タイトル |
著者 |
レーベル名 |
定価(刷年月),個人的評価 |
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『はるさきのへび』 |
椎名 誠 |
集英社文庫 |
本体:514円(97/6)、★★★★☆ |
「岳物語」には出てこなかった、椎名さんの娘さんの話が読める。子供の出来る前の話と、出産の話と、娘を海外に留学させる3つの私小説風の短編からなる。うろたえる父親という姿が意外だった。
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『マグニチュード10』 |
A・C・クラーク & M・マクウェイ |
新潮文庫 |
本体:781円(H9/12)、★★★☆☆ |
ノンフィクションに近い物と思って読んだら、完全なSFだった。SFとはどこにも書いてない、SFが売れない時代らしいから無理もないのか。地震予知を完成させた科学者が世界中を巻き込んで大地震の予告をする。カリフォルニア大地震で両親を失っている彼のマッドサイエンスぶりはまさしくSF。地震予知の理論や実践方法にもっと迫ってほしかった。
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『湯呑茶碗』 |
半村 良 |
祥伝社ノン・ポシェット |
本体:680円(H8/1)、★★★☆☆ |
駅に程近い宝田マンションの38所帯を次々と交錯させながら描いていく。結局、このマンションに住む全員を登場させて、紹介だけで終わらずにちゃんと小説になっている。それぞれの生活の中に、それぞれの悩みや希望を織り込んでいて人生を感じた。
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『偽りの街』 |
フィリップ・カー |
新潮文庫 |
本体:560円(H5/3)、★★★★☆ |
前に一度読んで、ラストシーンが気になって続編を手に入れた。ああ、ラスト勘違いしてました。まあ、謎は続編で解決する事は確かだからいいや。ナチスの時代のドイツを舞台にした探偵物。ゲシュタポや治安警察も絡み、その時代の恐怖を感じる事ができる。
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『砕かれた夜』 |
フィリップ・カー |
新潮文庫 |
本体:583円(H5/10)、★★★★☆ |
グンター・シリーズ第2段。ナチスのユダヤ人弾圧が激しくなり、前作より悪化した戦争の不安におびえるドイツ。腐敗した刑事警察に復職したグンターは少女連続殺人事件の捜査につく。こんな時代の中で、自分を失わずに生きるグンターはかっこいい。
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『犯人のいない殺人の夜』 |
東野圭吾 |
光文社文庫 |
本体:544円(94/1)、★★★☆☆ |
ミステリー短編集。1話目、"小さな故意の物語" は高校生が校舎の屋上から転落死する話。似たような設定の北村薫さんの長編と比べるとあっさりしているけど、良く出来ている。"エンドレス・ナイト" は伏線の使い方が生きている。登場する刑事の優秀さと優しさが伝わってくる。"犯人のいない殺人の夜" は凝った内容で、思わず読み直して感心した。
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『人生うろうろ』 |
清水義範 |
中公文庫 |
本体:544円(95/5)、★★★☆☆ |
お墓、出産、就職など人生のいろいろな節目をテーマにした10短編。パスティーシュに走らずに、軽いユーモアで描いている。"単身人生" はそつなく単身赴任をこなしてるけど、でもちょっと寂しいかなという話。いいところをついている。"シンドローム離婚" では、普通の男にまでマザコンのレッテルを貼る風潮を描いている。似たような事はセクハラにもあると思う。
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『アポロ13号 奇跡の生還』 |
ヘンリー・クーパーjr. |
新潮文庫 |
本体:476円(H10/7)、★★★★☆ |
同じ文庫で「アポロ13」というこの本の3倍ぐらい厚い本があって、どうしても読み比べてみたくなって、買って来た。立花 隆さんの翻訳というのにも引かれた。月面着陸に飛び立ったアポロ13号が重大な船体トラブルに見まわれる。限られた設備、資源で3人の飛行士をいかに生還させるかを、短い中に克明に描いている。クラークのSFを読んでるみたいな迫力。
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『シャドウゲーム』 |
大沢在昌 |
角川文庫 |
本体:514円(H10/7)、★★★★☆ |
事故で死んだ恋人の遺品の中にあった"SHADOW GAME" と名付けられた楽譜。その楽譜の作曲者を探すシンガーソングライターの優美が、恐ろしい奴に狙われる。彼女に魅せられて協力する男達が何ともいい脇役だ。彼女を狙う悪役も、非人間的な冷酷さを持つのだが、理解できるように描かれている。
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