屈辱の誓い
「いつまで寝てるんだよ。自分ばかりいい思いをして失礼じゃないか」
乳房を揺さぶられ、うっとりと目を見開いた楓の目の前には喜色満面とした菊乃の顔があった。
「はっきりと見させてもらったよ。余りに激しいんでこっちの方が恥ずかしくなちまったよ。少し恥じを知りなよ」
菊乃に頬を突かれ、再び現実に引き戻された楓は自分の中心に張り形が埋め込まれたままなのを知り眉を寄せた、そして、菊乃に自分のあさましい姿をあますことなく目撃された事の惨めさに声を震わせ泣き始めるのであった。
「あはは、いまさら泣いても手遅れだよ。」
敗北感に打ちひしがれるように涙している楓の姿に満足した菊乃は立ち上がるとこれもほくそ笑んでいる仙次達の方に向き直った。
「お前さんがたのおかげでとても楽しい思いをさせてもらったよ。心から礼を言うよ」
「姐さんも胸のつかえがいっぺんにおりたんじゃないかい」
「ああ、だけどこれくらいじゃ私の胸のうちは半分も晴れやしないよ。この女には一生掛けても菊乃さんの身体をおもちゃにした償いをさせるんだ」
再び鬼のような形相になった菊乃は憎しみの篭った目で打ち震える全裸の楓の身体を嘗め回すように見つめていた。そして、まだ楓を狂乱させた張り形が突き刺さったままなのを目にして顔をほころばせる。
「そうだ。あれだけ喜んだんだから後始末をしてやるよ」
菊乃はほくほくした顔で開股縛りにされている楓の足の間に膝を折ると無念の律動をかすかに伝える張り形を抜き去り、懐から薄紙を取り出すと愛液にまみれている楓のその部分を丹念に拭い始めた。
菊乃の指先が飽くことなく羞恥の源泉に触れていることを知覚した楓は屈辱に歯を噛み鳴らしている。図に乗った菊乃は更に楓に恥辱を与えようとしていた。
「そんなに悔しがるもんじゃないさ。楽しませてもらったんだろ。もっとよく見せて御覧よ」
菊乃は仙次に頼んで楓の腰を持ち上げさせると自分の膝を楓の尻の下に押し入れ、逃げも隠れもできない極限の姿勢を楓に強要した。
「ずいぶん楽しんだんだね。女盛りだからしょうがないか」
楓の襞の一枚一枚を念入りに拭いながら独り言のように呟く菊乃の言葉は楓に耐えようのない屈辱感を与えている。
「まあ、一段と色っぽくなってるじゃないか少し悪戯させとくれ」
遂に菊乃が恥ずかしげに息付く楓の陰核に手を延ばしてくると楓の我慢も限界に到達した。腰を震わした楓は振り絞るように訴えるのであった。
「も、もう十分でございましょう、お戯れはお止め下さいまし」
楓の必死の哀願を耳にした菊乃の表情は一変し、膝の上に載せあげている楓の尻たぶを思い切り引っぱたいた。しかし、抓み上げた陰核はそのままだった。
「人に後始末をさせといて、何て言ういい草だ。お戯れはお止め下さいましだって。ふん、笑わせんじゃないよ。礼の言葉も掛けないうちに何さ。だいたいまだお前さんの詫びの言葉も聞いちゃいないんだよ。仙次さん、この礼儀知らずな女を懲らしめてやるんだ。手伝っておくれ」
仙次が大粒の涙を流しながら後悔の念にさいなまれている楓の耳に口を寄せると楓の顔は大きく歪んだ。しかし、ここで菊乃の機嫌を損ねると姫達の身に難儀が及ぶと脅された楓は泣く泣く菊乃に礼の言葉を掛けなければならなかった。
「き、菊乃様。さ、先程は素晴らしい思いにさせていただき有り難うございました。また、私のようなものの後始末して戴き、お礼の言葉もございません」
切れ切れに言い終えた楓が打ちひしがれるように顔を横に伏せると菊乃はようやっと怒りを納め、にこやかな表情になる。しかし、胸の奥底ではこの女をもっと辱めてやるんだという闘魂を漲らせていた。
「色気のない挨拶だね。まあ、いいよ。もう少し恥ずかしい顔を見せとくれ。私の目の前にこんなものをはっきり見せつけて何とか言って御覧。楓、どんな気分だい」
