無念の逃亡
ようやっと落ち着きを取り戻した楓が上体を起こすとその弾みでなんと身体を縛っていた細引きが解けてしまった。
相変わらず菊乃は鼻歌混じりで洗濯を続けている、自由を得た楓の心のなかに落下微塵とばかり自分を責め立てる菊乃に対する憎しみがどす黒く芽ばえ始めていた。
音も立てずに全裸の楓は立ち上がった。
「菊乃さん」
振り返った菊乃はそこに見てはならないものを見たように棒立ちになった。
「な、何しようってんだい。下手な事すると後がこわいよ」
無言の威圧を加える楓に殺気を感じた菊乃は言葉を震わし後ずさった。
「あっ」
楓が一歩前に進み出た瞬間、大きく後ろに下がった菊乃はもんどりうって井戸の中に吸い込まれた。しかし、両手はしっかりとその縁を掴み転落を必死に堪えている。
「た、助けておくれ。今までのことは水に流そうじゃないか」
哀願を繰り返す菊乃の瞳は恐怖に見開かれた。姿を現わした楓の手に拳大の石が握られていたからだ。
今の楓には逃亡が失敗したときの事なぞ考えている余裕はなかった。ただ、菊乃に今までの恨みを返したいその一念に楓は支配されていた、
「ば、馬鹿な事するんじゃないよ」
楓の渾身の力を込めた石の一撃を受けて菊乃は悲鳴とともに井戸の底に転落した。
「覚えておいで」。
水しぶきの音のあと菊乃の罵声が飛んだ。しかし、楓が石を井戸のなかに投げ入れるとその声も沈黙した。
荒い息を吐いた楓は呼吸を整えると土蔵に走って戻るのであった。
怒りに任せて菊乃を井戸のなかに叩き込んだ楓ではあったがこの忌まわしい屋敷から逃走すること以外考えが及ばなかった、再び捕まれば前にも増して激しい折檻が楓を自分を見舞うことは百も承知だった。それでもこの機会を逃すことは出来なかった。
寝巻を身に着けた楓が息せき切って門の所まで走るどひょいと仙次が姿を現わした。
「どうした楓、どこに行くんだ」
「は、はい。菊乃様のお許しを得て姫様方にお目通り願って参ります」
おどおどしながら楓はとっさに嘘を付いた。この男とまともに戦って勝てることが出来ないのを楓は知っていた。
「何、菊乃がそんなことを許したのか。怪しいぞ」
仙次は訝しげな顔をして、汗をかいてる楓を見つめていた。
「急いでおります」
通り過ぎようとする楓の手を仙次が掴んだ。
「待て、菊乃のとこまで来い」
遂に嘘が通じぬと感じた楓は激しく身悶え仙次の手から逃れようとした。しかし、力では到底仙次に叶わぬ楓は楽々腕をねじ曲げられた。尚も無念の楓は激しく暴れ回り仙次を手こずらせる。
「諦めろ。往生際の悪い奴め」
仙次の気を入れた拳を腹に受け楓は意識を失った。
「よっこらしょと」
仙次は楓を軽々と担ぎあげると土蔵に戻る。
楓の命懸けの逃走はまたもや仙次の手で阻止されてしまったのである。
楓を土蔵に監禁した仙次は菊乃を探し始めた。井戸のそばで菊乃の草履を発見した仙次はその中で額を割られ失神している菊乃を見つけるのであった、
「おい、しっかりしろよ」
井戸の底に下りた仙次に頬を叩かれ菊乃はようやっと気が付いた。しかし、額を襲う激痛に思わず顔をしかめるのである。
「楓を骨抜きにしたと思って油断したな、あいつにも兵頭の血が流れている。隙を見せたらつけ込まれるぞ」
仙次に諭された菊乃は蒼白な顔をして額を抑えうなずいた。
「ああ、こんなことまでするとは思ってなかったよ。早く捕まえとくれ。二度と逃げられないように足を切り落としてやる」
菊乃の激しい怒り仙次は思わず苦笑した。
「もう、捕まえた。土蔵のなかにいるぜ」
