何者かが放った一発の銃弾がサンフランシスコ市警察の敏腕刑事ロバート・アイアンサイドから下半身の自由を奪ってしまった。だがその手腕を見込んだ警察は、彼を顧問として迎え、手足となる三人の部下を与える。車椅子を駆り、卑劣な犯罪との闘いの日々は続く……謎めいた脅迫事件、有力者の息子が起こした轢き逃げ事件、そしてアイアンサイドの部下マークが関わる傷害致死事件。鬼警部を窮地に追いこむ事件の連続、その背後でほくそ笑む黒幕とは?
TVドラマ「鬼警部アイアンサイド」のノベライズ。オリジナル・ストーリという事だから、普通のノベライズとちょっと違うかも。ドラマは観たことがないけれど、設定とかは何となく知っていて親しみやすい。1967年の作品だが、古さを少しも感じることなく読めた。
銃弾により車椅子の生活となったアイアンサイドは、サンフランシスコ市警察の特別顧問となり特別任務に従事していた。アイアンサイドの部下が傷害致死事件の容疑をかけられ、アイアンサイドと同僚たちは、彼の無実を信じ不眠不休の捜査を続ける。ノワールの巨匠のオリジナル・ストーリーと言う事だが、TVドラマを思わせる軽快な展開で読みやすい。
ジム・トンプスンさんの小説は初めてだけど、人の心の中の悪の部分の描き方が凄くて只者ではないと思った。ノワールの巨匠と書かれているが、本書でもその片鱗を感じる事が出来た。解説にある他の作品も読んでみたい。
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