水中の微小生物

1年生のときに顕微鏡で小さな生物の観察をしたことがありますね。
彼らはひとまとめにしていっぱんにプランクトンと呼ばれますが、植物的なものもあれば動物的なものもあり、単細胞のものもあれば、多細胞のものもあります。
光合成をする植物プランクトンは食物連鎖の生産者として、また、植物プランクトンも動物プランクトンも、水中の動物のえさとして非常に重要です。
どんな生き物だったのか、簡単に紹介しておきましょう。

光合成をする単細胞生物(植物性)…からだはひとつの細胞からできていて光合成をする藻類です。

ミカヅキモ 三日月形の形です。長さは約0.1mm。藻類(緑藻類)のなかま。
ハネケイソウ 鳥の羽のように見えるケイソウです。長さ約0.1mm。藻類(黄藻類)のなかま。
ケイソウはケイ酸質の上下2枚合わさったからを持ちます。

光合成をする単細胞生物(動物性)…植物プランクトンとも動物プランクトンともいえる生物です。

ミドリムシ 光を感じとる赤い眼点をもち、光合成をします。
べん毛をもち、動きまわることもできます。長さは約0.06mm(60μ)。
ウチワヒゲムシ うちわのような平たいからだで、ミドリムシの仲間で光合成をします。
長さは約0.06mm(60μ)。べん毛をもち、動きまわることができます。

光合成をする群体または多細胞生物(植物性)…ネンジュモ以外は緑藻類(アオサ・アオノリのなかま)です。

ネンジュモ 単細胞の個体がいくつか連鎖してじゅず玉のように見えます。
1個の細胞の直径は0.004〜0.008mm(4〜8μ)くらい。
ラン藻のなかまで、細胞は核と細胞質の区別がありません。
ボルボックス オオヒゲマワリというボルボックスは、寒天質の膜の中に2本のべん毛をもつ細胞が1000〜20000個集まって空洞の球形をつくっています。群体の直径は約0.5mm。
球形の中にもさらに群体をつくり、中で成長してから出て新しい郡体になります。
藻類(緑藻類)のなかまですが、1個体ずつべん毛をもつので動けます。
クンショウモ フタヅノクンショウモは単細胞の個体が2本の角(つの)を持ち、
平面に並んで勲章のような形の郡体をつくるふつうのクンショウモです。
藻類(緑藻類)のなかまで、群体の直径は約0.06mm(60μ)。
アオミドロ 細胞が縦1列に並んで糸のように見え、分裂や接合という方法でふえます。
ひとつの細胞には細長い葉緑体がらせん状に入っています。
多細胞の藻類(緑藻類)のなかまで一般的な太さは約0.03mm(30μ)。

動く単細胞生物(動物性)…からだはひとつの細胞でできていて、原生動物と呼ばれます。

アメーバ からだを変形させながらえさをとらえ、消化します。
体長約0.6mm。
ゾウリムシ からだの表面が繊毛(せんもう)でおおわれていて、繊毛が波うって運動します。
草履(ぞうり)の形に似ています。体長約0.25mm。
ラッパムシ ラッパの形で口のまわりに繊毛がついています。体長0.2〜2mmくらい。
からだの細いほうで物に付着して生活します。
ツリガネムシ 釣鐘(つりがね)形のからだに柄がついていて、柄で物に付着します。
柄はばねのように伸び縮みします。
体長0.05〜0.1mm(50〜100μ)くらい。

動く多細胞生物(動物性)…原生生物とはいえない、高等な多細胞の動物でオスとメスがあります。分類名はこちらを参考にしてください。

ワムシ 輪形動物のなかまです。
ふつうに見かけるのはメスらしく、秋になるとオスも現れます。
一般にメスのほうが大きく、体長は0.4〜2.5mmくらい。
ミジンコ 節足動物の甲殻類(カニやエビのなかま)の1種。
多くの池や沼に見られるふつうのミジンコです。
体長は約2mm。
ゾウミジンコ 節足動物の甲殻類です。
ミジンコのなかまでゾウの鼻のような突起が出ています。
体長は約0.4mm。
ケンミジンコ 節足動物の甲殻類です。
ミジンコのなかまで山地の沼などの深いところにすんでいます。
体長は約1mm。

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