太陽の日周運動の経路は透明半球に記録するなどして観察できます。
太陽の日周運動は地球の自転が原因なので、星の日周運動とそっくりです。
1時間に15°移動することは、星の日周運動でも導いていますので、そちらをごらんください。ここでは時刻について考えてみましょう。

太陽の動く速さ

日の出から日の入りまで太陽の通り道を

 透明半球に記録したとき、

天球上の太陽は一定の速さ

動いていくのがわかります。

地球が一定の速さで自転しているせいですね。


【例】日本の秋分または春分の日の太陽

透明半球上で太陽が一定時間に何cm動いたかがわかれば、その日の日の出・日の入り・南中の時刻を求めることができます。
だから、透明半球に一定時間ごとに記録していない場合でも、いつ記録したものか時刻が記入してあれば、計算で求めることができますね。

日の出・日の入り・南中時刻

東経135°の地点(兵庫県の明石市付近)では、正午(午前12時)近くに太陽が南中します。
しかし、日本中どこでも正午に太陽が南中するわけではありません。
地球が西から東へ自転しているため、同じ日本でもより東の地方が、より早く太陽が南中します。
東京では明石市と経度で4゜42'違うので、明石市より約19分早く太陽が南中します。
日の出や日の入り時刻もそれだけ早くなります。

ポイントをおさえましょう。

太陽は一定の速さ東から西に動く

日の出〜南中までの時間南中〜日の入りまでの時間

※昼間の時間のちょうど中間が南中時刻ですね。

【例題1】

右図の場合の日の出時刻・

日の入り時刻・南中時刻を求めよ。

まず、太陽が1cm動くのに何分かかるか求めましょう。時刻がわかっている2点に注目です。

8:40から10:00までの間(1時間20分間)に太陽は透明半球上を4cm進んでいます。1cm動くには

1時間20分÷4=20分   透明半球上の太陽は20分かけて1cm動いたことがわかりました。

日の出から8:40までは9cm動いています。9cmはどのくらいの時間か計算してみましょう。

1cmにつき20分だから、9cmなら  20分×9=180分=3時間  (1時間=60分だから)

8:40の3時間前が日の出時刻です。 8時40分−3時間=5時40分  日の出時刻は5:40

では、日の入り時刻はどうでしょう。同様に、16:10から6cm動いたときですので、

1cmにつき20分だから、6cmなら  20分×6=120分=2時間

16:10の2時間後が日の入り時刻です。 16時10分+2時間=18時10分  日の入り時刻は18:10

南中時刻は日の出時刻(5:40)と日の入り時刻(18:10)のちょうど真中の時刻ですね。

昼間の時間(太陽が出ている時間)を求めて2で割ります。

昼間の時間=18時10分−5時40分=12時間30分

昼間の時間の半分は 12時間30分÷2=6時間15分

南中時刻は日の出時刻から6時間15分後なので、 5時40分+6時間15分=11時55分
南中時刻は11:55

ついでなので、もう少しよけいなことまで考えてみましょう。
昼の時間が半日(12時間)以上あるので、春分や秋分よりも夏よりの季節だということもわかります。
このことは、図中で真東から北よりに太陽がのぼり、真西から北よりに太陽がしずんでいる点からも想像できます。
このくらいの時期は明石市ではほぼ正午(午前12時)に太陽が南中します。
問題の地域では午前12時よりちょっと前に南中していますから、この観測地点は明石市よりもやや東にある場所だということがわかりますね。
経度が15度ずれると1時間南中時刻がずれること(1度で4分)を使って、明石市との経度のずれを考えてみると、5分のずれなので、1度ちょっとです。
わりと明石市から近い場所みたいです。

 

ある日の太陽の通り道を透明半球に記録した。
この日の日の出は午前6時30分で、点Bは午前9時30分の位置である。
記録した弧の長さをはかってみると、弧ACの長さは44cm、弧ABの長さは12cmだった。

@日の出の位置はAとCのどちらか。
  A  C 

Aこの日の日の入りの時刻は次のどれか。
  18時15分  17時30分  16時30分
   17時15分 

Bこの日の太陽の南中時刻は次のどれか。
  11時30分  12時30分  11時45分
   12時

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