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Essay 「 うちの居心地の良さの ヒ・ケ・ツ 」


 

    (↑「居心地の良さ」とは無関係の小物たち…)

私の留守中に、高三の長男の友達が遊びに来た。

聞くところによると、彼はリビングで


「このウチは、俺が知る家のなかで一二を争うほど

居心地が良い」

と言ったらしい。


一二を争うと言えば大抵二番目であり

五本の指に入ると言えば四〜五番目と相場は決まっている。

要するに、一番ではない、というのが残念ではあるが、

彼がこれまで見てきた(きっと)膨大な数の家の中でのナンバー2、

と考えれば、悪くない数字だ。

「あら〜 なんてセンスのある良い子なの!?

うちのインテリア、見る人が見ればやっぱ

分かるのよね〜♪」

などと言いながら私は改めて部屋を見回してみた。


「居心地が良い」、の前に、「適度に散らかっていて」

あるいは 「生活感があって」 といった
文言が省略されているのは

間違いないように思われた。

(物事を客観的に見る、という私の能力は、時に私の首をしめてくれる。)

それでも、珍しく褒められてテンションが上がっていたため、私は長男に聞いた。

「ねえねえ〜、うちの、どんなとこが良かったんだろ〜

アジアっぽい布(←カオスの部分を隠すため) がイイね!とか

飾ってある写真がステキ!とかさ〜

具体的に何か言ってなかった??ねぇったらねぇ〜 (∩´∀`)∩  」



「…あ、そういえば

 『 怖そうな親父とかがいなくて 』

  って言ってたヨ! ('▽') 」




つまり彼の言う居心地の良さとは、

大人が不在、という事のようであった。


調子に乗って深追いするとロクなことはない、という典型例であった。

チーーーン (-_-#)



(2014/8/8)


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