仙次が鍵を目のまえに差し出すとそれまで痛みに耐えかねていた菊乃は表情を一変させ有無を言わせずそれをひったくった。
「畜生。足を切り落としてやる、仙次さん手伝っておくれ」
「まあ、待て」
いきりたつ菊乃を仙次が制した、
「そこまですることもあるまい、姐さんのけがの手当が先さ」
「だったらどうやって始末つけるんだい。こんな傷が残っちまうよ」
「明日。秀吉様がお越しになる。あのお方も楓には恨みを抱いているはず。その場で折檻してやればお喜びになると思う」
「何をするんだい。生半可なことじゃ承知しないよ」
「漆だ」
「漆。漆をどうするのさ」
「言わぬが花と思ったが、どうやら承知してもらえそうにないからな」
「ああ、聞かなきゃ駄目さ」
目をぎらつかせて詰め寄る菊乃に仙次もたじたじである、
「楓のおさねを紐で抉りだしてな、それに漆を塗り付けるのさ」
「え、おさねをそれは愉快だよ」
菊乃は笑い転げ痛みを覚えたらしく顔を歪める。しかし、表情は輝いている。
「一晩くらいそのままにしておくと気が狂ってしまうかも知れぬぞ」
「構やしないよ。あんな女。大声で泣くだろうね」
「そんなもんじゃすまぬぞ。固めてしまえばずっとそのままだ。痛みとじれったさに七転八倒するだろう」
「楽しみだね。身体が疼くよ」
悪鬼二人の楓が聞けば身も凍るような会話は何時までも続いていた、自分の心まで粉々に打ち砕かれるような計画がなされていることなど知らずに楓はまだ土蔵のなかで気を失っていた。
菊乃の怒り
「朝だぞ。何時まで寝てるんだ」
菊乃の復讐におののきいつしか寝入ってしまった楓は小平太の声で目が覚めた。
あの一件以来食事も与えられず、土蔵を訪れる者もなく、楓にとっては丸一日ぶりに聞く人の声であった。
「昨日は大変なことをしたそうだな。菊乃がたいそう御立腹だぜ」
上体を起こした楓を小平太がからかうと楓は深く首を垂れてしまう。それほど菊乃の復讐に恐怖を覚える楓であった。
小平太の後ろから姿を現わした仙次は落ち着き払って楓の肩を抱くように腰を降ろすと独特の粘りのある声音で語りかけた。
「菊乃にどう詫びるつもりなんだ。あの怒りは到底収まらんぞ」
唇を噛んで何も語らない楓の紅潮した頬を小気味よさそうに見つめながら仙次は饒舌になり、言葉を続けた。
「菊乃はお前の足を切り取るといきまいているが儂はいくらなんでも不憫だから止めろといっておいた。しかし、あの女のことだ何をするか分らん」
楓の表情が一瞬強張り、そして、弱々しい哀願の言葉が湧き出るのであった。
「ああ、そのような恐ろしいことだけは何卒」
「儂はあの女に命令できる立場ではない。精一杯、詫びて、お仕置きを死んだつもりになって耐えるのだな」
楓を突き放すように立ち上がった仙次は小平太に楓を縄掛けするよう命令する。
それを聞いた楓は柔順にも自ら寝巻を脱ぐと両手を背後に廻すのであった。
生れたままの姿の楓が連れ込まれたのは母屋の客間であった。豪奢に着飾った菊乃は楓の姿を見つけると駆け寄るやいなやその優美な乳首を抓りあげた、
「昨日はよくも大変な事をしてくれたね。もう少しで死ぬとこだったよ」
石礫で割られた額を鉢巻で隠した菊乃は楓に傷付けられた右手の甲に巻き付けた手拭いをこれみよがしに見せつけた。
「あの時のこと楓……」
詫びを入れ始めた楓の頬を菊乃の激しい平手打ちが襲った、
「だれが詫びを入れていいと言った。私はね、お前さんの足を切っちまおうと思ってんだよ。だけど仙次さんが身体に傷付けるのは止めろというから別のお仕置きをすることにしたよ。それにこれから秀吉様かお見えになってお前を楽しむんだよ」
