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jikkenW  u n d e r  g r o u n d  h i s t o r y

<電気電子工学実験W 裏日記 後編 迫る発表期日>


7月8日(土):題名 回路基板の制作

 朝十時起床、朝食を食べ、まったりして、昼食を食べてから大須へ向かいます。
 今日のお買い物はCMOS IC、予定通り4個購入します。ICソケットも2個追加購入します。本日のツクモの掘り出し物はなし。ちっ
 家に帰ってから(帰るまでにいろいろな所に寄りましたが...)夕飯を食い、例のごとく部屋に籠って制作開始です。
 とりあえず、CMOS ICを一個、昨日作ったLED回路に差して動かしてみます。動いた!なんで!
 つぎに、LED回路のbit0とbit1にトランジスタで作ったモーター駆動回路をつないで、パソコンからモーターが制御できるかどうか確認します。成功です!
 いよいよ、ユニバーサル基板への実装です。テスト用に昨日組んだトランジスタ回路は基板を丸まる一枚使っていたのですが、今度は同じ基板にCMOS ICとトランジスタ回路を最低3回路、場合によっては4回路分載せなければなりません。
 ノートに何枚も実体配線図を引き、部品の配置や配線を検討します。あれだけ狭い基板に4回路も載せるのは並大抵のことではありません。この部品の配置の検討には3時間を要しました。
 採用した実体配線図は、基板を横に置きCMOS ICを左端に縦に配置して、残る領域を上下左右に分割しそこに一回路分を実装するという配置でした。
 採用した実体配線図の通りに基板に回路を実装していきます。さすがに細かいだけにハンダブリッジの連続!ブリッジするごとにハンダ吸い取り線で吸い取らせながら何とか完成させます。
 一回路分組み上がるごとに98につないで動作を確認していきます。最後の3回路目の動作を確認したときには午前3時を回ってました。4回路目はとくに必要ないので組まないことにします。(場所は空けてあるんだけどね)
 ハンダ工作器具を片づけて回りに散らばったごみをおそうじし、部屋を元通りにして寝ます。明日はソフトウェアの開発をやらなければなりません。
 この日就寝、午前4時


7月9日(日):題名 記録部、完成!

 朝八時起床、早めに朝食をとる。しかしすぐに猛烈な眠気に襲われ、昼過ぎまで爆睡。昼食後やっと作業開始、このときすでに午後2時。
 月曜日は朝から集まってまた作業をする約束なので、今日中には岐阜に帰らなければなりません。
 と言うことは夕食を食べる時間などを考えると実際作業できる時間は午後6時ごろまでの約四時間となります。その間に記録部すべてと、制御部のデータ解析部分等ハードに依存しないところを組み上げなければなりません。果たしてできるのでしょうか。
 午後3時半、マウスの簡略化ルーチンがほぼ完成、簡略化されたマウスの動きを記録していくルーチンの制作に取り掛かります。
 午後5時半、記録されたマウスの動きをファイルに書き出し、書き出されたデータを制御部で読み込み、算術関数を駆使して元の図形に戻すことに成功!
 これにて記録部のすべてと、制御部のデータ解析部分は完成です。しかし残された時間はありません。当初の計画では制御部のほうでも何らかの簡略化ルーチンを設けるつもりでしたがいかんせん時間がありません。いちおう6時までの残り30分間がんばってみましたがどうにもなりませんでした。
 しかたないので、制御部への簡略化ルーチンの搭載は諦めることにしました。
 ふろへ入って、飯を食って岐阜へ向かいます。岐阜についたら12時近い時刻でした。(どうやってそんな時間岐阜大学周辺に戻ったかはここを見てね)
 本当は大学の98につないでさっさと動作確認をとりたかったところですが、疲れていたのでさっさと寝てしまいます。
 どうせ明日からはろくに寝ることのできない日々が続くのだろうからね。
 というわけで午前1時半就寝。


7月10日(月):題名 二個のモーターを動かせ!

