◆平成10年 第2回ツーリング
1998年5月1日〜5日実施
九 州 キ ャ ン プ ツ ー リ ン グ
【5月1日(金)】
午後7時00分、大阪南港かもめ埠頭に今回のツーリングメンバー9人全員集合、午後7時30分、夕暮れのなか宮崎行きの定期客船マリンエキスプレスはゆっくりと大阪の街をあとにした。
乗船後、予約しておいた船室に参加メンバーそれぞれ上手にパッキングした荷物を置いたあと、各自夕食をとろうと船内の食堂に向かうが、さすがにゴールデンウイクの初日とあって田舎帰りの家族連れやバカンスを楽しもうとするカップル達がロビーや売店にあふれ、食堂の入り口には行列ができる程だった。
夕食後メンバー全員がロビーに集まり、翌日からのルートや休憩ポイント、宿泊地などの打ち合わせをし、その後 RP武蔵の店長が差し入れてくれたおつまみをあてに夜おそくまで酒をくみかわした。
 5/1大阪南港を出発 |
 宮崎に向かう船で |
 5/2朝、宮崎着 |
【5月2日(土)】
翌朝午前8時30分、宮崎港に到着。メンバー全員が船の車載デッキからバイクを降ろし終えて出発の準備をしていると、一台のカワサキのバイクが僕等のバイクの停めてある駐車スペースの反対側に停まっている。どうやらそのカワサキのバイクの持ち主は女の子らしい。黒いレザーのライダースパンツが良く似合う彼女に話を聞くとここから鹿児島に住む親戚の家に向かうらしい(大阪から僕等と同じ船に乗ってきたそうだ)。それなら方向は同じという事で一緒に走ることになった。
出発の準備を終え、一路鹿児島へ向けてバイクを走らせた。天候は晴、朝から蒸し暑くさすがは九州と思わせたが、宮崎市内を抜け日南フェニックス道路に差しかかった辺りから小雨がパラつきだした。途中の小さな峠で本格的に降り出しそうだったので、念のためにレインスーツを着込んだがこれが失敗だった。このあとすぐに雨は上がり、うす曇りの下、蒸せかえるレインスーツを我慢しながら日南海岸沿いのワインデイングを走り、一回目の休憩ポイントの都井岬を目指した。
ここ都井岬は一帯がのどかな牧草地となっていて馬や牛が放牧され、僕等は太平洋が一望できる岬の先のお土産屋で、一時間ほど休憩した。
その後、桜島に向けてバイクを走らせ、途中昼食をとり、鹿児島湾にでた辺りで今度は本格的に雨が降り出した。 午後3時頃に桜島を通過、激しく叩き付ける雨の中ひたすらバイクを走らせ、鹿児島湾のいちばん奥の隼人市で今晩の食事の買い出しをした。ここで宮崎港から一緒に走ってきたカワサキのバイクの彼女と最後に記念撮影をしてお別れをした後、霧島岳えびの高原キャンプ場に向けて走り出した。
 一路、都井岬へ向かう |
 都井岬の馬です |
 Nさんと記念写真 |
キャンプ場に近付くにつれ雨は更に勢いを増し、やがて雨は濃い霧に変わった。霧島岳周辺は、晴れの日には高山性樹林を縫うように走る道の間から韓国岳を望めるのだが、今は霧のために視界は5メーターほどしかなく、時折吹く突風にハラハラしながら進んだ。硫黄の匂いがしたかと思うと突然目の前に現われる溶岩性の石柱からは噴煙が上がり不気味に思えたが、霧島温泉郷に、近付いていることが感じられ少し安心できた。しかし霧の中
で完全に方向感覚を失い、結局道に迷ってしまった。それからしばらくの間、霧のなかをさまよい運良く携帯電話がキャンプ場につながったので道順を教えてもらった。そしてバンガローの空きがあるというったので予約もして、いざ、キャンプ場へ・・・。

案内されたバンガローは、ひどいボロで、クモの巣が張っていたが、この雨の中でキャンプを張ることを考えれば文句は言えない。部屋のなかにバイクの荷物止め用のゴムひもを張り、そこにレインスーツ干してから、バンガローの軒先で火を起こし、晩飯の準備にとりかかった。ランタンの灯りの中で焼き肉を食べ、焼酎をやりながら、今日一日のことを皆で語り合った。
【5月3日(日)】
この日はオン組5台、オフ組4台に分かれての行動となった。天気は朝から快晴で、昨晩とうってかわってみごとな五月晴れになった。
オフ組は、午前8時30分頃、霧島岳キャンプ場を後にして、緑の眩しい農村地帯のなかを抜け、えびの市でガソリン給油を済ませ一本目の林道に向かった。 舗装路はすぐに荒れ始め固く良く締まったダ−トに変わった。林道の案内標識の前で一旦停まり、4台並んで同時にスタート。ハイスピードで長いゆるやかな上りを駆け抜けた。途中荷物が落ちたりといったアクシデントはあったものの、路面の質は良く、楽しく走ることができた。
