はじめは電圧・電流・抵抗と言われてもピンとこないものです。よくある例えを使ってイメージしてみましょう。

電流回路をイメージする

電流回路は、よく、流れる水に例えられます。電流の流れ方は水路の水の流れ方に似ています。

右図のような水路を考えてみましょう。
ポンプでくみ上げられた水は高い位置から水路へ流れ出します。
傾斜のある水路の一番下には水車があり、水の流れをじゃまします。
水車を通った水はその後流れるにまかせてポンプまで帰ってきて、またくみ上げられます。
水路の落差→電圧
水車→電気抵抗
1秒間に流れる水の量→電流

と考えて回路をイメージします。

※電源の電気用図記号はふつうの場合と+−が逆になっていますが、気にしないでください。

水の勢いは落差だけに関係し、水路のどこでも1秒間に流れる水の量は一定です。
でないと、どこかでたまってしまいます。
電圧の高い電池ほど、水路では水を高い位置にくみ上げるポンプだと想像してください。

電圧と電流の関係

電圧の大小が回路を流れる電流にどう関係するか水路で考えてみます。
同じ大きさの水車を使ったとしましょう。

当然、水の勢いは落差の大きなほうが大きくなります。
落差(電圧)が大きいほど、1秒間に流れる水の量(電流)が多くなりますね。

抵抗と電流の関係

抵抗の大小が回路を流れる電流にどう関係するか水路で考えてみます。
同じ高さから水を流したとしましょう。

当然、水の勢いは水車が小さいほうが大きくなります。
水車(抵抗)が小さいほど、1秒間に流れる水の量(電流)が多くなりますね。

直列回路・並列回路とは

抵抗を2個つないだ回路を考えてみます。水路では水車が2個ある場合を想像しましょう。
大小2個の水車を水路の途中にとりつけたり、水路を枝分かれさせてとりつけたりして、同じ高さから水を流したとしましょう。
※ポンプの太さは無視して落差だけを考えてください。

直列回路
(水路は1本/水車はたてに並べる)
並列回路
(水路は枝分かれ/水車は横に並べる)
それぞれの水車は自分がじゃまする水量に見合った落差を必要とし、落差を分け合います。2個の水車に流れをじゃまされて水量は1個のときより減ります。 2個以外に水車はないので、落差は水路が枝分かれするまで使われず、水路が枝分かれすると、どちらの水車にも同じ落差で水が流れていきます。水はじゃまされないラクなほうにたくさん流れていき、合流してポンプにもどります。

直列回路では「電流は回路のどこでも同じ」、並列回路では「各抵抗にかかる電圧は電源の電圧と同じ」であることをイメージしてください。


電圧の分配を位置エネルギーでイメージする(参考)

ゆけゆけさん(掲示板の回答者の方)がご好意で図をつくってくれました。
電圧は「電位」というものの差で表します。
電位とは電気的な位置エネルギーなので、電位を「高さ」でイメージしましょう。
そのために図は抵抗をたてに並べて描いていただきました。
参考…仕事とエネルギー>エネルギー
直列なら電圧を分け合い、並列なら同じ電圧がかかることを感じとってください。


※図はゆけゆけさん作

回路には、上から抵抗R1が直列に、その下で枝分かれして抵抗R2・R3が並列に、下でまた合流して抵抗R4が直列につながれています。
(抵抗R1〜4はすべて2Ωで同じもの)
高い位置にあるほど電位が高いと考えます。
電源の−極に近い一番下(高さ0)が電位が一番低い0Vの場所です。
各高さの電位は各位置エネルギーと例えます。

電源を出た電流はR1に流れこみ、電圧を1V消費してR2・R3の分岐点にきます。この位置で電位1.5Vになります。
R2・R3は同じ高さなので、電位は同じです。

R2・R3の下で電流は合流してR4に流れこみますが、合流前でも、同じ高さの位置なら同じ電位です。
R2・R3には同じ電位差(=電圧)がかかることになります。
R4でも電圧を1V消費して、ついに電位が0Vとなります。


同じ位置なら同じ位置エネルギー、高い位置にあるほど
位置エネルギーが大きい
                ↓
同じ位置なら同じ電位、高い位置にあるほど電位が高い

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