勝利に酔う菊乃は目元が酒を飲んだように赤くしてこの無残な遊びに没頭している。
「どうしたんだ。答えないか。楓」
啜り泣きの声を上げて一向に返事をしない楓に業を煮やした菊乃は抓み上げたそれを激しく揺さぶった。
「ううむ」
身体の芯を襲う痛みに悲鳴を上げた楓は涙に咽びながら、返事をしなければならなかった。
「は、恥ずかしい。悔しさと恥ずかしさで気が狂いそうにございます」
「そうかい、そうかい。ご愁傷さまだね。もっと恥ずかしい思いにさせてやるよ」
菊乃は楓の陰核の表皮を剥きあげるとその先端を指で弾いた。
神経の集中している女の急所を痛ぶられ、鼻を突く痛みを感じる楓ではあったが歯を食い縛って声を上げなかった。少しでも不平を言えば菊乃は何をしでかすか分らない。楓の思いはこの屈辱の時が一刻でも早く過ぎ去ることのみを願っていた。
幾度、その先端を弾いても楓が痛みを必死で堪えているのを目にして菊乃は満足そうに微笑んだ。
「だいぶ聞分けが良くなったようだね、じゃ、詫びの言葉を入れてもらおうか」
仙次が再び口を寄せると楓は小平太の膝の上に頭を載せられ、菊乃と視線を合わせて屈辱の誓いを立てなければならなかった。
楓の目には嫌でも自分のあからさまな下半身を思うがままに操る鬼のような菊乃の姿が目に入る、あまりの惨めさに気が遠くなりそうな楓は小平太に叱陀され、仙次が呟く言葉を喉を詰まらせながら復唱するのだった、
「き、菊乃様。先年は菊乃様の身体をおもちゃにするといった身の程知らずの真似を致しましたこと楓、生れたままの姿になり心からお詫び申し上げます。この後はいかようにされても決してお恨み致しません」
そこまで言って楓は口篭ってしまった。しかし、仙次に耳を引っ張られ、小平太に頭を揺さぶられると小さく口を開いた。
「か、楓、剥き身にされている……」
「聞こえないじゃないか、また私を怒らす気かい」
邪険にも陰核を弾かれた楓は勇気を奮い起こし、喘ぐように言い放つのであった。
「か、楓は剥き身にされているおさねに誓って、一生を掛けて償います」
菊乃の笑い声とともに、言い終えたとたん抑えが効かなくなった楓は号泣の声を上げ始める。それを耳にした菊乃は楓の身体から手を離すと満面の笑みを湛え立ち上がった。
「あはは、よく、言ったよ。その言葉を忘れるんじゃないよ。さて、今度は仙次さん達の手管を見せてもらおうか」
身も心も完全に屈服させられ、声も出ない楓を復讐の鬼と化した菊乃はまだ許そうとはしない。
仙次が楓の縄にくびられた乳房を間探り始めるとそれまで一息入れていた菊乃は楓の頭のほうに近付いた
「顔を良く見せてご覧よ」
やおら着物の裾をからげた菊乃は剥き出しにした太腿で楓の頭部を挟みつけた。やがて淫情に敗れる楓の表情の変化を逃げも隠れもできずに自分の眼下に晒させようとする菊乃の魂胆であった。
一時の興奮も納まりシクシク啜り上げる楓は小平太の指先を局部に感じると辛そうに眉を寄せた。
「うふふ、何て顔をしてるんだい。楽しい思いにして貰えるんだよ。もっと色気のある顔が出来ないのかい」
涙に汚れた頬を突かれ、端正な鼻筋を弾かれても楓には避けることもできない。
完全に菊乃の支配下に置かれた楓は余りにも無残な自分の定めを呪うだけであった。
新乃助
翌日も楓は責め続けられていた。前日、夕刻まで菊乃に責められ、夜は夜で小平太の肉の相手をさせられ、抜け殻のようになった楓はその日も朝から卵芸を披露して菊乃を喜ばせた後、休息を取らされていた。
縛り上げられた裸身を猿轡まで噛まし、床に仰臥させ、開股縛りにされた楓は土蔵の中に一人であった。
一人にされると楓は余燐寺に残してきた、子供たちや桔梗の事を思いやった。しかし、それより胸を突くのは非業の死を遂げた新乃助の事であった。
