JOHN LENNONSTRAWBERRY FIELDS FOREVER

STRAWBERRY FIELDS FOREVER

 STRAWBERRY FIELD(S)は古いヴィクトリア朝の屋敷を救世軍が孤児院として使っていたんだ。その名のとおりかつては苺農園だった。−John Winston Lennon−[THE BEATLES ANTHOLOGY]

STRAWBERRY FIELDS FOREVER
UK ORIGINAL VINYL SINGLE SLEEVE

 STRAWBERRY FIELDS FOREVERは、THE BEATLESのThe United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland (以下UK) 14枚目のシングル・レコードで、1967年2月17日(UK) 1967年2月13日(USA)に発売されました。

 この曲はJohn Lennonが、幼少の頃によく遊んだSTRAWBERRY FIELDと呼ばれていた、Liverpool郊外にあった救世軍が運営する孤児院の名称からイメージして作られましたその名のとおりかつては苺農園で、古いヴィクトリア朝の建物が立つその場所は、John Lennonにとって特別な場所で、彼は愛着をこめてSTRAWBERRY FIELDSと複数形で呼んでいました

 1966年THE BEATLESがコンサート活動を止め、メンバーそれぞれが別行動をとるようになり、John Lennonは映画『HOW I WON THE WAR 僕の戦争』の撮影のためスペインに滞在しました。
 John LennonはSTRAWBERRY FIELDS FOREVERを、『HOW I WON THE WAR 僕の戦争』撮影時間の合間に、締切りの制約に縛れることなく、一人でスペイン・アルメリアの地中海の海岸で曲を書いたのです。

 この曲はJohn Lennonが自らの幼少の頃の想い出の場所をイメージして作り上げた最高傑作のひとつで、作曲した曲の中で自ら最高傑作と認めた数少ない作品の中のひとつです。

Recording Session

Recording Session
1966年11月24日レコーディング・セッション開始
「STRAWBERRY FIELDS FOREVERの最初のレコーディングの前に、Johnがスタジオで私の向かい側に坐り、アコースティック・ギターを弾きながら、あの曲を歌ってくれた。文句なしに素晴らしかったよ。ところがいつもの楽器編成で録音するうちに、曲がだんだんヘヴィになってきたんだ。Johnは何も言わなかったけれど、それが彼の当初の考えと違うことはなんとなく分かっていた。」George Martin

Take 1レコーディング・セッション
Recording Date : 1966年11月24日19:00〜26:30 (深夜) 11月25日
場所 : EMI (Abbey Road) Studios Room 2
John Lennon: ヴォーカル、コーラス、 (E. Guitar (EPIPHONE CASINO) ?)
Paul McCartney: メロトロン マークII、Bass、コーラス、
George Harrison: E. Guitar (EPIPHONE CASINO ?)、コーラス、
Ringo Starr: Drums
Producer: George Martin
Engineer: Geoff Emerick
Second Engineer: Phil MacDonald
Take 1は再生した時テンポが遅くなるように53サイクル毎秒Hzで録音された。曲の長さは2分34秒。完全ヴァージョンだが公式テイクよりテンポが遅い。Paul McCartneyが弾いたメロトロンの音色はまだフルートではない

Take 2〜4レコーディング・セッション
Recording Date : 1966年11月28日19:00〜25:30 (深夜) 11月29日
場所 : EMI (Abbey Road) Studios Room 2
John Lennon: ヴォーカル (E. Guitar (EPIPHONE CASINO) ?)
Paul McCartney: メロトロン マークII Bass
George Harrison: E. Guitar (EPIPHONE CASINO ?)
Ringo Starr: Drums
Producer: George Martin
Engineer: Geoff Emerick
Second Engineer: Phil MacDonald
Take 2は完全ヴァージョン。Take 3は失敗。Take 4も完全ヴァージョンで暫定ベスト・テイクに選ばれた。

Take 5〜7レコーディング・セッション Recording Date : 1966年11月29日14:30〜20:00
場所 : EMI (Abbey Road) Studios Room 2
John Lennon: ヴォーカル (E. Guitar (EPIPHONE CASINO) ?)
Paul McCartney: メロトロン マークII Bass
George Harrison: E. Guitar (EPIPHONE CASINO ?)
Ringo Starr: Drums
Producer: George Martin
Engineer: Geoff Emerick
Second Engineer: Phil MacDonald
Take 5は失敗。Take 6が完成ヴァージョンでJohn Lennonがヴォーカルをオーバーダビングする。Paul McCartneyが弾いているメロトロンの音色はフルートに変わった。このテイクをミックスダウンしてTake 7を制作。Take 7がベスト・テイクに選ばれ、公式テイクの前半部分に使用された



