養分を体内で吸収されやすくなるまで小さく分解していくのが消化です。どんな器官からどんな消化液が出て、どの養分を分解していくのかをおさえましょう。

消化酵素

それぞれの器官から出る消化液は決まった養分にはたらきます。実際に養分を分解しているのが消化液にふくまれている消化酵素です。

消化酵素
 だ液・胃液・すい液などの消化液にふくまれる。
 さまざまな種類の消化酵素があって、それぞれはたらきかける養分が決まっている。


消化液を
分泌
する器官

 


消化液
(消化酵素)

炭水化物


タンパク質


脂肪


だ液せん だ液
(アミラーゼ)


胃液
(ペプシン)


肝臓 胆汁
(消化酵素はふくまない)
すい臓 すい液
(数種類の消化酵素)
小腸 腸液
小腸の壁の消化酵素
柔毛で
吸収
 
ブドウ糖

アミノ酸

脂肪酸
グリセリン

胃に続く小腸の上部は十二指腸と呼ばれる部分です。
胆汁もすい液もここに分泌され、消化の最終的な仕上げをしています。

だ液の実験

だ液にふくまれるアミラーゼという消化酵素はデンプンを糖に分解するはたらきをします。
授業でだ液のはたらきを調べる実験をしましたね。ここで結果を復習しておきましょう。
※ヨウ素液はデンプンの検出、ベネジクト液は糖の検出に使われる試薬です。ヨウ素液とベネジクト液についてはこちらで確認してください。

A〜Dの4本の試験管にデンプンのりを入れ、AとCにはだ液を、BとDには水を加えます。
AとBの試験管はヒトの体温程度(約37℃)の湯につけ、CとDの試験管は氷水(約0℃)につけて10分くらい放置します。

ヨウ素液を加えてみる

 A〜Dの試験管から半分をとり出し、それぞれに
 ヨウ素液を2〜3滴加えて色の変化を見ます。

 A以外は青紫色になった→デンプンが残っている
 Aは色の変化なし→デンプンがない

体温程度でだ液によりデンプンが変化した

ベネジクト液を加えて熱してみる

 A〜Dの試験管から残りの半分をとり出し、
 それぞれにベネジクト液を少量加えて加熱し、
 変化を見ます。

 A以外は変化なし→糖はない
 Aは赤かっ色の沈殿ができた→糖ができている

体温程度でだ液がデンプンを糖に変化させた


水を入れたのは、デンプンが勝手に分解したのでなく、だ液によって分解されたことを確認するためです。

この実験で、だ液にふくまれる消化酵素はヒトの体温くらいの温度でデンプンを糖に分解することが確かめられました。
もともと体内ではたらくものなので、消化酵素は体温くらいでもっともよく活動します。
低温すぎても高温すぎてもはたらきません。

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