満座の中で笑われ、嘲られ死んでいった新乃助の悔しさを思うと楓の目尻からは涙が溢れるのであった。
「待たせちまってご免よ」
昼食を取っていた菊乃が笑いながら土蔵の中に入って来ると、楓は涙を見られる悔しさをから顔を背けた。
「おや、泣いてたのかい。何を思い出してたんだい」
楓の胸の辺りに座り込んで顔を覗き込んだ菊乃は楓の濡れている頬を突付くと楽しそうに笑うのであった。
「明日からは公家衆を集めて、お前さんの恥じ掻き芸や、間具合を見せる事にしたよ」
また、満座の中で恥を晒さねばならない衝撃に楓は慄いた。しかし、今の楓には反発を見せる気力さえ失われている。新たな涙が一筋頬を伝うだけであった。
「ご自慢の身体を見せつける事が出来て楓も嬉しいだろう」
縄に締め上げられた可憐な乳首を弾いて菊乃が毒づいても楓は悲しそうに目を閉じあわす事しかしなかった。
その時、土蔵が開いて小平太が顔を出した。
「お前さんの相手をしてくれる男役が登場したよ」
菊乃は立ち上がると小平太が手を引いて連れてきた男を招き寄せた。
楓はその男の顔を見て慄然とした。目隠しをされているその男は紛れも無く新乃助だったからだ。僧のように頭を丸め、目隠しをされている新乃助が楓の傍らに腰を下ろすと菊乃はその肩を突付いた。
「今日はお前さんを喜ばそうと思ってね。女を一人連れて来てやったよ。好きなようにお楽しみ」
菊乃は新乃助の手を取ると楓の身体に触れさせた。
楓は猿轡の中で哀泣の声を洩らし、薄く笑みを浮かべている菊乃を見上げた。
自分の身体を弄る手裁きは新乃助そのものだった。楓は懐かしささえ感じている。
「うっ」
楓の乳房に触れた新乃助は小さく声を洩らした。
「この女、縛られてるのかい」
「そうだよ。だから好きなように出来るんじゃないか。口も塞いであるよ」
新乃助は小刻みな震えを見せる楓の乳首を口に含むと右手をその女陰に伸ばした。
濡れ始めている楓の女壺に指を含ませた瞬間、新乃助はふと顔を上げた。
「姉上、姉上ではないのか」
「ふふふ。良く判ったね。小平太さん、口を自由にしてやんな」
「し、新乃助」
猿轡を解かれた楓が呼びかけると楓は泣き声を上げて呼び掛けた。新乃助が懐かしさに顔を近付けると二人は狂ったように口を吸いあい、名前を何度も呼ぶのだった。
心の動揺が収まった新乃助は楓から離れると未だに慟哭の止まらない楓に語り始めた。
「姉上、また捕まったのですか。今の新乃助は何も出来ませぬ。菊乃に命を助けられ、飼われている身なのです」
悔しそうに膝の上に両手を付いて下を向く新乃助に変わって菊乃が口を開いた。
「新乃助はね。秀吉様は四条河原に裸で晒され餓死させるおつもりだったんだよ。私は余りに不憫で秀吉様に命乞いをして貰い受けたのさ。目は潰されちまってるけど間具合はできるからね。私は新乃助には恨みは無いんだよ。それに肌を毎日合わせてたから情もあったしね」
菊乃はしみじみと言うのだった。
楓は哀れな新乃助を見つめているだけで何も言葉が出ない。涙がとめどなくその頬を濡らすのだけだった。
「明日からは楓を相手に息の合った肉の間具合を見せておくれ」
菊乃が新乃助に言うと新乃助は顔を上げた。
「判った。姉上が相手なら申し分ない。姉上も逃げようなどと思わずに菊乃の言う通りにしてばそのうち恨みも晴れようぞ」
楓は新乃助の口から思いもかけぬ言葉を聞いて驚愕した。菊乃の姦計によって捕らわれ、目を潰されるという辛酸を嘗めても新乃助は菊乃を命の恩人だと勘違いしている。
「お前さんも懐かしいだろうからこの場で一度絡んでごらんよ」
菊乃に促されると新乃助は立ち上がり、着物を脱いだ。その背中に夥しい蚯蚓腫れを目にして楓は息を呑んだ。
