生物のふえ方と進化
生物は、親からもらった特徴を子に伝え、また、長い期間のうちにそのときの環境に合わせて変化してきました。
現在の地球にはいろいろな生物がいますが、それらがどのようにふえ、どのように進化してきたかを考えていきましょう。
遺伝
ネコの子は必ずネコという種類の動物になり、他の種類の動物にはなりませんね。カエルの子もやはりカエルになります。
また、同じ「ヒト」という種(しゅ)であっても目や髪や肌の色などが違うのは、地域によって違うというより、親から受けついだものですね。
形質…生物の特徴を示す形や性質
遺伝…親のもつ形質が子に伝わること形質を伝えるもの…遺伝子 核の中の染色体にある形質を表すもとになるもの
親からもらった遺伝子によって、その生物個体の形質が決まります。
なお、染色体は対になって存在し、染色体の数は生物の種類によって決まっています。
【参考】
例:アメーバ…12本(6対) クロカビ…4本(2対) ネコ…38本(19対) ヒト…46本(23対) アメリカザリガニ…200本(100対)
形質を伝える遺伝子は染色体の中にあります。
生物はたくさんの形質を持っているため、1本の染色体はたくさんの遺伝子をふくんでいます。
無性生殖と有性生殖
ふえ方 特徴 無性生殖 体細胞分裂などにより、新しい個体をつくる 雄と雌(性別)によらない
もとの個体と同じ遺伝子をもつため、
親とまったく同じ形質を示す同一な子ができる
↓
環境が変化すると全滅する可能性がある有性生殖 雄と雌による受精によって新しい個体をつくる 動物…精子と卵の核が合体して受精
植物…精細胞と卵細胞の核が合体して受精
受精卵が育ち、新しい個体ができる母親と父親の遺伝子を受けつぐため、
種としての形質以外は
両親と異なる形質を示す多様な子ができる
↓
環境が変化しても生き残る可能性がある体細胞分裂についてはこちらで復習してください。
無性生殖は自分自身のコピー(クローン)をつくる、といった感じですね。
野菜などの栽培で、人工交配による有性生殖で優れた形質を得た品種はその後は無性生殖でふやしています。
受精と発生
有性生殖は雄(♂)と雌(♀)による受精で新しい個体をつくるふえ方ですね。
受精…精子または精細胞(♂)の核と卵または卵細胞(♀)の核が合体すること
受精後の卵または卵細胞は受精卵となります。
2個の核が合体して1個の核になるので、受精卵の染色体の数が2倍にならないように生殖細胞は特別な分裂のしかたでつくられます。
減数分裂…生殖細胞をつくるときの染色体が半数になるような細胞分裂のしかた
卵巣…卵をつくるところ
精巣…精子をつくるところ
種子植物の場合、卵細胞は胚珠の中に、精細胞は花粉の中につくられます。卵巣・精巣で細胞が減数分裂をして卵・精子がつくられます。
生殖細胞はふつうの半数しか染色体をもっていませんが、受精によって受精卵はふつうの数の染色体をもつことになります。
発生…受精卵が細胞分裂をくり返して親と同じつくりの個体になっていく過程
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