星の運動

地球から見たとき、星はどのように動いていくのか、その規則性と原因をみていきましょう。
「運動」といっても、実際は地球が動いているために起きる「見かけの運動」です。
その見かけの運動の原因となる「地球の自転と公転」について、ここでまとめておきます。

地球の自転

よく知られているように、地球は自分自身で1日に1回転しています。

地軸…北極と南極を結ぶ線

  公転面に立てた垂線に対して
  23.4°かたむいている

地球の自転によって、各地に昼と夜ができます。

太陽の光に照らされた地域が昼

影になった地域が夜

地球が自転していると観測者にとって、太陽や遠くの星はどのように動いていくように見えるか、地球に乗ったつもりで考えてみましょう。

自転の向きに合わせて見ていきましょう。
太陽はとても大きく、星はとても遠いので、太陽からの光や星からくる光はすべて地球の幅に対し、
平行にやってくると考えてよいです。
日本(北半球)にいる観測者を
北極側から見ていきます。

順番にラジオボタンをクリックしてみてください。  

まず日没。これから暗い夜に入ります。【図…夕方の観測者】
 太陽からの光は西から、星からの光は東からやってきます。

すっかり夜です。
  【図…夕方と真夜中の間の観測者】

 さっきの星からの光は南に移って南東から
 きています。

そして真夜中。太陽の反対側にきました。
  【図…真夜中の観測者】

 さっきの星からの光が真南からやってきま
 す。ここで南中する星は一晩中見えている
 星です。

もうすぐ日の出です。
  【図…明け方と真夜中の間の観測者】

 さっきの星からの光は西に移って南西から
 きています。

夜が明けてきました。【図…明け方の観測者】
 さっきの星からの光は西からきています。太陽の光が東からやってきました。

地球は地軸を中心として、1日1回西から東へ自転する
だから…
すべての天体は天球に貼りついたまま、東から西へ1日1周するように見える

※1なので、天体の見かけの1日の動きを日周運動といいます。星の日周運動のくわしくは次の項目「星の日周運動」へ。

   天球の考え方

実際に存在しませんが、
天体が貼りついたまま
いっせいに動く丸てんじょうを
天球
といいます。

地球の自転のため、逆の向き
(東から西)に1日1回転
します。

地球の公転

地球が太陽のまわりを1年かけて公転していることも知っていますね。

地球は地軸をかたむけたまま
公転している

※季節の見分け方は
後の項目「四季の星座」へ。

地球が公転していると観測者にとって、四季の星座はどのように動いていくように見えるか、地球に乗ったつもりで考えてみましょう。

公転の向きに合わせて見ていきましょう。
星はとても遠いので、星からくる光はすべて太陽系に向かって
平行にやってくると考えてよいです。
日本(北半球)にいて
真夜中に星を見ている観測者を北極星側から見ていきます。
星座の位置、太陽の位置は変わりませんが地球の公転で地球から見える季節の星座が移り変わります。

順番にラジオボタンをクリックしてみてください。

まず春です。【図…春の観測者】
 しし座がよく見える季節です。
 オリオン座からの光は西から、さそり座からの光は東からやってきます。

次に夏です。
  【図…夏の観測者】

 さそり座がよく見える
 季節です。
 しし座からの光は西
 から、ペガスス座から
 の光は東からやって
 きます。

そして秋です。
  【図…秋の観測者】

 ペガスス座がよく見え
 る季節です。さそり座
 からの光は西から、
 オリオン座からの光は
 東からやってきます。

最後に冬です。
  【図…冬の観測者】

 オリオン座がよく見える
 季節です。ペガスス座
 からの光は西から、
 しし座からの光は
 東からやってきます。

地球は太陽を中心として1年に1周西から東へ公転する
だから…
星座は同じ時刻で観測すると、東から西へ移っていき、1年で1周するように見える

※1なので、天体の見かけの1年の動きを年周運動ともいいますが、この用語は習いませんね。
星の年周運動のくわしくは後の項目「星の1年の動き」へ。

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