「スーパーダンガンロンパ2 さよなら絶望学園」
PSP用ソフト/スパイク・チュンソフト

 





■CHAPT.5 「君は絶望という名の希望に微笑む」 非日常編
 無数の傷、突き立てられた槍とナイフ。これも前作の踏襲だ。では他にも……?
 もしかして刺青の話が来るか? 九頭竜がホテルで話してたよな。ソニアに刺青を見せてくれと言われた……って。んんんんんん、これは怪しいだろ!
 七海が訴えた違和感は何だろう。モノクマファイルと死体に齟齬はないような……。

 アレンジBGM格好いいね! 特にイントロが好き。

 爆弾を探している時、その優先度を低く見ていたソニアと七海が怪しい。非常に。
 特にソニアが引っかかる。軍事基地で何を探していたのか? ネズミー城の槍の正体を知っていたのも彼女だ。……いや、これはカモフラージュで犯人に利用されただけかもしれないが……。ソニアを疑わせる流れを作った、という意味で。

 梁に血痕。縦一直線ということは……槍の鞭なのか。あるいはロープで狛枝を吊り上げていた?

 死亡推定時刻は正午頃。工場で爆弾=花火と格闘していた頃。映像は録画だったようだが……。

 モノクマはこの槍のことを知らない。ネズミー城に入れないから。これ重要だな。

 左手の血の付き方が不自然。何か握っていたのだろうか。手の甲も不自然。グローブ……ではなさそうだなあ。手をつく体勢で、器具を用いて拘束されていた――というのはどうか。
 切り傷は左の二の腕のみ。他はすべて刺し傷。拷問説は説得力がある。爆弾について聞き出そうとした? ……しかし、口が塞がれているんだよね。殺す時だけテープで塞いだ、とも考えられるけど……。

 右手の平は軍事基地にあったアーミーナイフで刺されている。他の傷もこれによるもの。
 槍と使い分けたのは、殺害時刻の調整……かな。槍を天井から落としたと考えるのが自然。槍の重量がどれぐらいあったかはポイントになりそうだ。自重で殺せるとなると結構な重さだぞ。
 鞭の先端にだけ血痕がなく、梁に血痕がある……梁に押しつけられて付着した?

 右手のロープは焼け焦げて切れているが、袖や巻かれたロープには焦げた跡がない。
 さっきの火事とは関係なさそうだ。犯人が焼き、カモフラージュで火事を起こしたと見る。単に焼いたのではなく、時限発火装置のようなものを使った可能性は?

 口のガムテープは拷問時、すでに貼られていたっぽい。では何かを聞き出す目的ではなかった、ということだ。

 等身大モノクマの腹部に穴が開き、なぜか狛枝の血が付着している。何だこれ……。
 死に様と重ねてあるが、それに何の意味が……?

 オイルライターが落ちている。カーテンを燃やすために使われた? 他にも何かありそうだ。狛枝の右手のロープとセットで考えたい。簡易的な時限装置みたいなものなのか。

 モノクマパネルがドミノ倒しになっている。押し入ると倒れて火がつく仕掛けか。

 ソニアは爆弾が花火だと知っていた。軍事基地にあったもの。遺跡の入口を爆破しようと思ったが、花火だったため果たせず。モノミもそれを見ていた。狛枝はそれを持ち出した。
 おかしな点は特にない。モノミが見ていたのは重要だろう。

 モノクマは、軍事基地の爆弾が偽物であることを誰にも言っていない。
 ところで、このモノクマって綿の重量以外何もないの?w 前作ではメカだったのに。

 狛枝は爆弾が偽物だと知っていたのか? 口ぶりはいかにも悪戯めいていたが、その場にいた人間を殺す気でやっていたのでは? 録画した際の台詞を犯人が利用した? 事前に実験していたら、ソニアみたいに気づくことは可能だったけど……。

 ……あれ、モノクマロックのエスカレーターが引っ込んでる。何でだ?
 モノクマじゃないとエスカレーターは出せないよね。……ではあの時、モノクマ自身の意志で誰かを中に入れたのか? あるいはモノミがなくした宝箱の力(?)で無理矢理踏み込んだ奴がいるとか?
 挙動がおかしかったし、さっき出ていたのはバグという可能性もあるかな。

 狛枝のコテージ。七海と合流した後、モノクマが扉を解錠する。
 ベッドの下からガスマスクと手袋を発見。鎮火した倉庫に踏み込んだ時、変な匂いがするって言ってたよな。催涙ガスか睡眠ガスを使った? 狛枝自身なのか、それとも犯人が使った後これをコテージに隠したのか……。
 でもコテージはモノクマに頼まないと鍵が開かない。……狛枝でいいのかな?