「だから1週間ほどしてから彼が私のところに来てもう一度録り直したい、何なら外部のミュージシャンに加わってもらってもいいと、と言った時も、私は別に驚かなかった。2人で話し合って、私がトランペットとチェロのスコアを書くことにしたんだ。」George Martin

Take 8〜24レコーディング・セッション
Recording Date : 1966年12月8日
リズムトラックを再レコーディングする。George Martin、Geoff Emerickが不在のため、テクニカル・エンジニアのデイヴ・ハリーズが実質プロデューサを担当する。Take 8が存在しない。Take 9〜24をレコーディングし、その中でTake 19もないTake 9と24の未完成ヴァージョンをつなぎ合わせベストとする。作業は翌日に回す。
場所 : EMI (Abbey Road) Studios Room 2

Recording Date : 1966年12月9日
昨日のTake 9と24の未完成ヴァージョンをつなぎ合わせTake 25する。
場所 : EMI (Abbey Road) Studios Room 2

Recording Date : 1966年12月15日 Take 25にトランペット4、チェロ3を加えTake 26とする。
場所 : EMI (Abbey Road) Studios Room 2

John LennonのSTRAWBERRY FIELDS FOREVERについてのコメント

STRAWBERRY FIELDSは古いヴィクトリア朝の屋敷を救世軍が孤児院として使っていたんだ。その名のとおりかつては苺農園だった。」[THE BEATLES ANTHOLOGY]

アルメリアにいた時だよ。あの曲を書くのに6週間かかった。あの映画の撮影中ずっと作っていたんだ。オリジナルのテープが今もどこかにあるはずだ−実際のレコードではサイケデリックな感じになっているけど最初はあんな感じじゃなかったんだよ。」1980年[THE BEATLES ANTHOLOGY]

「アーティストとして僕は常に一番リアルな瞬間の自分を表現しようとしている。そして誰か他の人ではなく自分自身をさらけ出そうとしているんだ。自分をよくわかっていなければ表現も弱くなる。それだけのことだ。」1980年[THE BEATLES ANTHOLOGY]

「STRAWBERRY FIELDS FOREVERでは“いつもこれが本当の僕だと思っている”みたいなことを言っている。HELP!でも僕は自分を描こうとしていた。自分が感じていることを。でも自分がどう感じているかわからなかったんだ。でも自分がどう感じているのかよくわからなかったんだ。だから“時々、いや、いつも、これが本当だと思っている”みたいな言い方になった。たどたどしい言い方になっているのは自分がつかみきれていなかったからだ。だけどもうはっきりわかった。そうだ! 僕が感じているのはそれだったんだ−心の痛み、それだ。そこから自分を表現できるようになった。」1970年[THE BEATLES ANTHOLOGY]

「2番の歌詞に“僕の木には誰もいないらしい”とある。この部分で僕が言おうとしていたのはね、“誰も僕ほどヒップじゃない気がする。つまり僕は狂っているのか天才なのかどちらかに違いない”ってことさ。僕が5歳の頃から抱えている問題だよ。」1980年[THE BEATLES ANTHOLOGY]

「STRAWBERRY FIELDS FOREVERは、実は心理分析を音楽に持ち込んだものなんだよ。」1970年[THE BEATLES ANTHOLOGY]

「STRAWBERRY FIELDS FOREVERはスペインで『HOW I WON THE WAR僕の戦争』を撮影しながら(一人で海岸で曲を書いた)。その時僕は作曲をめぐるものすごいイメージや光景が見えていて、僕は定期的にそういうものが見えるんだけれど、それで曲を書くのにすごい時間がかかったんだ。つまり、断片ばかりを書き繋ぐという感じで、僕としては歌詞そのものがひとつの対話になるようにしたかったんだ。でもそれがうまくいかなくて、あの最初のくだりなんてなんだか笑っちゃうんだけれど…でも僕としてはなんて言うか…(歌う)『僕たちは今会話をしているんだけれどたまたま同時に歌っているんだよ』という、そういう感じのものにしたかったんだよ。」

JOHN LENNON BIOGRAPHY

 ジョン・レノンの想い出の場所であった リバプールのストロベリー・フィールドが 2005年5月31日ついにその歴史の幕を閉じてしまいました。

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参考文献:

THE BEATLES ANTHOLOGY,
THE COMPLETE BEATLES CHRONICLE 1957〜1964,
THE BEATLES/THE COMPLETE BEATLES RECORDING SESSION,
Discover Lennon's Liverpool,
Discover The Beatles' Liverpool,
BEATLES GEAR,
ジョン・レノン全仕事JOHN LENNON SUPER ONE

  引用元は出来うる限り文中に[ ]で記載しています。

Revised 9/4/2012

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