菊乃登場

1582年5月、織田信長の悲願、天下統一は目前に迫っていた。上杉謙信は前年病死し、この年の4月、武田勝頼を家康と力を併せて滅ぼした信長の前に敵対する勢力は中国道で秀吉が攻めている毛利勢ただ一つになっていた。

楓はボブの子供を前年の秋に出産していた。子供ができて以来、信長はすっかり楓への関心を失ったかのように辱める舞台にも引き出さず、ボブと柳庵斉も放逐し、信長が名付けた珍呑丸という男の子とともにひっそりと楓屋敷で安寧の日々を送らせていた。
そんな折、戦勝祝にかこつけて家康が初めて安土を訪れた。信長は宴席の余興にと茜屋敷に捕らわれている新乃助と菊乃を安土に呼び寄せることになり、捕らわれの姉弟は一年半ぶりに顔を会わすことになった。
座敷牢の中で珍呑丸に乳を与えていた楓は人の足音に緊張し、襟元をかき合わせると珍呑丸を抱きかかえたまま膝を正すのだった。

「楓、元気そうじゃな。その子が珍呑丸か、やはり色が黒いとこをみるとボブの子供に違いあるまい」
国吉に遠慮もなく叩付けられた楓は悲しそうに頬を歪め、泣き始めた珍呑丸を強く抱き締めた。
「今日は新乃助を連れてきた。積もる話もあろうかと思う。語り明かすがよい」
「新乃助」
転がり込むように牢の中に入ってきた新乃助を見て楓は思わず悲痛な叫びを上げた。
尾張に行って一年半にわたり、羞恥地獄の中であえいでいた新乃助は見る影もないほどにやつれはて、兵頭の美少年といわれた頃の面影は見る影もなかった。

「あ、姉上」
言葉もなく翻弄された姉弟が手を取りあって涙を流していると不意に冷たい女の声が背後から湧上った。
「おまえさんが新乃助の姉か、噂通りの美人だね。私は尾張で新乃助の相手を務めている菊乃だよ」
菊乃は二十六歳の脂の乗り切った年増女で三河一体で徒党を組み荒し廻った盗賊の首魁の女房であった。家康に捕らわれ命乞いをした菊乃はその仇っぽい美貌ゆえ、信忠に引き渡され、茜屋敷に新乃助とともに国吉の指導の受け、恥じを晒し合ってきたのだった。

菊乃は無遠慮にふたりのそばに坐り込むとやにわに珍呑丸を抱き上げた。
「さすがに黒子の子だね。色が黒いや」
菊乃の扱いに危険なものを感じた楓は珍呑丸を慌てて奪い返した。
元来、勝気な菊乃は楓に無視されたと思い口を尖らせた。
「なんだよ。私が気に入らないのかい。それとも新乃助の女房だからかい」
「違います。珍呑丸に何かされそうな気がしましたので」
「何だって、こんな赤ん坊に何をするっていうのさ」
言いがかりを付けられたと思った菊乃は眉を吊り上げ鬼のような形相で楓を睨みつけた。

「菊乃、姉上は子供を産んで日が浅い、些細なことでも気になるのだ。許してやってくれ」
「新乃助、何様のつもりだい。久し振りに姉さんの肌が恋しくなったんじゃないのかい、お前さんたち契りあってたそうじゃないか」
「やめんか、菊乃」
嘲笑う菊乃を嗜めるかのように新乃助が大声を張り上げても菊乃は笑うのを止めなかった。それどころか毒舌は際限なく続いた。
「この子も不憫だよ。畜生腹から生れるなんて」
そこまで言われると楓もとうとう腹に据えかね、刺のある声を出した。

「菊乃さん。新乃助と契りながら子供も持てないなんてあんたも女じゃないよ」
姐御肌だけに菊乃は自負は人一倍強い。一年半もの間、新乃助の契りながら子供を持てないことを指摘された菊乃の憎悪の炎は一気に燃え盛った。
「こんな生意気な女はこうしてやる」
菊乃はいきなり楓の頬を叩くと髪を掴み、力任せに引きずり回し始めた。悲鳴を上げながら我が子を必死にかぱう楓を見て、新乃助と国吉が中に入ってふたりを分けた、
「あの女を責めさせておくれ、私の気が済まないよ」
国吉に引き立てられながらそんなことを口走る菊乃を見て、楓は新乃助に抱き締められながら粟肌の立つほどの恐怖の覚えていた。