秀吉と聞いてそれまでうなだれていた楓がはっと顔を上げた。三年前、信長にあまりの矮小さを笑われた恨みを秀吉は楓に対して抱いているはずだった。そして、姫たちの事も楓には気掛かりだった。
「さっさとそこに横になって足を拡げるんだ」
菊乃にどやしつけられるように言われた楓は座敷の真ん中に敷かれている布団のうえに縮かむように坐り込んだ。待っていたように小平太が上体を倒すと仙次がその端正な足首に手を掛けた。
「さあ、足の力を抜かないか」
頑なにに閉じあわせたままの楓に業を煮やした仙次が怒鳴りつけると楓は震えるような声音で菊乃に訴えるのであった。
「菊乃様お願いがございます」
「何だい。こっちも色々急がしいんだ。くだらないことを言っても無駄だよ」
菊乃が涙を見せ始めた楓の顔を覗き込むとその形相に粟粒の立つほどの恐怖を覚える楓ではあったが小さく口を動かし始めた。
「秀吉様には姫様方のことを内密にお願いします」
「ああ、そのことかい。お前さんの心掛け次第だよ。秀吉様を心行くまで満足させ、辛いお仕置きを素直に受けるんだ、いいね」
菊乃に端正な鼻筋を弾かれた楓は眉間に皺を寄せると悲しそうにうなずき、自ら奈落の底に落ちるように両足の力を抜いた。
「よし、吊り上げるぞ」
三尺棒の両端に楓の足首を素早く繋いだ仙次が声を掛けると小平太が天井に通った梁から伸びる縄を引き始めた。その縄は梁に打ち付けられた滑車を通して楓の足首を縛った棒の中央に先端は繋っている、
すべての羞恥を白日の元に晒す屈辱的な姿勢、天にむかって突き上げて行く両足を感じて楓は断続的な悲鳴を上げ始めた。
「ひ、ひどい」
「自慢の身体だろ。秀吉様の奥の奥までお見せするんだよ」
うろたえる楓の姿に喜悦した菊乃は楓の乳房を揺さぶって面白がっている。やがて、楓の双臀が宙に浮いたところで小平太は床柱に縄を結び付け固定した。
仙次は楓の腰を持ち上げ菊乃がその下に木枕を嵌込みその羞恥を完壁なものに仕上げようとする。
「あ、そんな」
頬を紅潮させた楓は双臀を悶えさせあるかなきかの声を出しだ。
「まあっ、お尻の穴まで丸見えじゃないか。みっともないったらありゃしない」
菊乃は袂で口を覆い笑い声を上げ、惨めな姿の楓を屈辱にのたうたせようとする。
羞恥に身悶えたり、へたな哀願をすればここに居並ぶ淫鬼たちをさらに喜ばすことになると悟った楓は張り裂けるばかりの胸の震えを抑え、唇を噛み締めこの屈辱を耐え切ろうとした。しかし、そんな楓の胸のうちを見透かしたように菊乃は痛ぶりの手を休めず、楓を弄び始める。
「面白いね。まるで貝みたいじゃないか」
急に楓は首を左右に激しく振り、耐えられなくなったように声を潜めて泣き始めた。菊乃が楓の肛門に箸を押し込めるといった悪戯をしているのだ。楓にとって気の遠くなるほどの屈辱の時間は今始まったばかりであった。
秀吉登場
身を覆うものは身体を締めあげる縄だけという惨めな楓は両足を天に突き上げるというあられもない姿で客間の中央に晒されていた。
菊乃達は秀吉の接待をするために半時前に客間から去り、楓はその間、たった一人で打ち捨てられている。
目を閉じて一刻も早くこの屈辱の時間が過ぎるのを一途に祈っている楓に廊下を歩いてくる足音が聞こえてきた。そして、あの秀吉が声高らかに談笑する声も。
「それであの女をどうするつもりだ」