 朝9時起床、朝食を食べて大学へ向かいます。今日は朝から集まる予定だったのにまだ誰も来ていません。時間が早すぎたみたいです。と言うわけでまったり開始。
 しばらくしてYとNがきたので、作業を開始します。今日はモーターの駆動試験と、モーターを直接制御する部分のプログラムを組まなければなりません。
 Yの回路はまだ完成していませんでした。彼は電池ボックスを求めてきたので某班の電池ボックスを奪ってきて与えておきます。
 かなり煮詰まってるみたいで、電池ボックスを使わない回路を考えろとか言われたので、家で組んできた回路(LED付のテスト用)をさっと出して見せます。
 電源をつないで動くことを見せようとしたら動かなかったので、下の実験室から電源装置を一個とテスタを拝借してきます。借りてきた電源装置でやったら動きました。98に繋いで動作確認、成功です。いやー、念のため組んできて良かったね。
 Yが「じゃぁ組むわ」とか言い出したので、三回路内蔵の完成版の回路を出して見せます。Yにはペンの上げ下げに使うソレノイドの研究をしてもらい、僕は実家から発掘して持参したFA−130モーターを三個繋いで実験開始です。
 98のパラレルポートに回路のコネクタを繋ぎ、キーボードからOUT文を使って制御を試みます。三個のモーターは、きちんと正回転・逆回転とも動作しているようです。
 しかし、ここで問題が起こります。各モーターは一個ずつなら駆動できるのですが、二個同時に駆動しようとした途端、止まってしまうのです。
 今回の戦車型マシンは、前進時に二個同時にモーターを回さなければならないのはもちろんですが、信地旋回(その場で回転すること)を実現するために、左&右回転時にも二個同時にモーターを回さなければならないのです。
 なんとしてでも、二個同時にモーターを回せるようにしなければなりません。
 さらに別の問題が起こります。ペンの上げ下げに使う予定のソレノイドがトランジスタのスイッチング回路ではうまく作動しないのです。
 このソレノイドは5V駆動なんですが、トランジスタの電圧降下等の理由によりトランジスタ回路が供給できる電圧は2.4V程であり、この電圧ではソレノイドは動かないようでした。
 仕方ないので、Yにリレーによる切り替え回路を提示し、試作&作動確認を指示します。
 Nが暇そうだったので、すでに出来上がっていた記録部のプログラムリストを渡しフローチャートを発注します。
 Nはプログラムのことを知らないし、フォトショップも初級者なので、プログラムの基本的な文法解説をし、フォトショップのレイヤーの扱い方、線の引き方、矢印の書き方、四角の書き方、文字の入れ方などを簡単に説明し、笑顔でリスト渡して「はいやってね!」ってなかんじ。
 ちなみにそのプログラム、あまりに煩雑なので作成者本人も読む気すら失せていたものです。本当なら作成者の僕がやるべきですが、やりたくない...
 さて、モーターの件ですが、その後の試行錯誤の結果、一度低ビット側のモーターを単独で回した後、高ビット側のモーターを単独で回し、その後に両方のモーターを回すようにしてやればうまく行くことがわかりました。
 あとはこのプロセスをプログラムで自動で実行させるだけです。
 ここで、研究室のほうでゼミが入っていたため、Yにリレー回路を組んどくように言っておいて二時間半ほど空けます。
 結局、ゼミは8時ごろまでかかり、帰ってきたらYはいませんでした。というか...
「鍵あけたまま勝手に帰るんじゃなーい!!!それに誰が勝手に帰っていいって言ったーーーー!!!!!」>Y
 Yに勝手に帰られたため、やる気が失せしばらく現実逃避モードに突入!しばらくしてお手伝いに現れた(手伝いに来るように呼び出した)FとHに基板の回路図と実体配線図のデジタル化を指示します。
 この実体配線図、回路を基板に実装するときに僕が紙に鉛筆で書いたものなんですが、これまた雑で見にくいため書いた本人もデジタル化のやる気が失せていたものです。二人にはせいぜい苦しんでいただきましょう。(悪魔>俺)
 現実逃避中に、お隣の研究室からNが遊びに来ました。彼らは発表の題材はほぼ出来上がっているみたいですが、発表資料がまだ出来ていないそうで夜がんばっていくそうです。うちは発表資料どころかまだ題材すら全然出来上がっていません。やばい!
 とりあえず、完成していた記録部のプログラムをVAIO上でデモします。示威行為、示威行為(ふふふ...)。
 そのまましばらく現実逃避して、夜10時頃作業開始。そうやるべきことはまだ山ほどあるのです。
 まず、前にでてきたモーターの始動プロセスを自動化しなくてはなりません。単純にOUT文を並べただけではやはりうまくいきません。それぞれのプロセスの間に適度にウェイトを入れてやる必要がありそうです。
 パソコンの速度を計るベンチマークルーチンなるものを作り、結果をウェイトルーチンに反映させます。これでどんなパソコンでもうまく動かせるようになるはず...
 ベンチマークルーチンとウェイトルーチンを組み込み、ウェイトを調整します。大体それぞれのプロセスの間には0.8秒から1.2秒ほどのウェイトを入れてやるとうまく行くことがわかりました。
 実験中、やはり隣の研究室からFが現れ、モーターの軸を手で押さえたりするなど妨害行為をしてきました。しかし我がFA−130モーター達はそんなことをものともせず回り続けていました。
 98の制御にしたがって定期的に回転を繰り返していた我がFA−130モーター達を見てただ「すごっ!」とだけ言い残し、彼は去りました。ちなみに彼はNと同じ班です。偉いぞ!わがFA−130モーター達!!!
 完成した自動始動プロセスをもとに、前進ルーチン、左回転ルーチン、右回転ルーチンを作り制御部本体に組み込みます。テストしてみたところ、ちゃんと制御部が読み込んだデータ通りにモーターが制御されているみたいです。
 すでに組み上がっていた戦車部を取り出し(引き出しに入っていた)、トランジスタ回路と接続します。とりあえす戦車が動き回らないよう台に乗せテスト開始。
 98上で制御部を走らせ、回路の電源を入れます。モーターが回り戦車のキャタピラが回り始めました。モーターのみのときはいまいち実感が沸かなかったのですが、うまく左&右回転もしているようです。
 それはいままで、別々に組まれてきたプログラム、回路、戦車の三つが始めて一つになって動き出した瞬間でした。いやー、すげー感動したのを覚えています。
 いやー、満足満足!、満足したので部屋を軽く片づけて帰ることにしました。このとき午前3時。帰宅、午前4時就寝。


7月11日(火):題名 5.8V昇圧!