対決の宴席

翌日、楓屋敷の広間に信長と家康は腰を降ろし、楽しげに語り合っている。
「信長殿がお羨ましい、楓のような美女を思うがままにすることなどこの家康には夢の夢にございます」
「家康殿は側室たちに遠慮しているからであろう」
「それはそうでございます。私なぞ茜屋敷にお忍で出掛ける程度にございます」
「あはは」
ふたりが声を上げて笑いあうと国吉とお文が厳しく後ろ手に縛り上げられた腰布一枚の新乃助と菊乃を従えて広間に入ってきた。
ふたりが目前に座るのを待ち兼ねたように信長は声を掛けた。

「新乃助、暫くぶりじゃ、姐さん女房の菊乃に可愛がられたと見えるな、ずいぶん貫禄が増したではないか」
うなだれたまま口を開かない新乃助に代わって菊乃が声を出した。
「信長様にお願いがございます」
「何だ、申してみよ」
「楓を私の手に弄ばせてくださいまし、あの生意気な女に吠え面を掻かせてみたいのです」
新乃助が嗜めようとするのをきつい視線で制止した菊乃は信長に思いのたけを訴えた。
「何、楓が憎いのか、何か遺恨でもあるのか」
「いえ、あたいと同じ恥じを晒す身でありながら赤子を抱き、母親面をして澄ましているのが勘に障ります」
「あはは、そうか。国吉、訳もなく菊乃に楓を弄ばせるのはどんなものであろうか」
菊乃の存外な申し出を受けた信長は思案顔で国吉に考えを求めた。

「御意、この場にて菊乃と楓を対決させてその結果、破れた方を相手が責め立てるというのはいかがでございましよう」
「うむ、で勝負は何がよいか」
「相首を使って楽しませ、先に気をやったほうが負けとはいうのは如何でしょう」
「よし菊乃、この条件で良ければお主の望みを聞いてやるぞ」
「あの女を辱めることが出来るなら何でも致します」
「楓に辱められるかもしれぬのだぞ、よいな」
菊乃がこっくりとうなずくと信長は国吉に楓を連れてくるように命じた。ここに女同志の激しい戦いの舞台が用意されたのだった。

楓は久々の宴席の場に引き出され、怪訝そうな顔をして信長の前に膝を折った。
「楓、久し振りだ。珍呑丸は元気か」
「はい。お陰様で元気でございます」
「それは良かった。さて、ここにいる菊乃が是非とも楓を弄びたいと申しておる、何でも楓の顔を見ると腹が立つのだそうだ」
楓は信長の言葉に衝撃を受けると隣で歯を噛み鳴らしている菊乃の方に向き直った。
「菊乃殿。この楓のどこがお気に召さぬのですか。おっしゃって下さいまし」
「何もかもだよ。お前さんが泣き喚く姿を見て笑ってやりたいのさ」
裸の姿を見られる悔しさに涙を振り絞るように言い放った菊乃を見て楓は返す言葉を失った。それほど菊乃の怒りは凄まじかった。

菊乃の激しい怒りを目のあたりにした信長は妖しい笑みを浮かべて口を開いた、
「楓をこのまま弄ばせるのは気が進まぬゆえ、この場で女同志の契りを演じて見よ。その結果、先に気がいったほうが負けとし、その身体を弄ぱせることにする。楓も承知してくれるな」
悲しい定めを恨むかのように信長を見つめた楓は諦めたようにうなずくのであった。

女の対決

肉の道場に場所を移し、全裸にされた楓は後ろ手に縛り上げられ天井に通っている梁に支えられて菊乃と向い合わされた。
「そこで乳をこすりつけあったり口を吸いあったりして身体を溶かせ。十分に潤んだら相首を取り付けて楽しませてやる」
国吉に言われた楓だったがとても自分からはそんな気持ちになれない。しかし、楓を辱めたいがために菊乃は積極的に振る舞い始めた。
いきなり舌を絡めてきた菊乃に愕然とした楓だったが、舌を吸われ、乳頭が擦れあい膝を割られるうちに楓の全身は靄が掛かったように色付き始め小百合に似た香りが漂い始めた。
「その位でよい、菊乃、相首を取り付けてやろう」
菊乃の汗ばんだ肩に手を掛け向きを変えさせた国吉はその下半身の前に坐り込んだ。