 モノミの宝箱。盗んだのは狛枝っぽい。
 中から出てきたのは稚拙な絵日記。日向はどうして違和感を覚えたんだろう。「日向くんなんかはみんなに疑われて焦ったのか、ファイナルデッドルームに入ろうとしました!」……んん? 入ろうとして七海に止められてたよね。特におかしくは……。
 みんなに疑われた? あれ、そんなのあったっけ。極限状況で手がかりを求めて入ろうとしたんだよね。出口があるかも、とか考えて。日向の知らない日向が存在する。無意識の時間帯に何かがあったのか、それとも日記が虚偽なのか。

 モノクマによると、モノミは字が書けない。じゃあ誰が書いたんだ。
 ……文体がモノミの口調とは違うね、これ。
 日向が違和感を覚えたあの日記は、記述者の主観が混じっているということか? 監視カメラ越しにそれを見て、「疑われて焦ったのか」と予想して書いた。実際とは違うことを書いた。あるいは一行の中にその記述者がいる、ということなのだろうか。
 ソニアは外国人だし、稚拙な記述になってもおかしくは……いや、多言語ぺらぺらなんだっけ。書く方はどうなのだろうか。うーん、「無意識の日向が自分で書いた」というのはちょっと飛躍しすぎかなあ。
 モノミは耳がいいんだよね。目は恐らくよくない。どれだけ見えているか疑わしい。でもモノミハウスに監視モニタはあったので、目は見える……はず。目が悪いなら日記が書けなくてもおかしくないんだけど。モノクマは「指がないから」と言ってたなあ。本当かな。

 裏切り者、なのかなあ。一緒に行動しながら日記を書き、空白の時間帯に動き、モノクマと対立していた何者か? どうして監視カメラでモノクマにバレなかったんだろう。
「日向くん」という呼称や文体を見ると、何となくソニアか七海っぽい感じはある。うーん。

 冷蔵庫からは、気化すると空気より重く、加水分解もしやすい毒殺用の薬品。
 空気より重いのはポイントかも。狛枝の死因ってこれじゃないかな? 床に縛られていたし。全身の傷と槍による刺突は、死因をカモフラージュするためのものと見る。それにどれだけの意味があるんだろう……。
 倉庫に踏み込んだ際の異臭は気化した薬品。口をテープで塞いでいたのは、悲鳴を上げにくくするため。……? いや変だな。死亡推定時刻は火災よりも前だったような? テープで塞ぐ意味がない。

 本棚から希望ヶ峰学園のファイル。おお……。
 1人だけ欠けているプロフィール。十神白夜。「超高校級の詐欺師」! それって裏口入学的な意味で日向の異名と考えてたんだけど、違ったみたいだね。偽十神だったのか。
 モノクマが嘘をついているとは思えない。プロローグにおける十神は、学園生活の記憶を持っていないようだった。なのにCHAPTER1では、いかにもコロシアイ生活を送ってきたかのような台詞を吐いた。矛盾している。学園生活の記憶が失われているなら、コロシアイ生活の記憶もないはずなんだ。だからモノクマの言う十神の真相は合っている。

 モノクマは裏切り者を知っているが、分からないようにプロフィールを捏造してファイリングした。裏切り者は純粋培養された未来機関のスパイ。……マジでか(;´Д`)ハァハァ

 最後の学級裁判。
 モノミが覚悟を決めている。脱出することを求めるな、というのは前作と同じ。外の世界はやはり……?

