PARADOX 「Closed Session 2」対談

2009年の冬コミ(C77)で頒布したCD-R「Closed Session 2 打ち込みDemo Version」に、おまけとして同梱していたKEIYA×悠也の対談です。

PARADOX「Closed Session 2」は2010年3月14日博麗神社例大祭「も43b」にて頒布いたします。
委託先の各書店にて通販の取り扱いが開始されていますので、現地に来られない方はぜひご利用ください。

【告知ページ】
http://www.max.hi-ho.ne.jp/keiya/closedsession2.html




※以下の対談は2009年末に行われたものです。


KEIYA×悠也対談

KEIYA……サークルPARADOX代表。全体のプロデュース、インレイの考察テキスト、デモ作成などを担当。
石井悠也……サークルPARADOXのドラマー。個人サイト「石井悠也の四畳半


KEIYA:えー、まずは自己紹介を。サークルPARADOX代表のKEIYAです。普段はライターをやってまして、主にアスキー・メディアワークスで単行本を出したり、考察やコラムを書いたりしてます。東方は妖々夢の前後からサイトで考察を執筆していました。……ということで、同じく読者の皆さんに自己紹介どうぞ。
悠也:ドラムを担当しております石井悠也でございます。
KEIYA:石井悠也なの?
悠也:えっ
KEIYA:石井悠也でいいの? それともyu-yaなの? 芸名の話。両方使ってるじゃない。
悠也:メンバーはみんな本名でやってるよね。
KEIYA:そうだね。俺だけペンネームだけど。
悠也:どうしようかな。どっちでもいいかな(笑)。
KEIYA:じゃあ対談上は「悠也」で。最近はどんな活動してるんだっけ。
悠也:LM.Cのライヴとか、misonoさんのカバーアルバムとかで叩いとります。アニメ系では少し前に「ガンダム00」Mille Face(ミルフェイス)で叩かせてもらいました。
KEIYA:ガンダムは前にも叩いてたよな。「Life Goes On」は西川さん(※ギタリストの西川進さん)と一緒だっけ。
悠也:そうだね。ガンダムだと「Prototype」と「太陽」、アニメ系なら「ナルト」の「ホタルノヒカリ」とか「夏のあらし!」の「キラリフタリ」とかも。後は、アニメじゃないけどミクFES'09(夏)でsupercellに参加させてもらいました。


KEIYA:今日は音楽的な話をメインにしようかなと。主に演奏面とかRec(レコーディング)のこととか。
悠也:OK。
KEIYA:じゃあまずは、君の美術館様のコンピCD「palette 〜人々が愛した幻想郷〜」に参加させてもらった「優雅に咲かせ、墨染の桜 〜 Border of Life」について。
悠也:アレンジャーのてっちゃん(小林哲也)からデモをもらって思ったのは、早さは大丈夫だけど、テンポ200での倍テン(高速ビート)のドッタンドドタンが……手足は動くんだけど、持続力という部分で大変な曲だなーと。ハーフになったりとかっていう休める部分が少なくて、ずっとそのリズムが続く、持久力勝負になるところが大変だったかな。
KEIYA:あれはさすがに、Recが終わったときに息が荒くなってたな(笑)。
悠也:こだわりとしては、ワンペダルでやっていること。ツインペダルでダブルを踏んでしまえば音量は稼げるんだけど、ワンペダルでそこをやるっていうのが好きなので。
KEIYA:パンクっぽいとこだよね。
悠也:そうそうそう。
KEIYA:メタルだとツーバス、ツインペダルの方が多いと思うんだけど。
悠也:どうだろ? そうとも言えないな。パンクでもツインペダルでやる人はいるし、多分メタルでもワンペダルの人はいると思う。
KEIYA:ワンペダルにしたのはどういうこだわりなの?
悠也:自分のスタイル的にワンバスで行きたいタイプなので。基本的に、両足じゃないと不可能な連打以外はワンバスで対処できるようにしてます。
KEIYA:そこはスタイルなんだ。なるほどね。
悠也:演奏については勢いを止めないでプッシュしていくことを重視しました。
KEIYA:Rec中、ベースの黒田さんとの絡みはどうだった?
悠也:てっちゃんのアレンジがしっかり決まったものとして提示されてたから、ちょこっとの話し合いで。
KEIYA:そのまま入れたと。
悠也:後はお互い、やりながら寄り添った部分もあるだろうし。
KEIYA:結構アドリブもあった?
悠也:んー、でもあの音源については黒田さんもそんなに外れたことはやってなかったし。キックのパターンとかを解釈で変えた部分があるので、そこに関してベースがちょっとドラムのパターンに寄り添う形だったりっていうのはあったかな。ドラムのパターンはかっちりとデモ音源通りじゃなく、いいかなと思う方に色々変えてるから。フィルにしろリズムパターンにしろ。
KEIYA:速いから遊びが入れにくい曲でもあるよね。
悠也:そうそうそう。ただフィルインとか、盛り上がってきたところで色々と。


