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簡易弾速測定器

製作費用5000円を目標に、エアガンの簡易型弾速測定器を製作しました。

概要

簡易弾速測定器外観 64式のマルイメカ化の際、インナーバレルをKM企画のTNバレルに交換したのですが、これにより弾速(パワー)がどのくらい上がっているか、気になっていました。当チームのレギュレーションは90m/s、目安としてコカコーラの薄手スチール缶を1発で貫通しないことということになっています。

しかし、最近はペットボトルの飲み物が一般化し、また缶も殆どがアルミ缶になっており、このような簡易測定が難しくなっています。そこで、弾速測定器を作ってみることにしました。1m/s単位の精度を得ることとし、市販の弾速測定器よりも安価に(5000円程度)製作することを目標とします。

速度測定の方法

角形のパイプの入口と出口に赤外線センサを取り付け、このパイプをBB弾が通過する時間を測定した後、パイプ長を通過時間で割算をして速度を求めます。時間の測定と割算はマイコンで行います。

回路の構成

赤外線LEDとフォトトランジスタを1対1で取り付け、フォトトランジスタからの出力をマイコンに入力します。また、演算結果は7セグのLEDに表示させています。

制御回路図と解説は、こちら。また用品表は、こちら

マイコン

例によって、今回もPICを使用しています。収納スペースに余裕があるため、PIC電子工作に最もよく用いられるPIC16F84Aを用いています。クロック発振回路は、水晶よりも安価で取扱も容易なセラミック発振子(セラロック)を使用しています(1m/s程度の精度であれば、セラロックで十分です)。クロック周波数は20MHzです。

プログラム本体:GP02-021.hex
ソースファイル:GP02-021.asm

※ 本ソフトは、無償頒布いたします。複製・改変も自由です。但し、著作権は、石岡マロンズに帰属します。著作権者の許可なく、有償で再頒布することを禁じます。また、本ソフトを使用したことによって蒙った損害について、著作権者はその責任を負いかねます。

赤外線センサ

入口と出口に赤外線LEDフォトトランジスタを1対1で取り付け、LEDからの光をフォトトランジスタが常に受光できる状態にしておきます。BB弾が通過すると、通過した瞬間だけLEDの光を遮ってフォトトランジスタがオフするので、これを通過検知として利用します。赤外線LEDは東芝TLN101A、フォトトランジスタは東芝TPS601Aを使用しました。

これらセンサ類を、10mm×20mm角の角パイプに取り付けます。口径に余裕がありませんが、これ以上口径が大きくなると、センサが余分に必要になるため、今回はこれで妥協しました。

電源回路

今回必要な電源は全て+5Vですが、これを三端子レギュレータ7805を使用して得ることにします。三端子レギュレータの入力には9V出力のACアダプタを使用します。携帯電話やコードレスホンなどの不要になったACアダプタがあれば、使用できます(出力電圧がDC8V〜10V程度なら使えます)。

また、屋外でも使用できるよう、ACアダプタを抜けば自動的に電池に切り替わるタイプのACアダプタコネクタを使用しました。

ケース

以前別件で購入したものの、小さくて使えなかったケースを流用しました。

使い方

電源を入れると、ソフトバージョンが表示されます(021)。

リセットボタンを押すと、測定準備完了となり、後はパイプ内にBB弾を発射するだけです。測定に成功すると、ブザーが短く1回鳴り、速度がm/s単位で表示されます。1m/s〜800m/sまで表示できますが、音速(340m/s)以上の測定は多分不可能でしょう。エアガンで超音速になることはないので、実用上問題ないですけれども。

測定エラーになると、ピピと鳴り、次のエラーコードが表示されます。エラーコード表示の場合、左の2桁のみが点灯します。

エラーコード エラー名称 解説 発生時の対応
90 零割り算 通過時間が0秒になると発生 リセットして再測定
99 超高速 測定結果が800m/s以上 リセットして再測定
00 超低速 測定結果が1m/s未満 リセットして再測定

完成

今回も、やはりソフト制作に一番時間がかかりました。しかし、プログラムが思ったように動作すると今までの苦労など吹き飛んでしまいます。やはり、モノを作るのは楽しいものです。

なお、今回作成した弾速測定器で64式の弾速を測ったところ、93m/sでした(Jに換算すると、0.2gで0.87J)。規定値は90m/sで、許容誤差+10m/sの規定で辛うじて合格という状態なので、スプリングカットを実施したところ、89m/sとなりました。

LEDの表示が少し暗いので(室内では実用上問題ないが)、R11〜R17の抵抗を小さくすることを検討中です(LEDの電流定格があるので、270Ω程度まで)。

今後の発展

もう少し本格的に製作するのであれば、角パイプを25mm×25mm程度に大きくし、入口・出口それぞれにLED・トランジスタを3〜4個ずつ並べて、どれか1個以上でBB弾を検知できれば通過検知となるようにした方がよいでしょう。但し、LED・センサは1組500円弱なので、入口・出口で4組ずつ使用すると、8組4000円ということになって、大幅にコスト増となります。

並列で使用する場合、並列にしたフォトトランジスタの出力は、小信号用ダイオードを突き合わせてPICに入力するか、一旦4入力のOR論理ICに入力してからPICに入力するようにすれば、BB弾通過検知可能になります。

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