「はい。最後は殺してしまうことになると思いますが、それまでこってりと油を搾り取り、私に盾ついた事を後悔させてやります」
「殺すのか、お前も性悪女だな」
秀吉と菊乃の悪夢のような相談が楓の耳に入ってきた。そして、楓の身体は恐怖のためいつしか小刻みに震え始めている。
障子を開け悪鬼の一団があさましい姿の楓の周囲を取り囲んむ。それでも楓は高鳴る鼓動と裏腹にあくまで無関心を装い、軽く瞑目をしている。
「ちょいと秀吉様がいらっしゃつたよ。目を開けて御挨拶しないか」
菊乃に耳を引っ張られ、ゆっくりと目を開いた楓は天に伸びた自分の両足の間に好色そうな笑みをたたえた秀吉の顔を見つけて頬を赤らめた。
「楓、久し振りではないか、今まで恥じを晒してきたのだ。いまさら照れることもあるまい」
楓が秀吉の眼前に巨大な羞恥を余すことなく晒し、息の音も止まるほどの屈辱に身悶えたまま言葉を返さないのに業を煮やした菊乃は熱い耳たぷに口を近付けた。
「何、押し黙ってるんだよ、お詫びの言葉を掛けないか」
さらに姫たちのことを引合に出す菊乃の執拗さに楓は抗するすべもなく、楓は仙次の耳打ちするとおりの口上を述べなければならなかった、
「秀吉様。再び囚われの身となりました楓は菊乃様に対する数々の非礼を償うために一生を掛けて恥じを晒すことを決意いたしました。本日はこのようなあさましい姿を御覧頂き、大変嬉しく思っております。気の済むまでお楽しみ下さいませ」
言い終えた楓が涙に咽ぶと、秀吉はその柔肌の感触を楽しみながら三年前の恨み言を述べるのであった。
「儂も信長公に笑いものにされ、あの時は儂は大変惨めな思いの味わった。折角、ボブを連れてきたのに信長公が放逐された時は儂は残念だった。儂の恨みは晴れてはおらんぞ。それに逆賊、明智に組みし、柴田を頼るなぞ言語道断、本来は死罪を以て罰すべき所を菊乃のたっての願いで生きながらえておるのだ。菊乃に感謝するのだぞ」
楓はむしろ命を絶たれることを望んでいた。しかし、菊乃に乳首を抓み上げられ楓は言葉を続けなければならなかった。
「い、命を助けていただいたばかりでなく、女の喜びを連日のように味合わせていただき。菊乃様には感謝の言葉もございません」
「それは良い。ところで新乃助はどうした。あやつもここにつれてこい」
小平太が客間から出てゆくと秀吉は再び楓の惨めな姿を見つめた。
「さて、儂には何を見せてくれるのだ」
秀吉はあからさまに開かれた楓の襞の中に指を差し入れて尋ねた。
「か、楓の喜ぶ姿をお目に掛けたいと思います。仙次さん、お願いします」
涙に詰まりながらようやっと言い終えた楓を胸のすくような想いで見つめていた秀吉は菊乃に促され、一歩退くと変わって仙次が道具箱を手に楓の羞恥の前に膝を折った。
「今日は秀吉様にお目に掛けるのだ。今まで味わったこともないような思いにさせてやる」
仙次が突き上げているすらりと伸びた太腿に手を触れると楓は思わず身体を震わせた。
「何を慌てておる。これから素晴らしい気分に浸れるんだぞ」
仙次は膝の裏側に舌を這わせ、その豊かな乳房を揉み上げると楓の官能の扉は嫌が応でも音を立てて開き始める。
悲しいため息を付き懊悩する楓を肴に、菊乃と秀吉は酒を汲み交して談笑していた。
「秀吉様。私は毎日が嬉しくって、本当に生きてて良かったと思うんですよ」
目の縁を赤くしてしなだれかかる菊乃には妖艶ささえ漂い始め、秀吉は目の前で責め立てられる楓の姿に目を瞠るのであった。
「大罪人の女だ。菊乃の好きにすればよい」
