純粋な物質はそれぞれ沸点が決まっていました。このことを利用して液体の混合物を分けることができます。

エタノールと水の混合物を加熱する実験

エタノールも水も純粋な物質ですが、お互いを混ぜ合わせると混合物です。この混合物からエタノールをとり出す実験ですね。

手順

エタノール3cm3と水17cm3を混ぜ、
枝つきフラスコの中でおだやかに
熱する。

出てきた液体を2cm3ずつ試験管
に集める。何℃のときに出てきたか
温度を測定する。

それぞれの試験管の液体について
性質を調べる。

・におい
・火がつくかどうか

結果

グラフでは、沸点がはっきりしませんが、エタノールの沸点付近の温度で少し水平に近い部分を探します。
そこが混合物の中のエタノールが沸騰している部分です。

1本めエタノールの沸点くらいの温度)
 アルコールのにおい・ろ紙にひたして
 火をつけるとつくことから
 エタノールを多くふくむ液体

2本め
 アルコールのにおいも弱まり、
 火もつかないので、水の混じった
 うすいエタノールである可能性が高い

3本め水の沸点くらいの温度)
 アルコールのにおいはほとんどしない
 ので、水を多くふくむ液体

蒸留

上の実験のような方法を蒸留といいます。

蒸留…液体を熱して沸騰させ、出てきた気体を冷やしてふたたび液体にしてとり出すこと
                    ↓
    沸点のちがいにより、混合物を分けてとり出すことができる

   沸点が低いほうの物質が先に出てくる

1回の蒸留では、純粋な物質をとり出すことはできません。
何度も蒸留をくり返すことによって、ほぼ純粋に近い物質をとり出すことができます。

混合物をから純粋に近い物質をとり出す方法は
・蒸留…液体の混合物を分ける
・ろ過…水にとけない固体をとり出す
・再結晶…水にとける固体の混合物を分ける
などがあります。再結晶については「水溶液」の「溶解度」の項目を参考にしてください。

石油の精製(参考)

地下からくみ上げられたばかりの石油(原油)は
数種類の物質の混合物です。

それぞれの物質の沸点のちがいを利用して
さまざまな物質を蒸留でとり出しています。

加熱された原油が「精留塔」にはいる
      

上部ほど温度が低いので、
それぞれの物質は沸点付近の温度の場所で
液体になってたまる
      

沸点のちがいによってそれぞれの物質に
分けられる

精留塔には上部ほど沸点の低い物質が集まる

2種類以上の液体の混合物を蒸留し、沸点のちがいによって
液体を分けることを分留ということもあります。

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