「うーむ」
相首を身体に含まされた菊乃は歯を噛み締め押し寄せてきた熱い感覚を必死に耐え切ろうとしている。
続いて国吉は菊乃の身体から突き出ている矛先を楓に挿入させた。
「これでよしじゃ、後はふたりで腰を振り合い、勝負を付けろ」
国吉に肩を叩かれた菊乃は火照った頬を楓に押し当てるとその耳に熱い息を吐きかけながら呟くのであった。
「負けないよ。負けるもんか」
激しく腰を突き出してきた菊乃の矛先を身体の奥底に届かせてしまった楓は思わず首をのけぞらせた。遮二無二腰を突き上げてくる菊乃の攻撃を受け、楓は受け身一方になってしまう。それでなくても菊乃より身長が高い楓は反撃に出ようにも出にくい立場にあった。快楽源を突き破られそうになった楓は唇を噛み締め必死に耐えようとする。しかし、腰を揺り動かし一方的に責め立てる菊乃にも激しい快楽の波は押し寄せてくる。

甘美な啜り泣きを洩らしながら身を焦がすような激しい闘いを続けている女ふたりを肴にして信長と家康は酒を汲み交している。
「これは楽しみな余興が増えましたな」
家康は目の前で繰り広げられている肉弾相打つ、女同士の壮絶な戦いに目を瞠っている。
「家康殿、菊乃は変わったかな」
「いえ、あの激しい気性は昔のまま。盗賊の姐御として君臨していた頃と何等変わりはありませぬ」
「そうか、国吉に肉の修行を受けてすっかり骨抜きにされたと思っておったら、楓の姿を見て昔の菊乃に戻ったようじゃな」
楽しげに談笑する男たちとは裏腹に楓と菊乃の女の闘いは大詰めを迎えようとしていた。

「く、くく」
みずからが仕掛けた攻撃に思わず頂点を究めそうになった菊乃は慌てて身動きを止めた。しかし、それまで菊乃の猛攻を受けてたじたじになっていた楓がボブをも有頂天にさせた襞の力を発揮して攻勢に移りだした。
「やめろ、やめんか」
腰を引いて楓の攻撃を躱そうとした菊乃だったが楓は腰を落し下から突き上げるように菊乃を一気に攻め落とすべくその張りのある双臀を震わして留めを刺そうとする。
「く、悔しい」
遂に、つんざくような悲鳴を上げて菊乃は頂点を究めた、激しくしゃ繰り上げ始めた菊乃を目にして信長は扇を大きく打ち鳴らした。
「この勝負、楓の勝ちじゃ、菊乃を好きなように弄べ」

無念の律動

程なく、泣きじゃくる菊乃は国吉とお文に梁から外されると修業台の上に人の字形に固定された。着物を付けることを許された楓は戸惑いの表情を見せながら信長を見上げるのであった。
「信長様、楓は菊乃殿なぞ弄びたいとは思いませぬ。御容赦くださいませ」
「立場が違えば菊乃がお主を好きなようにしておったのにこれは異なことを申す。しかし、それはならん。あくまで拒否するなら楓が修業台に載るがそれでもよいのか」
信長は菊乃の楓に対する遺恨をより一層、増幅するために楓の申し出を跳ね付けた。
「わかりました。おっしゃる通りに致します」
仕方なく楓はあからさまに晒している菊乃の羞恥の前に膝を折った。

「情けなんか無用だよ。この恨みはいつか晴らしてやる」
涙に潤んだ瞳で楓を睨みつけた菊乃は精一杯の強がりを言った。しかし、菊乃の胸に渦巻くのは敗者の惨めさだった。
「儂が合図をしたらこの張り形を激しく使ってやれ」
楓に張り形を手渡した国吉は涙に咽ぶ菊乃の形のよい乳房に手を掛けた。
腹立ち紛れに楓を弄ぼうとした菊乃は女の闘いに破れ、逆に楓に屈辱を味合わされる身となり、菊乃の心に楓に対する敵愾心はどす黒く巣食い始めていた。
「楓、始めよ」
菊乃の肉体が再び溶け始めたことを確認した国吉にせかされた楓は張り形を持ち直し菊乃の女の源泉に迫った。