「はい、はい、楓は私のもんだから、秀吉様にいくら金を積んでいただいてもお渡しするわけには行きませんよ」
「あはは、最もだ。ところでその怪我はどうしたのだ」
とたんに菊乃の目つきが鋭くなり既にあらわな身悶えを見せている楓を憎々しげに睨みつけた。
「昨日、この淫乱女にやられたんですよ。ちょっと目を離した隙に井戸に叩き込まれてね。その上、石まで投げ付けたんです。危うく死ぬとこだったんですよ」
「それは災難だったな。ではその折檻もするのだな」
「当然ですよ。でも駄目ですよ、秀吉様にはお見せしません。あとでこってりともう搾り切れないほど脂を搾るんです」
「そいつは残念だな」
二人が小さく笑ったとき、それまで喘ぎ声を洩らしていた楓がいきなりつんざくような悲鳴を上げた。
菊乃は仙次の手元をみて大きな笑い声を上げた、
「見てやってくださいまし、あれを」
「な、なんとこいつは愉快だ」
仙次の指先が根本まで楓の肛門に埋め込められ、内部で激しく蠢き廻っている。全身脂汗で光り輝き始めた楓は苦しげな息を吐きながら、官能の芯をかきた立てられ、仙次の繰り出す術中にすっぽりと嵌っているのだった。
襖が開いて小平太が新乃助を導いてくると、菊乃は秀吉の傍らに座らせた。
「今日は秀吉様がいらっしゃってる。ご挨拶をし」
菊乃に促されると新乃助は膝を正して語り掛けた。
「秀吉様、この新乃助の命を助けていただき有難うございました。今後は秀吉様に尽くします」
いたぶりを中断された楓は新乃助が深々と秀吉に頭を下げているのを目にして愕然とした。新乃助は脅されたり、痛め付けられたりしてその言葉を吐いているわけではない、心底感謝の気持ちを持っているのだ。
「そちも姉と再び巡り合えて幸せであろう」
「姉とは言っても、宴席で恥を晒す相方です。私は手管を磨き楓を喜ばすのが務めにございます」
「そうか、そうか」
秀吉は目を細めて盲目の新乃助を楽しそうに見る。
「今、楓がここで晒し者になっているんだよ。お前さんも悪戯してごらん」
菊乃に促された新乃助は躊躇することなく立ち上がると小平太の導きで楓の吊り上げられている双臀の前に座らされる。
「し、新乃助。お前まで私に恥を掻かすのか」
仙次に乳房を嬲られながら自分の羞恥の前に膝を折った新乃助に耐えられなくなったように楓は涙を流しながら訴える。
「姉上、私たちは恥を晒すのが務めにございます。そのようなお考えは無用にございます」
新乃助に撥ね付けられた楓は悲しそうに目を閉ざす。やがて、新乃助の指と舌が仙次の手捌きと呼応して楓を追い詰めてゆく。
「あっ、嫌、嫌」
突然、楓は激しい拒絶の声を上げて枕に乗せられた双臀を激しく揺さぶった。新乃助の舌が秘められた菊座を嘗め始めていたのだ。
「あっ、止めて、嫌」
激しく身悶える楓の双臀を新乃助はしっかり抱きとめるとその行為を続行する。
「まぁ、嫌だね。あんなところまで」
菊乃は袂で口を覆って笑ったが内心では身内にまで裏切られて懊悩する楓を見て胸のすく思いに浸っていた。
楓がシクシク啜り上げながら新乃助の手管に素直に身を任せ始めたのを悟ると仙次は新乃助の肩を叩いた。
「今度は楓の口を吸ってやんな」
新乃助が場所を異動すると仙次が楓の双臀の前にどっかと腰を下ろした。
楓は新乃助が唇を差し出してもそれを避ける所作さえ見せたがかっちりと縛られている身では避けることも出来ない。ぴったりと口を合わせた楓はしゃくり上げながら官能の炎に身を焼かれる悲しさに沈んでゆく。
そんな、楓の姿を見た仙次の愛撫はいよいよ熱を帯び始めた。