 朝十時起床、歯磨きして朝食をとって大学へ向かいます。工A301には誰もいませんでした。眠いのでしばらく寝ます。
 お昼も近いころ、YとNが登校してきたので昼食をとって作業開始です。といっても何をやればいいんだろうねぇ...戦車を制御して動かすところまでは昨日できてるし...
 二人に昨日出来たシステムをデモし、ちゃんと98の制御に従って戦車のキャタピラが動くところをデモします。へっへっへっ、頑張ったでしょ>俺
 Yからリレーがトランジスタ回路から供給される電圧では動かなかったという報告を受けます。ソレノイドは諦めるしかありません。Yにモーターとピニオンを使ったペン上下システムを提示し、制作を指示します。
 Nが作ってきたフローチャートをチェックします。すごい量です。それでいて細部まで丁寧に作られています。かれは午前二時までかかってこれを作り上げたそうですが、このときの彼の仕事には本当に感動しました。彼は偉大な人間です。こんな面倒な仕事を押しつけてしまってごめんなさい!きっと精神のすり減る思いをしたことでしょう。そして本当にお疲れ様。
 そしてお疲れついでに制御部のリストを渡し、フローチャート作りを指示します。ごめんね何回もこんな事させて...おれって悪魔?
 98に回路を繋ぎ、電源を入れ、98で45度を指定したときちゃんと45度まわるように角度調整を行います。
 んで結論。モーターの挙動が不安定な上に、その時々によって動きが違ったりするので角度調整は無理です。それなりに動くように調整を行い諦めます。
 隣の研究室からTが遊びに来て、「入力を使ってない、そんなんじゃだめだ」とかいわれたので、使ってなかったbit7をBUSYに接続し、回路が接続され電源が入っているかをチェックさせるようにしてみました。実際に戦車を動かす前に電源が入っているかチェックし、入ってなければ入れさせるようプログラムに促されます、そして入れた瞬間戦車が動き出すという...
 ついでに、回路の電源切り忘れ防止のために、プログラム終了時に電源を切るように促すようにし、電源を切らないとプログラムを終了できないようにします。やはり電源を切った瞬間、プログラムは終了します。
 へっへっへっ、どうだ、これで文句はいえまい。(ふふ...)
 これで制御部も完成し、プログラム&回路が落ち着いたところで発表資料の作成に取り掛かります。必要なものを洗い出し、片っ端から紙に書いていきます。
 すでに、フローチャートの作成を終えていたNに、資料の中で必要になる図をフォトショップで作ってもらいます。ある程度データーが上がった時点で一旦自宅に戻り、一太郎で資料を作ることにします。
 一太郎での資料作成が一段落した後、一旦学校へ戻りNが作ったデーターを回収しに行きます。ついでに戦車のテスト。ところがとんでもない問題が発生してしまいました。
 このとき、回路から戦車までの配線をもう1m程延長し、実際に戦車を地面においてテストしていたのですが、直進はうまく出来るものの、旋回がうまくいきません。
 配線を延長したのが原因かと思いましたが、違いました、原因は戦車のキャタピラと床との摩擦だったのです。
 信地旋回は予想以上にトルクを必要とする挙動のようです。戦車を台に乗せている時は問題にならなかったのですがこんな所で問題になるなんて...
 考えられる回避方法は二つです。

 摩擦を減らすには、摩擦がない床で実験するかキャタピラに小麦粉でもまぶすしかありません。床は選んでいられませんし、粉をまぶすのも嫌です。
 疲れたので隣の研究室へ遊びに行ったら、発表本番の練習をしていました。ガンダムに持たせたレーザーポインターでドムを打ち落とす練習です。見た目は面白いんですが、的にあてるのは難しそうです。
 自分の部屋に帰ってきてふと気付きます。
「トルクを上げるにはどうしたらいいか.....電圧を上げればいい!」
「そうか、昔から不安定なときは”活入れ”と相場は決まっているではないか!!!」
「よし、昇圧だ!、5.8V昇圧だ!!!」
 というわけで、回路にかける電圧を昇圧することにしました。最大6.2V位までかけたんですが、怖いので5.8Vくらいで押さえておきます。
 さすがに効果はてきめんです。以前よりもかなり安定して動くようになりました。信地転回もばっちりです。しかし、昼間行った回転角度の調整が無意味なものに...
 それなりに回転しているように見えるように回転角度を調整し直し、家に帰る事にします。まだ、発表資料の作成が残っています。今日は眠れません。
 自宅に戻り、一太郎で残りの発表資料を作ります。そしてPictyでOHP用紙に印刷、乾くまで窓際に干しておきます。
 既に時間は午前5時を回っていました。コーヒーをのんでちょっと休憩したら学校へ向かうことにします。今日のお昼14時から班の発表をしなければなりません。


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