楓の持つ張り形が胎内に沈められてくるとそれまで情感に煽られていた菊乃は耐え切れなくなったように恨みの声を振り絞った。
「覚えておいでよ。いつかこの恨みを」
言葉が続かず悔し泣きを始めた菊乃とは裏腹に張り形を操る楓は不思議な歓びに酔いしれていた。今まで嫌というほど味合わされていた屈辱も、逆の立場になれば身体の芯かち突き上げてくるような思いが楓を見舞っていた。
楓は無残な心をけしかけて菊乃の源泉をくつろげると悲しい震えを見せる菊乃の陰核を抓み上げた。
「あっ」
悔しそうに眉を寄せた菊乃は一瞬、楓を睨みつけた。しかし、楓の指先がそれをしごくように揉み上げると菊乃は堪えきれなくなったようにむせ返る悲鳴を放った。

妖しい喜びに目覚め始めた楓の操作する張り形に官能の芯を掻き立てられる菊乃は涙に潤んだ瞳で信長を振り仰いだ。
「の、信長様、お願いでございます。は、早くあだ討ちの機会をお与え下さい」
「では明日の、城での宴席で今一度、合見えるか?」
「お、お願い致します」
身体をくねらせ、甘美な啜り泣きを洩らし始めた菊乃を眺めながら信長は盃を干した。
再び菊乃が破れるもよし、恨み骨髄の菊乃が楓を責め立てるのもよし、信長は心は暗い喜びに満ち溢れていた。

怒涛の宴席

翌日、安土城の大広間で徳川の家臣と信長の主だった家臣を集めた宴席が開かれた。料理に舌鼓を打ち、信長も家康も上機嫌であった。楓は二人の間に座らされ、股縄を噛まされた身体に浴衣一枚と言う姿で緊張した面持ちを見せその宴に参加していた。
国吉に先導された新乃助と菊乃が大広間に入って来ると饗応役の光秀の顔が一変した。さらに宴席の中央に布団が運び込まれるに及んで光秀は信長の前に平伏した。

「お屋方様。何を始めるおつもりですか」
「あの二人の睦見合いを余興とする」
怖い顔をして自分を見つめる光秀に信長はこともなげに言い放った。
「お恐れながら、そのような儀、家康様に失礼かと思います。饗応役の光秀、承服いたしかねます」
「徳川殿もお望みの事だ。気にするな」
「されど多くの家臣も控えております。このような下品なものはこの場にふさわしくありませぬ」
「お主が見たくないのならば席を外して良い」
「この光秀、徳川様の饗応役。それは出来ませぬ。何卒、お控えくだされ」

最初は光秀の言葉を聞き流していた信長であったがくどい光秀に腹が立ってきた。信長は酒の入った盃を光秀に投げつけると声を荒げた。
「ならば、饗応役をこの場にて解任する。下屋敷にて沙汰を待て」
大声を張り上げた信長に宴席は一気に緊張する。盃で額を割られ、血を流している光秀は屈辱に身体を痙攣させている。
信長の怒りがあまりにも早かったため家康も取り成しようがない。
「山沖」
動こうとしない光秀に業を煮やした信長は山沖を呼び寄せた。
「光秀を下屋敷まで送り届けてやれ、そちを今から饗応役に任ず」

山沖に腕を取られ光秀が退出すると信長は手を叩いた。
「皆のもの、驚かせて済まなかった。余興を楽しんでくれ」
静まり返っていた大広間は信長の一言で救われたように賑やかさを取り戻す。
国吉に促された新乃助と菊乃が着物を脱いで布団に載って信長と家康の方を向いて膝を折った。
「家康様。ようこそ安土にいらっしゃいました。本日は、夫、新乃助との仲の良い交わりをお見せ致します」
菊乃は悔しそうな顔をして口上を述べた。その悔しさは楓が目の前に居るからに他ならない。深々と二人は一礼すると新乃助が布団に横たわった。
菊乃は姐御肌のためか羞恥心はさほど感じていない。しかし、新乃助は姉が見守っている故か頬を赤らめ目を閉ざしている。

