新品種(新種)の紹介(サンセットモザイクその4)
サンセットドイツイエロータキシード
前回までは、サンセット遺伝子を持つモザイク系品種のみを紹介してきましたが、今回は趣向を変えて、この遺伝子を持たせた別品種をお見せします。
これまでも再三ご説明したように、この遺伝子を持ったグッピーは、背鰭や尾鰭の色柄に影響を与える他、胸鰭、腹鰭、ゴノポジウムにまで発色を見せます。特に胸鰭はタキシード系以外の品種では薄く墨が入る事が稀にある以外はほとんど無色というのが常識です。ところがこの遺伝子を持たせると、ノーマルモザイクの胸鰭に色柄を乗せることが可能になります。
そこで私はドイツイエロータキシードにこの遺伝子を持たせてみることにしました。理由は、ドイツイエローの遺伝子は、グラスやモザイクなど、他の表現をする遺伝子よりも比較的上位にあり、さらに、雌のみからでもこの形質が遺伝するので、プラチナ、メタルなど、Y型の遺伝子を容易に組み込むことができるからです。
方法は簡単、サンセットモザイクの雄にドイツイエロータキシードの雌を掛け合わせ、その雄にさらにドイツイエローの雌を掛け合わせるというものです。現在はその組み合わせのF1の雄が親になっていて、サンセットドイツイエローリボンを作出中です。
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上はサンセットモザイクの雄とドイツイエロータキシードの雌のF1の雄です。ドイツイエローの表現の強いものを選びました。すでに胸鰭は白く発色しています。
下は上の写真の雄にドイツイエローの雌を掛け合わせてできたF1の雄です。
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この代になると、尾鰭のシミもなくなり、表現はほとんどドイツイエローです。注目すべきところはやはり白い胸鰭でしょう。 |
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この魚がたくさん泳いでいると、絶えずひらひらさせている白い胸鰭がとても目立ちます。 |
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ノーマルフィンにしては若干長めの胸鰭をしているように感じます。 |
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これまでの数枚の写真にも見られることですが、この魚、静止状態でいるときの姿勢が良くありません。奇形ではないのですが、いつも立ち泳ぎをしているように見えます。今後はこの点を改良していくことが必要です。 |