「この傷はお前さんたちの行方を吐かそうと秀吉様の家臣が拷問したもんなんだよ。北庄からどこへ行くかなんてことは新乃助が知る由もないよね」
新乃助は全裸になると足の縄を解かれた楓を抱き起こし、背後から縄に締め上げられた乳房を揉み上げる。
「さ、姉上」
新乃助は顔を楓の頬にピッタリと合わせると、後ろ手に縛り上げられた楓の掌に自分のいきり立った一物を握るように促した。
気乗りしない楓が申し訳程度に軽くそれ握ると新乃助は楓の首筋に舌を這わせ、下腹部に指を伸ばし始めた。
新乃助の荒々しい愛撫に楓が喘ぎ声を上げ始めると新乃助は楓の双臀を持ち上げて自分の腹の上に乗せ上げ、そこから楓の中心を狙い始めた。
「それは今、練習させている形のなのさ。中々うまく行かないんだよ」
菊乃は含み笑いをしながら必死に繋がろうとする二人を見ている。小平太の手助けにより一物が楓の胎内に侵入すると新乃助は楓の身体を抱いたまま、後ろに倒れこんだ。
片手で乳房を、片手で陰核を嬲られる楓の情念は否が応でも加速される。のっぴきならぬ状態に追い込まれてゆきながら以前ボブにこの形で嫌と言うほど情念を極まされた事を楓は思い出していた。
「ふふふ、その形だとお客に良く見えて面白いよ」
菊乃は新乃助の一物を貪欲に食い締めている楓のその部分を覗き込むと楽しそうに笑うのであった。
屈辱の日々
楓の屈辱の日々は翌日から本格的なものになった。菊乃は秀吉のため、京に隠然たる支配権をもつ公家に取り入るために楓を利用したのだ。
饗宴と名付けられたその無残な遊びは夕刻から始まり、小平太と菊乃による二人がかりの楓責めから幕が開いた。
責められる美女のあまりに甘美な奥脳ぶりと甘えを許さぬふたりの徹底的な色責めを見せつけられ公家衆はまず度肝をぬかれる。
続いて第二幕は新乃助との肉の絡みを見せる。
最後は公家自身の手で楓を責めさせる。小平太と菊乃の指導で楓の肌に触れその反応を目のあたりにした公家はもうこの遊びの虜になってしまう。
この遊びは瞬く間に公家社会の男たちに広まり三日に一度の興行には最低5人の公家が参加するほどになっていた。
楓は生きる望みを失っていた。醜悪な姿を好色な男たちの目に晒し、菊乃の徹底した痛ぶりを受けても死んだようになって楓は耐えていた。しかし、陰鬼たちの手管に掛かると否応無しに身体は反応してしまう。そんな肉体を楓は恨めしく思っていた。
饗宴の場で顔を合わす新乃助も人が変わったような荒々しい扱いを楓に施し、楓にとって信じられぬ存在になっていた。
楓がこの屋敷に連れてこられて一と月が過ぎた。その日の朝の世話を小平太が遊びに行ってるため菊乃がすることを前夜、聞かされていた楓は生きた心地がしなかった。
楓は誰の制止もなく、思い切り自分を痛ぷれる機会を菊乃が逃すはずがないと懸念していたからだ。
「おはよう。夕ベはよく眠れたんだろ」
上機嫌な菊乃が朝の膳を運んできた。楓がぴったりと膝を合わせ、主人を待つ犬のように自分を出迎えたのを目にして菊乃は微笑んだ。
「ずいぶん素直になったようだね。今日は小平太がいないから顔を洗うのは後にしてもらうよ。さあ、お食べ」
楓がひっそりと朝食を摂り始めると菊乃はしばらく姿を消した。楓が箸を置いて振り返ると細引きを手にした菊乃が戸口に立っていた。
「裸におなり。ちょっと散歩に連れてってやるよ」
楓の恥辱
程なくして後ろ手に縛り上げられた全裸の楓が菊乃に連れていかれたのは井戸のある場所だった。
楓を太い幹の大木に後ろ向きに縛りつけると菊乃は井戸の水を汲み上げ手拭いを使って楓の全身を拭い始めた。
「毎日いい思いをさせてもらってるからね。たまにはお返ししなくちゃね」
楓はこの屋敷に捕らわれている姫がいつ、姿を現わすか気が気ではなく、菊乃に身体を拭われながら不安そうな表情をしている。
