ここでは、2分野にしてはめずらしく、グラフの読みとりや時刻の計算が出てきます。よく見る地震のゆれの伝わりのグラフの読み方をマスターしましょう。
ゆれの伝わりのグラフ
P波・S波の伝わりを震源距離と時刻の関係で示したグラフです。
いろいろな情報がいっぱいつまっているので、どんなことが読みとれるか、ひとつずつ見ていきましょう。ある地震について、初期微動・主要動が始まった時刻と震源距離との関係を表したグラフを用いていきます。
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グラフの一部が表示されている場合
グラフから必要な情報を的確に読みとる練習をしましょう。
【例題】
右のグラフはある地震について、震源からの
距離とゆれ始める時刻を表したものの一部で
ある。次の問いに答えよ。なお、場所によって
地震波の速さは変わらないものとする。(1)この地震が発生したのは何時何分何秒
か。(2)震源からの距離300kmの地点での
初期微動継続時間は何秒か。(3)地震発生後25秒後に主要動が始まる
地点は震源から何kmの場所か。(1)
「地震波の速さは場所によって変わらない=P波もS波も一定の速さで伝わる」ということなので、
地震波の速ささえわかれば、距離が0の時刻は逆算できますね。
P波でもS波でもいいですから、読みとりやすい2点をさがして速さを求めましょう。どちらの波のどの2点でもいいです。
解答例としては、P波の20時05分00秒と20時05分20秒のときの距離を読んで計算してみます。P波は20秒たつ間に120km進んだから、 P波の速さ=120(km)÷20(秒)=6(km/秒)
20時05分20秒のとき、P波は震源から300km進んできたので、300km進むために必要な時間を求めてみます。
時間=距離÷速さ=300(km)÷6(km/秒)=50(秒)
20時05分20秒の50秒前は 20時05分20秒−50秒=20時04分30秒 答えは20時04分30秒ですね。
(2)
震源からの距離と初期微動継続時間は比例します。比例式を使ってみましょう。
読みとりやすい距離の地点を選んで、距離と初期微動継続時間の関係を求めます。
ここでは、震源からの距離180kmのときを読んでみました。震源距離180kmのとき、初期微動継続時間が30秒だから、300kmならχ秒として比で求めてみます。
180(km):30(秒)=300(km)=χ(秒) 比例式の解き方はこちら これを解いてχ=50(秒)
よって、答えは50秒です。
【別解】
S波の速さを(1)と同様に求めてみて、震源距離300kmの地点にS波が届く時間を求めます。
初期微動継続時間=S波が届くまでの時間−P波が届いくまでの時間=100(秒)−50(秒)=50(秒)(3)
S波が届くと主要動が始まります。読みとりやすい2点をさがして、S波の速さを(1)と同様に求めてみましょう。S波は20秒たつ間に60km進んだから、 S波の速さ=60(km)÷20(秒)=3(km/秒)
この速さで25秒では何km進むかを考えます。
距離=速さ×時間=3(km/秒)×25(秒)=75(km) 答えは震源から75kmの地点です。
(1)はS波の速さから求めることもできますし、(3)は地震発生50秒後(20時05分20秒)にS波が150km進んだことを使って比で解くこともできます。
いろいろ方法はありますから、思いついたやり方で挑戦してください。
※解答は半角数字の整数で入力してくださいね。
下の表は、ある地震のときの記録である。
このときのP波は7.5km/秒、S波は3km/秒の速さだったとして、次の問いに答えよ。@地震発生の時刻は?
AA地点の震源距離は?
BB地点の初期微動継続時間は?
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