KEIYA:1stアルバム「Closed Session」の中で気に入ってる曲を選ぶとしたらどれ?
悠也:「シンデレラケージ」はエレドラだけど音が太くてお気に入り。もし1曲選ぶならこれかな。
KEIYA:機材的な話に行こうか。1stアルバムでは諸事情でエレドラだったじゃない。で、今回の2ndアルバムでは使い慣れた自分の生ドラムでやるということなんだけど。
悠也:前作はエレドラの反応だったりっていう部分で、生とちょっと勝手が違う部分が多くて。例えば「フラワリングナイト」でやったリムショットとか。ずーっと続くサンバキックも感触が違ったり。「ドッツドドッツド……」ってやつね。今回は生だからそういうのを気にせず、エレドラで苦戦した部分がないので、解放して思いっきりやりますというか。エレドラと違って、常に一定の音質というよりは、わりかし曲の場面場面で多少違う色で叩いたり。
KEIYA:変わるからね、叩き方ひとつで。
悠也:そうそう。音量感なり音質っていう部分でも、生でしか出せない部分が多いので、今回その辺は聴き所としてあるかなーと。
KEIYA:セッティングについてはどうだろう。「墨染」は男らしく1タム1フロアだったけど。
悠也:今後の曲はもしかしたら2タムで行くかもしれない。
KEIYA:そこは色々幅を持たせるために?
悠也:そうだね。スネアもね、曲の「色」に対して何台か使う予定。チューニングも曲によって多少は変えていくから。その辺、2ndアルバムは勢い一発じゃないから、わりかし遊ぶ可能性あり!
KEIYA:ミックスの時に生感は残したいね、俺の希望としては。どうなるか分からんけど(笑)。


KEIYA:んじゃ次は、これからレコーディングする曲について。曲目はこうなってるわけですが、とりあえず今語れる範囲でどうぞ。

・亡き王女の為のセプテット
・U.N.オーエンは彼女なのか?
・感情の摩天楼 〜 Cosmic Mind
・平安のエイリアン

悠也:今の段階だと「オーエン」かな。これに関しては終始変拍子ということで、イメージとしてはメロを頭の中で鳴らしながら、「変拍子」という解釈よりは、「それに沿って叩いていく」感じになりそうでございます。
KEIYA:これは結構遊びどころがあるアレンジだと思うんだけど。
悠也:ドラムソロやらギターソロやらっていうソロパートがあるので、そこへのなだれ込み方とか、急にハッとするような感じに変わったり。イントロとかもすんなり叩くんじゃなくて、ちょっとアプローチを変えた形からリズムになだれ込むとか。わりと……何て言うんだろうな。一曲を通しての流れにこだわろうかなと。後半にはテンポチェンジもあって、そこの仕方はクリックありでやるから……クリックと友達になって頑張ります(笑)。
KEIYA:聴き所は他にもある?
悠也:「オーエン」で言うと、面白い聴き所っていうのは……拍子かな。変拍子をソロでどうアプローチするかっていう。あれは拍子の取り方が5/4での解釈もできるし、一応それで考えてもいるけど……そこに「4/4のアプローチで5/4をアプローチする部分」っていうのがあったり。
KEIYA:えーと、どういうことだ(笑)? もうちょい詳しく。
悠也:4/4みたいなアプローチなんだけど、曲の拍子は5/4になってたり。5/4だと「1,2,3,4,5,1,2,3,4,5……」で4小節のところを、「1,2,3,4,1,2,3,4……」の解釈で5小節。
KEIYA:あー、20で合わせるのか。
悠也:その合わせ方で構築する部分もあったり。だからパッと聴き、4/4になったり5/4になったりっていう風に耳を取られる人もいるかもしれんし。みんなが5/4で進行してるところを、4/4でアプローチしたときのポリリズムとか、まあリズムのアプローチというか変化球が面白いかなと。
KEIYA:主に中盤のソロの話だよね?
悠也:そうそう。で、また辻褄を合わせて戻るところとかが凝りたいところというか、考えてるところかな。曲が完成したら今回のデモ音源と聞き比べてほしい!
KEIYA:収録が終わったら演奏動画を出したいな。間に合えば(笑)。時間的に「デモ音源+ドラムのみ」といった形になるかもしれないけど。ちゃんとミックスした後のやつを出せれば一番いいんだけどね。


KEIYA:では最後に、年明けのレコーディングについて意気込みをどうぞ。
悠也:わりかしソロパートも多かったり、雰囲気重視の曲も多そうだから、そこら辺を大事にしつつ、音でもちょっと変えたアプローチができればという楽しみがあります。曲が求めるままに、気楽な部分とガッツリ集中して気合いを入れる部分と。世界観をより出して創っていければなと。場面展開とかも一辺倒ではなくて、そこら辺がドラムでさらに表現できればと。アレンジの良さを自分なりに、最大限に。
KEIYA:活かして、あるいは壊して、みたいな。いい意味でね。
悠也:そうだね。

KEIYA:ということで、このCD(※2009年12月30日に冬コミで頒布したデモCD-Rのこと)は打ち込みのデモトラックですが、アルバムではこれを生で、メンバーそれぞれの感性で仕上げていきます。
悠也:生音勝負です!
KEIYA:今後、また試聴ファイルや動画もアップしていきますので、ぜひサイトをチェックしてください。よろしくお願いいたします!



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1stアルバム「Closed Session」
(試聴・演奏動画あり)



東方考察本「異形抄〜幻想説話」
(リライト前の考察はサイトで読めます)