二本目の林道も、路面は多少荒れ気味だったものの順調な走り方で、何の問題もなく無難に走りきることができた。三本目の内大臣林道へ向かう途中道に迷ってしまい、昔、平家の落ち武者が隠れていたといわれる椎葉村で昼食にうどんを食べ、ガソリンスタンドで道を聞いてなんとか林道の入り口までたどり着いた。
ここ内大臣林道は景色がすばらしく、路面も変化に富みガレありハイスピードコーナーありで、背負ったリュクの重みも忘れてしまうほど楽しむことができた。
林道を出た時点で時刻は午後5時になろうかというところだったので急いで国道に入り、エンジンが焼け付くかと思うほどのハイぺースでバイクをとばし、日暮れ前になんとか今日の宿泊地のペンションにたどり着くことができた。
一方、オン組の5台も時を同じく出発し、国道221号人吉ループ橋を通り一路高千穂峡へ。途中、国道265号線椎葉村で昼食を食べたが、我々が立ち去った少し後で、オフ組もこの地で昼食を取っていたそうな。高千穂で観光をした後、ペンションを目指す。ペンション「あばぁぐりーん」到着は午後5時頃。オフ組の到着を一服しながら待つ。
午後7時頃においしいデイナーを食べて、午後8時頃に各部屋に戻るが、前日に温泉に入れなかった者もいたため、近くにある長陽村総合福祉センター「ウィナス」で温泉に入る。夜、まっさらなシーツの掛かったフカフカのベットに身を沈めた。
 ON組、高千穂峡 |
 OFF組、林道にて |
 ペンション・えばぁぐりーんにて |
【5月4日(月)】
午前7時、九州ツーリング最終日、心地よい目覚めとともにペンション「えばぁぐりーん」のマスターが つくるおいしい朝食をいただいた後、荷物をまとめ出発。まずは阿蘇霧島国立公園へ向かう有料道路にはいった。
メンバ−全員でフォーメーションを組み、登りのワインデイングを軽快に走り眼下に広がる外輪山を眺めた。阿蘇山頂付近にある草原ではグラススキーを楽しんでいるひとがいた。果てしなく広がる草原と蒼い空との間を隔てるものは何も無く、上空には火口見物の為のヘリコプターが観光客を乗せて絶えず行き来している。僕らはそこで少し休憩をとり、阿蘇霧島国立公園を後にした。
それから待望のやまなみハイウェイ通過。多少、観光客の車で渋滞気味だったが、緑の草原を貫く一本道はほかに類をみない素晴らしさだった。
午後1時頃、湯布院町に入った。やまなみハイウェイの終点近辺で昼食をとり、湯布院観光をすることにした。 まずは、金鱗湖をゆっくりと見て回り、小さな神社では、樹齢五百年は超えるであろう杉の大木の下で記念撮影をした。金鱗湖の周りには湯布院町という名の通り公衆浴場があちこちに点在し、湖につながる水路は温泉から流れ込むお湯であたたかった。由布院温泉名物の豆腐アイスクリームを食べ(こいつはマジでウマかった)、簡単におみやげを買った後、出発となった。
午後5時出港の関西汽船に間に合わせる為、料金所付近まで渋滞する大分自動車高速道路を避け、一般道の国道500号線を経由し別府港に急いだ。峠から別府湾とその街並みが見えた時に、思わず胸にあつくこみ上げてくるものがあった。またいつか必ず来ようと心に誓いながら別府港に続く道を下っていった。
別府港に到着すると、既に乗船準備が始まっていて、慌ててチケットの手続きを行った。バイクを積みこんだ後、弁当とビ−ルを買い込み、船の甲板に出て、心地よい風に吹かれながら遠ざかっていく別府の街並みを眺めた。

【5月5日(火)】
午前7時頃、大阪南港に到着。懐かしい大阪。まだ心のどこかでは九州で走っていたいという気持ちもあったが、メンバーのみんなはそれぞれの想いを胸に、見慣れたいつもの街にもどっていった。
【感想】
今回のツーリングは、初心者の方も中にはおられたので、無理なく一定のペースで走れる様に、ゆとりのある行程を心がけたつもりです。なお、全員が安全にツーリングできたことは、今年のチームリーダーである寺本氏のお陰であるとともに、全員の走りをグループの後方から常に見守っていて下さった、RP武蔵の店長、烏川氏に心から感謝します。
なお、5月2日に宮崎行きのフェリーで知り合ったNさんも、雨の中のツーリングで、かなり疲れたのではないかな?とみんな心配していますので、RP武蔵の方にもまた是非遊びにきて、九州の思い出話でもしましょう。
(白石、寺本)
ネットでえびの高原キャンプ場の連棟式ケビンの写真を見つけました。懐かしかったのでアップします。撮影された方、お借り致します。
現在のキャンプ場情報には一戸建ケビンの料金はあるのですが、連棟式ケビンについて書いてありません。もしかしたら今は無くなっているのかもしれません。
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