「お前さん。元気が無いじゃないか。早くあたいを喜ばしておくれよ」
菊乃は妖艶な笑みを浮かべてだらしなく垂れさせている新乃助の一物に手を添えると優しくしごき始めた。
「今日は姉さんが見てるからって照れないでおくれよ」
菊乃は甘えるように新乃助の胸板に頬を押し付けると舌を差し出して乳首を嘗め始めた。堪らなくなったように新乃助は菊乃の腕を取り、抱き込むと狂おしく唇を合わせるのだ。

積極的に新乃助が振舞い始めたのを目にした楓は思わず顔を背けた。菊乃という年増女の手管に煽られる弟の姿が忍びなかったのだ。
「どうした、楓。弟の晴れ舞台だ。しっかり見よ」
信長に肩を掴まれた楓は悲しげな顔をして再び新乃助と菊乃の痴態に目を向けるのであった。

「あああっ」
新乃助に唇を塞がれたまま、秘所をまさぐられるとやるせないため息を吐き、菊乃は新乃助をより一層強く握り締る。菊乃は新乃助をきりきり舞いさせて楓を見返してやろうとこの日の宴席に上がっていたのだ。
上体を起こした菊乃は新乃助のそれが隆々とそびえ立っているのを目にして薄笑いを浮かべる。
「頼もしくなったね。一度、このままご馳走しておくれ」
長い髪を掻き揚げた菊乃は身体を身体を入れ替えるようにして、それを口に含んだ。新乃助の目の前に自ら寛げた羞恥の源泉を晒しながら菊乃は新乃助を追い立てて行く。

煽られた新乃助はおとがいを伸ばして菊乃の陰核を口に含んで強く吸い上げる。
宴席は水を打ったように静かになり、ぴったりと絡み合った新乃助と菊乃の姿を飽かずに見つめていた。
「あっ、あああ」
咥えていたものを離し、菊乃は全身を硬直させた。新乃助の舌と指捌きに菊乃が敗れたのだ。目を閉じそのままうっとりとした表情を浮かべ身動きをしなくなった菊乃。それでも新乃助の屹立は握り締めたままだ。

やがて、菊乃は上体を起こして新乃助に添い寝をするように頬を押し当てた。
「あんたの手管がうまいから、いっちまったじゃないか。今度はあんたが楽しませておくれ」
仇っぽい笑窪まで見せて菊乃に促された新乃助は起き上がると投げ出された菊乃のむっちりと脂が乗り切った太腿を両手に抱えた。
遂に新乃助に刺し貫かれた菊乃は大袈裟な喘ぎ声を上げ、身体を悶えさせる。
「いいよ。あんた。もっと強く押して。あっ」
新乃助の放つ荒い息遣い、菊乃の甘い声それに肉を叩く淫らな音が響き合う宴席の余興は佳境を迎えようとしていた。

やがて、菊乃の甘え身悶えに煽られ、激しく腰を動かした新乃助は緊張を解き放った。覆い被さってきた新乃助に口を吸われると菊乃も上半身を弓反りにして頂点を極めた。
ブルブルと痙攣させる菊乃の太腿がゆっくりと閉じ合わされると新乃助はようやっとその胎内に含まれていた一物を引き抜いた。
男達はほっとしたように息を付き凄まじいばかりの絡み合いを見せた二人に喝采を浴びせるのだった。

女対男

「どうした。楓。驚いたのか」
信長は凄まじい絡み合い見て呆然としている楓に声を掛けた。楓は新乃助を甘く引き込み激しい身悶えを見せた菊乃に嫉妬のようなものを感じていた。姉と弟の関係を超えていた新乃助が菊乃に対してぴったりと息の合った懊悩振りを見せるなどとは楓は信じられぬ思いだったのだ。
「国吉」
不意に国吉を呼び寄せた信長は何やら耳打ちをした。そして、楓を立ち上がらせた。
「久しぶりに新乃助と絡んでみよ」
「えっ」
楓は突然の申し出に驚いて頬を蒼ざめさせた。
「以前は二人で息の合った間具合を見せていたではないか何も恐れる事はない」
信長に抗弁するのは無駄だという事は承知している楓はうな垂れて着物を脱ぐと国吉がその優美な裸体を後ろ手に縛り上げられた。
「さあ」
国吉に背を押された楓は未だに息弾ませている二人が肩を寄せ合っている布団に向かって股縄を挟んだ身体をよろよろと歩ませてゆくのであった。

