コリオリの力

北半球で風が右にそれてしまう原因はコリオリの力と呼ばれる見かけの力のためです。どんな力なのか、参考までに解説しておきます。

運動中の系から物体を投げたとき

まずはそれぞれ等速で同じ向きに並んで走っている電車でキャッチボールをした例を考えましょう。
電車Aの中央にはAさんが、電車Bの中央にはBさんが乗っていて、この二人にキャッチボールをしてもらいます。
注:ここでは空気抵抗を考えていません。
電車の外の空気の影響を受けないくらい小さく重いボールを考えてください。(弾丸ではコワいので…)

順番にラジオボタンをクリックしてみてください。

まず、両電車が同じ速さで並走しているときです。
  Aさんが投げたボールは電車内にあったボールなので、
  電車の進行方向に速さを持ったまま電車Bをめざします。
両電車は同じ速さなので並んで走っています。ボールはまっすぐBさんに届きます。
   

速さが違う場合はどうでしょう。
  Aさんがなげたボールは…
電車Bが速いため、ボールはBさ
  んより遅れた位置に届きます。
  (ボールの進行方向より右にそれる)


Bさんが投げたボールはどうなるでしょう。
電車Aが遅いため、ボールはAさんより進行方向前のほうに届きます。
  (ボールの進行方向より右にそれる)

電車AよりBが速い場合、ボールはAさんが投げてもBさんが投げても進行方向に対して右にずれて届きます。
Aさん、Bさんにとっては、ボールが右にそれるように力を受けているように感じるでしょう。
北半球ではこれと同様の現象が起こります。

※電車Aより電車Bが遅い場合は、逆に左へそれる力がはたらくように見えます。(南半球でのコリオリ力はこちらです)

地球の自転による見かけの力

地球はほぼ球体です。また、地軸を中心に一日一周自転しています。参考…星の運動>自転と公転
地球表面上の各地点で自転の速さが違うため、見かけの力が生じます。

順番にラジオボタンをクリックしてみてください。

地球は西から東へ自転しています。
緯度による自転の速さの違いを見
  てみましょう。
  赤道は一周約4万kmです。赤道上
  の地点B(緯度0度)は
  4万kmを一日で一周していることに
  なります。
  もう少し緯度が大きい地点Aでは
  回転の半径が小さいため4万kmも
  ありません。地点AとBで自転の速さ
  が違います。

地点Aから地点Bへ真南へ飛行機を
  飛ばしてみます。
飛行機は真南より西に着きます。
  (右にそれた)

地点Bから地点Aへ真北へ飛行機を飛ばしてみます。
飛行機は真北より東に着きます。(右にそれた)

このように、北半球での南北方向の物体の運動は、進行方向に対して右にそれるように見えます。
地球上の人から見ると、いかにも物体を右へそらす力がはたらいたように見えるはずですね。
地球が球体で自転しているために起きる見せかけの力をコリオリの力といいます。

南半球では

自転の向きは北半球でも南半球でも同じ(西→東)ですね。
南極に近いほど自転の半径が小さいため、南極に近いほど自転の速さが遅くなります。
赤道付近から南極方面へ向けて真南に飛行機を飛ばした場合、
目的の地点より自転の速さが大きい飛行機は、目的地より東に着いてしまいます。
また、逆に赤道付近に向けて真北に飛行機を飛ばした場合、
赤道付近の地点より自転の速さが小さい飛行機は、赤道付近の地点より西に着いてしまいます。

南半球でのコリオリの力は、物体を進行方向に対して左にそらす力となりますね。
北半球と逆向きになります。

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