血液にはいろんな役目があり、その役目に応じた成分がふくまれています。ここでは血液の代表的な役割と、そのつとめを果たす成分を見ていきましょう。
血液の成分
有名な次の4つの成分とそのはたらきを覚えましょう。
赤血球 ・赤い固体成分
・酸素を運ぶ
(ヘモグロビンをふくむ)白血球 ・無色の固体成分
・体内に侵入した細菌などを
殺す
※いろんな種類があります血小板 ・小さな固体成分
・出血したときに血液を
固まらせる血しょう ・あわい黄色の液体成分
・二酸化炭素や養分を運ぶどれも大事な役目をもっていますね。
ただの運び屋の役目だけでなく、体内への細菌の侵入を監視したり阻止する役目や、血管が破れたときも小さなケガなら応急手当も血液が自分でしてしまいます。
このほかに体内のよぶんな熱を放出する体温調節もやっています。
血液が細胞にいるものを届け、いらないものをもらってくるのはからだ中にある毛細血管で行われます。
毛細血管の壁は非常にうすい膜なので、液体である血しょうがしみ出して血管外に出ることができます。
1.動脈から毛細血管に入ると、赤血球が酸素を血しょう中に放す
2.血しょうが毛細血管外にしみ出して、細胞間をみたす組織液となる
3.細胞は組織液から酸素と養分を受けとり、二酸化炭素などの不要物をわたす
4.不要物を受けとった組織液が毛細血管に帰ってきて血しょうとなり、静脈に入る
※ヘモグロビンは酸素の多いところでは酸素と結びつき、酸素の少ないところでは酸素を放すという性質をもっています。
この性質のおかげで血液は、肺(酸素の多いところ)では酸素を受けとり、細胞のそばの毛細血管(酸素の少ないところ)では酸素を手放して細胞に与えることができます。もう一度、動脈・静脈・毛細血管の役目をはっきりさせましょう。例えると、以下のような感じです。
- 高速道路を通って車が荷物を運んでくる→動脈を通って血液(動脈血)が養分や酸素を運んでくる
- 高速道路から脇道に主要道路が分かれている→動脈は枝分かれしながら細くなっていく
- さらに枝分かれして細い一般道になる→さらに枝分かれして毛細血管となる
- 運転手が車から降りて各家庭に荷物を届ける→血しょうが各細胞をみたす組織液となり、各細胞に養分や酸素を届ける
- 運転手は各家庭から不要なゴミを受け取り車に戻る→組織液は各細胞から不要物を受け取り血液中に戻る
- 車は細い一般道が合流した太い主要道路に入る→血液(静脈血)は毛細血管が合流した静脈に流れていく
- 道路は合流をくり返してさらに太い高速道路になる→静脈はさらに合流をくり返して太い静脈となる
動脈・静脈は血液を通すだけで、各細胞と物質の交換はできません。ただの「道」ですね。
毛細血管は各細胞と物質の交換をします。
そのため、できるだけすべての細胞に有利なように、細く網目状に枝分かれすることで表面積を大きくして、効率よく物質が交換できるようになっています。
リンパ系(参考)
組織液が出てきたついでにリンパ系の話をしておきましょう。
人体には血管のほかにリンパ管という道すじも全身にはりめぐらされています。
リンパ液…組織液がリンパ管に入ったもので、血液の成分である血しょうと同じもの。
リンパ管…細くて透明な管で、リンパ液が流れている。逆流をふせぐ弁がついている。
合流して1本になり、首の下の静脈に合流する。
リンパ節…リンパ管が合流してかたまりになっているところ。
リンパ液をろ過し、細菌が全身に広がらないようにくい止める。小腸で脂肪がリンパ管に吸収されたあと、首の下で静脈に流れ込んで血液中に入ります。こちらで思い出してください。
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