前向きに縛り直し楓の全身をくまなく綺麗に仕上げた菊乃はその美しい全裸像に改めて嘆息を漏らした。
「まったく公家連中が夢中になるはずだよ。女の私でも変な気持ちになるほど綺麗だもの。妬けちまうよ」
「菊乃様。早く土蔵に返してくださいまし。いつ姫様方が現われるかと思うと気が気ではありません」
楓がおどおどする表情で自分に哀願する姿に菊乃は優越感を感じ微笑んだ。いくら素晴らしい肉体の持ち主でも今は自分の奴隷同前である。こんな女に嫉妬した自分が却って馬鹿らしく感じられてくる。
「心配するんじゃないよ。この家には井戸が三つもあるんだよ。それに姫様がたは今朝早くから近くのお寺にお出掛けだよ。おや、随分黒くなったね。また、剃りあげてやらなくてはね」
菊乃が生え揃い始めた繊毛を手で撫ぜると楓は腰をブルっと震わせた。
「おや、お前さん。小便したいんだろう。構うことないからそこでおやり」
意地悪い目つきで菊乃にそれを指摘された楓は菊乃の痛ぶりが始まったことを悟って頬を蒼ざめさせる。
楓が辛く思うことは菊乃にとってこの上ない快感である。腰をもじつかせ進退極まった楓をここぞとばかり責め立てる。
「身体を綺麗にしてやったんだ。それくらい見せたっていいはずだよ」
「嫌、嫌にございます」
楓が首を左右に振って拒否の姿勢を見せると菊乃の表情が一変した。阿修羅のような顔付きになった菊乃は楓の頬を平手打ちにして毒づいた。
「甘ったれるんじゃないよ。私に盾つく気かい」
菊乃に鷲掴みにされた頬を乱暴に揺さぶられ、楓は悲鳴を上げた。
「そ、そうでありません。こんなもの御覧になるものではありません」
「生意気言うんじゃないよ。私が見たいからやればいいのさ」
また、平手打ちを張られた楓の頬が見る見る赤く染まって行く。遂に要求を諦めた楓は悔しさに涙を流し始めた。
「ご、御覧に入れますから。縄を解いてくださいまし」
「そのまま、立ちいばりをして御覧。女の立ち小便を一度見てみたかったのさ」
菊乃に言われた楓は一瞬血の気も凍るほどの寒気を覚えた。しかし、今の楓には言い返す気力も失せていた。それよりこの女の望む醜悪な姿を露呈し、一刻も早く土蔵に戻りたい楓であった。
「まだやっちゃだめだよ」
覚悟を決めたと見て取った菊乃は楓にぴったり寄り添うとそのつつましく秘められている襞を両手を使ってくつろげた、
「さあ、これで思い切り遠くへ飛ぶはずだよ。始めてごらん」
菊乃に縄で締め上げられている乳房を嘗められた楓は抗する手だてを失い、諦めと憎しみの入り混じった思いのなかで堪えに堪えていた緊張を解いた。
激しく土を叩く水音に菊乃の嘲るような笑い声が響き渡った。
「あはは、とうとう始めたね。遠慮することないよ。気が済むまでおやり」
有無を言わせぬ姿勢で強制された恥辱図に楓は頬を震わせ、啜り泣いている。しかし、そんな泣き声も菊乃にとっては心地よい雅楽のように聞こえるのだろうその毒舌は一層、激しさを増してきた。
「嫌だ、嫌だといいながら随分溜っていたんだね、呆れちまうよ」
やがて水音は静まり、楓の舌を噛み切りたいほどの恥ずかしい時間は終りを告げた。
「もう、いいのかい。さっぱりしただろう」
菊乃の呼び掛けに力無くうなずいた楓は途方もない疲労感を感じていた。このまま菊乃に責められ続けたらと絶望にも似た思いが胸のなかで渦巻いている。
「ようし、これで綺麗になったよ」
菊乃に念入りに後始末をされた楓はようやっと木の幹から解き放たれた、しかし、眩暈に襲われた楓はがっくりとその場に膝を付いてしまう。
「なんだだらしがないね。こんなことくらいで、すぐ土蔵に連れて行ってやるから」
菊乃は笑い声を上げると井戸のそばで楓を拭った手拭いを洗い始めるのだった。