4)ウ

参考ページ…日の出日の入り南中時刻 太陽の日周運動の1年の変化

こういう透明半球の記録から時刻を求める問題は、透明半球上の太陽が1時間(分)に何cm動くか、または1cm動くのに何時間(分)かかるかが分かってしまえば大丈夫ですね。

(1)
観測地点は北緯36度の地点なので、北半球(日本)にあります。
北半球では、太陽は南を通っていきます。南はBですね。

(2)
透明半球上の太陽がP点(午後1時5分)からQ点(午後3時5分)まで進むのに2時間かかっています。
2時間で10.8cm進んだので、半分の1時間では
10.8(cm)÷2=5.4(cm)  よって、1時間で5.4cm進むことになります。
この日の太陽の半球上の通り道全体は54cmなので、太陽が出ている時間を計算すると、
54(cm)÷5.4(cm/時)=10(時間)
この10時間のちょうど真中の時刻が南中時刻となります。日の出から5時間後、または日没より5時間前ですね。
この日の日没は午後4時50分なので、これより5時間前は午前11時50分となります。

(3)
太陽の道すじ(経路)は東西対称になるので、南よりにのぼったら北よりにしずむ、ということはありません。
イ・ウはこれで脱落です。この日(1月15日)の5ヵ月後なら、6月15日で、「もうすぐ夏至」というころです。
夏至の太陽は北よりの東からのぼり、北よりの西にしずみ、南中高度も最大になりますね。
これを表している図はです。

  
(4)
北緯が高いほど北にある地点、東経が大きいほど東にある地点です。
同じ日で考えると、北緯が高くなるほど、その地点の地平線と太陽光のなす角(太陽の高度)が小さくなりますね。
また同じ日では、東経が大きい地点ほど、先に太陽に一番近い点(南中)まで自転によって移動できます。

  

北緯が高いほど南中高度が低い
東経が大きい地点ほど南中時刻が早くなる
南中時刻が早いということは、日の出や日の入りも早いということです。
太陽は東のほうからのぼってくるので、東の地点ほど早く太陽に出会えるのは当然ですね。
北緯36度東経140度(東京付近)と比べると、北緯44度東経142度(北海道旭川付近)のほうが東にあり、北にあるので
太陽の南中時刻や日の出の時刻は早くなり、南中高度は低くなります。ですね。

2.

(1)エ
(2)A
(3)影が南北の線と重なったときの長さを利用する

参考ページ…太陽の日周運動の1年の変化

影がどうやってできるのかを考えましょう。
棒が太陽光線をさえぎった部分が影になりますね。
太陽のいる向きと逆のほうにできることを想像してください。
太陽の高度が高いほど影は短くなります。

(1)
冬至の日の太陽の日周運動を考えましょう。
太陽は南よりの東からのぼり、南よりの西へしずみます。朝の太陽の位置を意識して想像してみてください。

  

すると、冬至の日付近の午前中(朝〜正午)は北〜西のの範囲に影ができますね。

(2)
夏至の日の太陽は北よりの東からのぼって、北よりの西にしずみます。
日の出と日の入りのときの太陽は天頂より北にあるので、影は南側にできますね。
また、夏至は南中高度が高いので、影は全体的に短くなるはずです。
朝と夕方の影が南側にできていて影が短いのはAの図になります。

   

ついでにほかの季節についても考えてみてください。
どの季節も影の先端は西から東へ動いていきます。
太陽の高度が高いほど、「影の先端」と「厚紙の中心」との距離が短くなりますね。
おもしろいことに、春分と秋分の日の影の軌跡は西から東へ一直線になります。

(3)
そのときの太陽の高度は棒と影を2辺とする直角三角形を
作図し、図の角度を測れば求めることができます。
太陽が南中したときの高度が「南中高度」なので、
太陽が真南にきたとき=影が真北にのびるとき
このときの影の長さを利用するといいことになります。
影が南北の線と重なったとき影が真北にのびたとき
などですね。

問題の図では南中は午後0時になっていますが、地域によって南中の時刻はその前後になります。
この問題の観測地に限っては「午後0時のときの影を利用する」という答えでもよいことになりますが、
ここは一般性を考えてこの答えは避けたほうが無難です。

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