 犯人は誰なんだ。裁判に入る前に立ち止まって推理する。
 左右田は精神的に追い詰められている。ソニアと七海は前述の通り。七海は純粋なヒロインに見えるんだけどね。九頭竜はあまり怪しくない。こいつは信用できる気がする。終里はどちらとも言えない。弐大の思いも、考え方によっては殺人肯定に向かうし。レストランで狛枝を殺しかけていたし(もちろん、それが誤誘導という可能性も高い)。

 身体能力はあまり関係なさそうだ。
 たとえばガスを用いて眠らせれば拘束が可能になる。ガスマスクがあったので安全に行えるはずだ。後はライターやあの火災で、毒殺用の薬品を気化させればいい。死亡推定時刻は正午「頃」なので、火事が起きるまでは生きていたと考えることも不可能ではない。
 現場検証をしている時間帯は12時30分頃だったが、鎮火後に換気をしていたので、そこで30分弱経過したと考えられる。つまり、口のテープは苦悶の声や助けを求める声を抑えるためのもので、踏み込んできた一行にそれを聞かせまいとした。
 死因は毒薬。全身の傷はすべてフェイク。腹部への刺突がいつ生じたかは複数のパターンがあり得る。梁にセットし、火災でロープが切れるようにしておいた。あるいは狛枝を脅して、左手でロープないし鞭の部分を握らせていた?

 犯人が毒薬やガスマスク、手袋を用いたなら、どうやってコテージに戻したかが問題になる。
 ……狛枝のコテージに踏み込んだ時、ガスマスクや手袋をベッドの下に放り込んだ可能性は? 発見者の日向が一番やりやすいはずなんだけど……彼はプレイヤー視点だったので除外してよさそう。つまり七海がそれをやったことになる。彼女だよなあ、ベッドの下を調べろと促したのは。

 毒薬に関しては、中身だけを持ち出せばいいんだよね。または狛枝が外で使おうとしたところを横取りして流用する。
 分かった。工場にあった消化剤。あれが毒薬だったんだ。瓶には1/3しか残っていなかった。全員で投げたのに、火勢は全く衰えなかった。そして、なくなっていた消化器。犯人は毒薬にすり替えた消化剤を使わせたかった。狛枝の死因が刺突でない場合、犯人はあの消火活動に参加した全員となる。……おいこれ裁判どうなるんだ!? 全員をコントロールした人間だけがクロ、ということでいいの?
 あの時、工場の中に消化器があると発言したのソニアだっけ? でも「消化器があったはずなのに」とも言っていた気がする。

