新品種(新種)の紹介1

 写真のモザイクは、2年ほど前、友人のコンテストブリーダー日渡氏から譲り受けた雄に私のモザイクの雌をかけ合わせたもので、最初のものから4代目にあたります。雌は毎回、別のモザイクを使いましたので、同胎で採ったものはありません。
 このグッピーの元親、つまり、日渡氏が入手した魚には曰くがあります。当時、氏が友人宅で面倒を見ていた水槽の中に変わった魚を数尾見つけ、育てたところ、普通のグッピーとは明らかに違う魚になりました。それは、同じ水槽で飼われていた、ブラックモーリーによく似た特徴を持っていたということです。氏によれば、その魚はグッピーよりもずんぐりとして、尾鰭は一応デルタテールをしているものの、全体に丸みを帯びていたということです。また、その水槽にはタキシード系のグッピーは一匹もいなかったにもかかわらず、数尾の中にはタキシードのような発色をしたものがまじっていたとのことです。それにより、どうやらこの魚は、グッピーとブラックモーリーとの混血ではないかという推測がなされました。
私が譲り受けたものは、この、混血と思われる個体に、日渡氏のモザイクの雌をかけ合わせたもののF1です。この時点で、その魚は、今にあるような、体全体を覆うようなオレンジの色合いと、各鰭の特徴を持っていました。このときの雄に私の雌をかけ合わせ、現在に至っています。
 遺伝的には雄から雄に限られるようで、この親から生まれる雌は普通のモザイクです。写真がなくて残念なのですが、これをタキシードにしたときの上半身のシルバーの発色と、白地に黒いスポットの入った胸鰭にはちょっとびっくりしました。現在、他の品種の雌とのかけ合わせを行っています。結果は追ってこのページでお知らせしていきます。
 なお、この品種、まだ名前が決まっておりません。オレンジモザイクでは少し安直に過ぎるような気がします。鈴木君から、このグッピーの色合いから、夕焼けを連想するので、サンセットモザイクはどうかという案が出ています。 

この写真の個体が現物に一番近い色をしています。大きな特徴は、この写真のとおり、体全体に被っているようなオレンジ色です。個体差はありますが、ボディーのみならず、各鰭にまでオレンジの発色があります。コーラルの発色に若干似たところがありますが、その場合はもう少し赤に近いものになりますので、明らかに違います。

上の写真の個体と同じ胎です。

これが普通のモザイクです。ボディーと各鰭の色、背鰭の形を比べてみてください。

オレンジの発色は個体差があり、見る角度や照明によっても違いが出ますが、どれももともとのモザイクとは違った特徴を持っています。

背鰭の形にも特徴があります。普通のモザイクのように平行四辺形にはならず、高さがあって丸みを帯びています。もともと私がブリーディングしているモザイクはほとんど背鰭の色が白いのに対し、このグッピーはボディーや尾鰭と同じオレンジ色になるものが多く出ます。

この腹鰭、ゴノボジュームも変わった特徴のひとつです。この個体はゴノボジュームが体と同じオレンジです。この部分は尾鰭や背鰭と違って個体差が激しく、この他に、黒や白、この個体のように柄の入ったものもいます。ロングフィンにするとこの特徴がさらに際立つと思われます。

ブルーモザイクの雌から生まれた個体です。この個体には胸鰭にも色柄が乗っています。

胸鰭を見てください、ブルーの地に黒のスポットが入っているのがわかります。

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