ふだんまったく意識できませんが、わたしたちはいつも空気の圧力を受けています。ここでは、その圧力(大気圧)について意識して見ていきましょう。

大気圧の大きさ

地球のまわりには空気がとりまいています。
ふだん空気の重さはまったく感じませんが、空気にも質量があります。

空気の質量…ふつうの状態で1リットルあたり1.29g

1リットルは1000cm3です。
牛乳パック1つぶんの体積で1.29gあるのだから、部屋の中の空気だけを考えてもけっこう質量がありますね。
地球をおおっている空気の層
について考えると、地表付近ではかなりの質量の空気の下敷きになっているはずです。

大気圧(気圧)…空気の重さによる圧力
  あらゆる向きから物体をつぶすようにはたらく
地表付近の大気圧は1気圧=1013hPa760mmHg

1気圧は約1kg重/cm2です。
※空気は、今までの圧力とちがって、上からだけでなく、下からも横からもあらゆる向きから押しています。
空気は気体なので、つねに気体の分子が飛びまわっています。この分子がぶつかることから、どの向きからでも気圧が生じます。

圧力のつり合い

大気圧はけっこう大きな圧力ですが、
わたしたちはつぶされていません。

内側からも同じ圧力で押し返しているからです。

単位面積にかかる力どうしでつり合っています。

このつり合いがくずれたときを考えてみます。

順番にラジオボタンをクリックしてみてください。
物体の内部の圧力外部の圧力がつり合って
 います。

物体の中の空気を抜いていくと、外部の圧力に
 負けてつぶされます。

物体の外にある空気を抜いていくと、大気圧が小
 さくなり、内部の圧力に負けて物体がふくらみます。

さらに外の空気を抜いて真空に近くなると内部の圧力ではじけます。宇宙空間に生身でいくことを想像するとコワイですね。

【例】

吸盤
壁などと吸盤との間の空気を抜いて大気圧でくっついています。

ストローで飲み物を吸うとき
ストロー内部の空気を吸いとって
大気圧との差で飲み物を
吸い上げています。

トリチェリの実験(参考)

いっぽうの端を閉じたガラス管に水銀を満たし、
さかさまにして容器の中に立てるとガラス管内の水銀は大気圧が1気圧のとき、76cmまでの高さに下がって止まります。

このとき
大気圧の大きさ=水銀柱の重さによる圧力

1気圧=760mmHg

※この水銀柱の高さは気圧の単位になっています。
 Hgは水銀の原子記号です。
 (周期表で確認してください)


【例題4】
水銀柱が75cmのときの気圧は何hPaか。小数第1位まで求めよ。

単に換算の問題です。ラクなので比例式を使いましょう。

1気圧(1013hPa)のときに76cmなので、χhPaのときに75cmとすると、
1013(hPa):76(cm)=χ(hPa):75(cm)   比例式の解き方はこちら
76χ=75×1013  これを解いて χ=999.67…
  小数第2位を四捨五入して 答え…999.7hPa

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