 全員で別行動を取っていた時、裏切り者が名乗り出て狛枝と接触していた可能性を疑いたい。そして2人は、狛枝のコテージで会話をしたのではないか。薬物などはそこで持ち出された。裏切り者は狛枝に殺人計画を持ちかけ、それに協力させた……? 狛枝は希望の踏み台になるためなら、自分の命だって捨てられる男だった。殺人計画をもっと魅力的にすることを求め、それに力を貸したいと言っていた。万が一、裏切り者と意見が一致したなら、協力したことは考えられる……。
 工場で一行が見たノートPCのビデオ。あれは爆弾が偽物だったことを前提にしていたはずだ。それに狛枝が緊張した様子もなく、とても自然に撮影されていた。彼は脅迫されていない。犯人と計画して、一行を試すために撮影したものか。
 そしてモノクマは、あれが花火だということを誰にも教えていない……。
 見えてきた。爆弾を探していた時、それに興味を示さなかったのはソニアと七海だ。ソニアは軍事基地から持ち出し、遺跡で使用したから花火だと知った。モノミがそれを証言できるはずだ。残るは七海となる。彼女には爆弾への恐怖を無視できる理由がない。なのにあの反応。描写されていないだけで、彼女は爆弾=花火であることを知っていたのでは?(……おかしいか? 裏切り者とはいえ、裏事情をすべて知っているとは思えない……)
 七海であれば、日向と一緒に狛枝のコテージに入ったことも意図的と説明できる。1人で入らず、日向の到着を待っていたと言える。彼にガスマスクなどを発見させることで、持ち出していたという証拠を隠滅するためだ。
 ! 七海が爆弾=花火を知るチャンスはあった! 狛枝が最初に爆弾を仕掛けたのはネズミー城だった。モノクマとモノミはあそこに入れず、監視カメラもなかった。七海は城内で実験をしたのでは? 当然、狛枝も同席していたはずだ。だからこそ花火を前提とした、ノートPCの動画が撮影できる。
 七海は希望をより強く輝かせるため、と狛枝をそそのかして爆弾(花火)を移動させた。そして工場における爆弾とカードリーダーの一幕で一行を試す。その途中、狛枝は七海に裏切られて(トリックのためと騙されて?)拘束され、全身を傷つけられる。ネズミー城から持ち出しておいた槍を、分銅と鞭の部分を用いて梁にセットし、工場の消化剤と毒薬を入れ替える。ドミノ倒しの発火装置を作り、一行が踏み込んだ時に火災が起きるようにする。おびき寄せるためのネタはあの賛美歌。選曲はネズミー城内の雰囲気にちなんだ洒落っ気か。あるいは希望と絶望への賛美なのか。
 ……毒薬は熱で気化させただけじゃないな。その後のスプリンクラーで加水分解を起こしたんだ。「揮発性はそこまで高くない」ので、近くに撒いただけで致死性は期待できない。だから熱で気化させて、床にいる狛枝を殺害する。スプリンクラーは証拠隠滅=加水分解のためだったんだ。間違いない。
 狛枝の手が不自然な汚れ方をしていた理由には、手袋が絡むのだろうか。それとも、やはりロープか槍の鞭の部分を握っていたのか。……槍の落下を自力で食い止める形になっていた? しかし疲労か毒薬の苦しみかで手を放してしまい、槍が落下し……。拘束されていたわけだし、力一杯握りしめれば、あの汚れ方になるのではないか?
 しかし右手のロープが焼き切れていたことと、袖に熱を受けた痕跡がないのは不自然。事前にロープを焼き切っておいたら、狛枝に脱出されてしまうし……。これは保留。
 左腕だけ切り傷だった理由も分からない。腕の上でロープを切ったりしたのだろうか?
 犯人が狛枝の身体を執拗に突き刺した理由は、やはり私怨などではなく、前作の「無数の刺し傷」をなぞるためだろう。なぞりたがっている。そういう意志がある。どうしてモノミの仲間っぽい裏切り者が、過去のコロシアイ生活をなぞるのだろうか。モノミの決意を見るに、裏切り者はモノミにも背を向けたということか。……これが「超高校級の絶望」の復活、ということなのか?

 モノミの宝箱に入っていた日記、あれも七海なのか。
 七海は日向がファイナルデッドルームに入ろうとしたところを目撃し、ストップをかけた唯一の人物だ。……そうだ。モノミはマジカルステッキを失ってから、監視モニタを使うことができなくなっていた。序盤も序盤、プロローグの段階だ。だからモノミにあの日記は書けない。文字も書けなければ、一行の動きを観察することもできない。……七海しかいない。彼女は「疑われて焦った」と予想してファイナルデッドルームの一件を記した。それは事実と異なるが、七海の主観なので問題はない。
 そして、あの宝箱が狛枝のコテージに置いてあったのは、七海と狛枝の繋がりを示す。どうだ。
 狛枝に容疑を押しつけようとしたのかもね。

 ついでに、七海がモノクマファイルに違和感を訴えていたのは、記載された死因が狙いと違っていたからじゃないか? 状況とファイルの内容に齟齬はなかった。ならば、犯人=七海だけが知る齟齬があったということだ。それが死因だ。毒 or 刺突。これが狙いとは違っていたことになる。
 ……あれ、ファイルには死因が明記されてなかった。ここ以外考えられないんだけど……。

 コテージの入室条件ってどうだったっけな。電子手帳で入れたりしたっけ? 拘束して奪えばいつでも出入りできるし、日向と一緒に入室する前に証拠品を室内に置いておける。リスキーな早業をする必要がなくなる。
 それとも、狛枝と一緒にいる時に証拠品をコテージに戻しておいたと考えるべきか。

 七海は最初のぼんやりしたイメージとは裏腹に、常に冷静で的確な推理をし続けていた。ただ者ではなかった。それはすべて未来機関のエージェントだから、なのか。

 事件の犯人、裏切り者の正体、そして日向の記憶。複数のドラマをどう絡ませ、どう集束させるか。ラストに相応しい雰囲気だ。

 かなり気合いを入れて推理してみた。面白い。実に面白い。
 ――さあ、真相やいかに!

(2012/08/06)

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