「おい、起きろ」
国吉に言われた菊乃は全裸の楓が引き立てられてきたのに気が付いて表情が一変した。
「今度は楓と新乃助を絡ませる」
菊乃は髪を揺すって立ち上がると意地悪い目付きになって楓を見つめた。
「そうかい、今度は仲の良い姉弟ぶりを見せようというわけだね。私も手伝ってやるよ」
楓の前に座るとその股に挟み込んでいる縄を国吉が解いているのを手伝って外してやる。
「おまえさんも嫌いじゃないんだね。こんなにしちゃってさ」
じっとりし湿った縄を楓の鼻先にそれを突きつけてせせら笑うと
「お前さんのお道具を見せてご覧」
と、いたずらっぽく笑って、楓の漆黒の叢に手を伸ばした。
「な、何をなさいます」

楓が縛られているのでいい気になって弄ぼうとした菊乃は楓にピシャリと拒否され、睨まれた事に腹を立て、楓の頬を平手で叩いた。
「生意気な口をきくんじゃないよ。人が親切にしてやってんだろう」
さらに楓の身体を突き飛ばそうとするのを国吉が身を挺して防いだ。
「お前の出番じゃない。隅にいっておとなしくしていろ」
国吉に諭された菊乃はふてくされたような顔をすると着物を引っ掛け、末席に座り込み自棄酒を呷り始めるのであった。

楓は布団の上に座らされると待ちかねた新乃助に抱き取られた。
「あ、姉上」
頬を摺り寄せる新乃助に応じて楓が唇を差し出すと新乃助は引き寄せられるように口を合わし舌を差し入れるのであった。
乳首を優しく揉み解され、自らの官能が昂ぶり始めた楓はむずかるように口を離すと国吉を振り仰いだ。
「縄を解いてくださいまし。新乃助を抱きしめてやりたいのです」
信長が許可し、国吉が縄を解くと楓は新乃助と向き合い固くその背を抱き締め狂おしく口を吸いあうのだった。
新乃助の一物が力を漲らせたのを感じた楓は自らそれを導き、新乃助の腰に跨るとその白い双臀を揺り動かし始める。
火照った頬を擦り合わせ、新乃助の腰を回した両足で強く挟みつけ、両腕を背中で組んだ楓は徐々に官能を高めてゆく。
新乃助に強く舌を吸い上げられた事に呼応して楓は頂点を極めてしまった。口を真一文字に結び、新乃助を挟みつけている太腿を痙攣させ、官能を噛み締めている楓は眉を寄せて一瞬息を止めている。そして、自分と暮らしていた頃とは比べ物にならない持続力を発揮している新乃助に舌を巻く思いになっていた。

「ま、待って」
新乃助の動きを止めさせた楓は息を整えると新乃助を仰臥させ、新たな助走を開始した。自ら乳房を揉み上げ、腰をうねらせ、荒い息を吐きながら新乃助を追い落とそうと楓は一途に燃え上がってゆく。
髪を振り乱し、甘い声を出す白い生物の身悶えに男たちは目を瞠り、声もなく見守るだけであった。
目の前で揺れ動く楓の白い双臀を憎々しげな目で菊乃は見つめていた。
「畜生」
新乃助がやがて敗れるであろうその懊悩する楓の姿に途方も無い憎悪を感じた菊乃はまたもや酒を呷った。

急調子に上下に動かしていた楓の双臀が大きく弧を描き、甘美な襞が貪欲に絡みつくのを感じた新乃助は一声、呻き、遂に緊張を解放した。同時に頂点を迎えた楓が倒れこんでくると新乃助はその裸身をがっちりと抱き締め、感動で泣き出した楓の涙を舌で吸い取ってやるのであった。
「姉さん、素晴らしかったよ」
新乃助に囁かれた楓はこの無残な運命に翻弄される弟がいとおしくなりまた再び口を吸いあった。
「起きな」
新乃助の楔を胎内に埋め込んだままぴったりと口を合わせ、陶酔の余韻に浸っていた楓の肩を国吉が叩いた。
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