ある植物にできる種子には、丸としわの2つの形質があることがわかっている。
丸の形質を支配する遺伝子をA、しわの遺伝子を支配する遺伝子をaで表し、優性形質はAである。
また、この植物の受粉は自然下では1つの花のなかで必ずおこり、1つの花からできる種子は同数であると考えて良いものとする。

(1) この植物からとれた種子の中から丸いものを1つ選んで春先に蒔き、秋に収穫した種子を
  調べてみたら、収穫した種子のおよそ4分の3は丸いもので、残りは全てしわであった。
  春先にまいた丸い種子が持つ遺伝子の組み合わせを記号を用いて示せ。
(2) (1)の秋に収穫した種子全てを翌年の春さきにまき、秋に種子を収穫したとき、種子の形質が
  しわのものは収穫された全種子数のどのくらいを占めると考えられるか、分数で答えよ。
(3) (1)の秋に収穫した種子が持つ遺伝子の組み合わせは、全部で何通りあるか答えよ。

ご質問: 愁さん(2005/1/7)

参考ページ…遺伝の規則性(参考)

(1)

「丸」の形質が現れるのはAAとAaです。
全部で「4」のうち、「3」は丸い種子、残りの「1」はしわの種子、ということは「丸:しわ=3:1」ですね。

↑の場合(Aaどうしのかけあわせ)に「丸:しわ=3:1」の割合で現れます。
AAどうしではすべてAAの種子(丸)、aaどうしではすべてaaの種子(しわ)となります。
※表にしたりして、遺伝子の組み合わせを考えるとき、「aA」と書きたいときでも、優性の形質を表す遺伝子Aを先に書きましょう。

(2)

(1)の結果より、最初の秋に収穫した種子は、AA・Aa・Aa・aaが均等にできたので、
  
問題文の「この植物の受粉は自然下では1つの花のなかで必ずおこり」という部分を見落とさないようにしましょう。
「1つの花の中で受粉する」ということは「同じ遺伝子の組み合わせでかけあわせが行われる」ということです。
要するに、AA-AA、Aa-Aa、aa-aaというかけあわせしか行われません

割合で考えると少々難しいので、最初の秋にできた種子がAAが1個、Aaが2個、aaが1個と、全部で4個だったとし、
それを次の春に蒔いて成長した後、それぞれに1個の花がさいたことにしましょう。
各花が自分自身の中で受粉をしたとき、遺伝子の組み合わせにより、各4個の種子ができたとします。
(問題文から、1つの花からは同数の種子ができると考え、4個にしました)

  

割合で考えてもいいです。
しわの種子はaa以外の組み合わせでは現れません。aaができる割合を考えます。

  

これが自花受粉ではなく、人工受粉などの方法で、すべての花を均等に受粉させるようにすると、「丸:しわ=3:1」で現れます。

(3)

解答(1)の図より、AA、Aa、Aa、aaが現れているのがわかります。
よって、AA、Aa、aaの3通りとなります。

答え

(1)Aa
(2)8分の3
(3)3通り

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