モザイクのはなし             猪又淳巳

 これから始める「モザイクのはなし」は、私の10数年のグッピー飼育経験をもとに、特にモザイク系を中心に、ブリーディングの基本やテクニックについて書いてゆきたいと思います。「はなし」の内容については、私のつたない経験がもとになっているわけですから、これが及ぼす結果については一切責任は持てませんのでご了承ください。また、一般的な遺伝の知識は別として、学術的な裏付けのないものも多くありますので、その点もご勘弁願います。思いつくままに書き進めて行き、ページを更新します、途中でしばらく止まってしまうこともあると思います。どうかおゆるしを。また、ご意見、ご感想をお待ちしております。メールにておよせください。

モザイクとの出会い

 私がグッピーと出会ったのは、今から30数年前、中学3年の時でした。物心ついてから現在に至るまでの40数年間、魚に関しては、釣る、飼う、食す、どれをとっても目がない私ですが、友人の家で、初めて目にしたキングコブラはいまでも忘れられません。その魚を500円で譲ってもらい、グッピー飼育が始まりました。 
 高校に入学すると近所のショップへ通うようになりました。当時私は、千葉県の八千代台に住んでおり、駅近くの美容院の一角に温室を持つ、グッピー中心の小さなショップが行きつけの店でした。ここで私は、初めてモザイク(当時の呼び名はモザイクデルタ)に出会い、一目で気に入って、小遣いを叩いて買いました。その時の私の小遣いは、月3千円、そのモザイクがペアで3千円,かなりの冒険でした。それから大学入学までの3年間、四畳半の部屋で6本の水槽でブリーディングを続けましたが、大学生になると、家を空けることが多くなり、自然消滅的に、私の最初のグッピーブリーディングは終わりました。
 今に続くグッピー飼育を始めたのは、10数年前、今は成人している私の娘の一言がきっかけでした。テレビでちびまるこを視ていた娘が「わたしもねったいりょをかいたい」と言い出しました。そこで久しぶりに熱帯魚店へ出かけました。そこで目にしたのが、輸入グッピーでした。その色鮮やかさに感動し、子供そっちのけでグッピーばかりを買ってしまいました。半年、1年後には、水槽の数も20本から40本に増え、グッピーも国産に変わりました。
 そして9年前、現在住んでいる家に移り、グッピー専用の温室に120本の水槽を置き、モザイク系を中心に、約40種のグッピーをブリーディングしています。また、当店のブリーダーとして協力してくれている鈴木将則君は、現在の家に移る前からの友人で、近所のショップをとおして知り合いました。彼はとてもセンスの良いブリーダーで、魚を非常に丁寧に育てあげます。モザイク、オールドファッションなどの、ブルー系が得意で、大きなコンテストでの優勝、上位入賞経験も多数あります。当温室の種親をもとに、約40本の水槽で、彼独自の交配で魚をつくっています。

 

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