杉森弘之の政策
3、安心できる環境と食の安全

@霞ヶ浦・牛久沼水系保存条例を制定
A遺伝子組換えと環境ホルモンのフリーゾーン化
B雑紙と生ゴミの減量大作戦
C空き地の適正管理と放棄地・里山の再生

トップページへ
@霞ヶ浦・牛久沼水系保存条例を制定


     里山と谷津田の保全
 牛久市は、霞ヶ浦と牛久沼という深刻な汚染に悩む二つの大きな湖沼の水源地として特別な位置を占めており、それらの水系を保全させることを、環境政策の重要な柱の一つにすえていく必要があります。そのためには、牛久の谷津田と里山の保全を進めていく必要があります。
 飯島博さん(牛久の自然を守る会)は、「谷津田は流域のそれぞれの源流部に位置し、その周囲に水源である森林をもった水供アサザ基金が昨年6月28日、牛久小学校にビオトープを建設給の基本単位である。谷津田はまた長い農耕の歴史をもつ一帯である。それは、谷津田が、台地と低地の組み合わせにより地形の変化に富み、安定した水供給と同時に水田、畑地、山林がまとめて立地できる条件を備えているためである。大地を樹脂状に刻む谷津田は水系をより複雑にし、生物の移動分散に必要なネットワークをつくる。谷津田は集落形成の場であり、同時に地域生態系をつくる基本単位である。」と指摘しています。
      アサザ基金が総会
 霞ヶ浦と北浦の再生と持続可能な社会のために活動する、NPOアサザ基金の総会が2010年4月29日に開催され、杉森議員も監事として参加し、当日は議長を務めました。
 飯島博代表理事が活動報告、活動計画案を提案。09年度には、湖の再生事業と学校ビオトープネットワーク事業で、アサザ、ヨシ、マコモなどの植え付けを3地区で29回実施し、1,298人が参加。流域内ビオトープは114ヶ所。環境教育事業では、211回の授業を行い、13,218名の児童生徒が参加。この中には牛久市内の12小中校での62回、6,115人をはじめ、秋田県の環八郎潟への出前授業、原宿表参道・森の恵み・森の風プロジェクト、北九州市、金沢など全国を網羅した運動に発展しています。さらに、牛久市バイオマスタウン構想、廃食油バイオディーゼル燃料化事業にも協力。国交省が事業撤退する中で、アサザ基金は企業の助成事業、協働事業も積極的に取り組んでいます。
     逆水門の柔軟運用を求める意見書
 2010年の3月議会では、杉森議員も協力して、「霞ヶ浦導水事業の代替案として、常陸川水門(逆水門)の柔軟運用による水質浄化の実施を求める意見書(案)」が提案されましたが、本会議で採決の結果、賛成8、反対13で否決されました。
<税金のムダ遣いの象徴>
 茨城県内の公共事業の中でも霞ヶ浦導水事業は、すでに事業費総額の約8割の1,500億円もの税金を使いながら、トンネル工事は3分の1程度しか進んでおらず、しかも、工事が完成してもほとんど何の役にも立たないばかりか、工事進行でさらに巨額の税金を投入しなければならないという代物です。
<柔軟運用の有効性>
 常陸川水門(逆水門)の柔軟運用は、第1にコストがかからないだけでなく、霞ヶ浦の水質浄化にはるかに効果的であり、霞ヶ浦の漁業を復活させ、さらには観光を振興するなど、幅広い効果が期待できます。
<冬期水位上昇の中止へ>
 冬期における人為的な水位上昇により、アサザをはじめ霞ヶ浦の植生帯は壊滅的な状態になっています。逆水門の柔軟運用と併せて、冬期の水位上昇を一刻も早く中止させ、自然な状態に戻し、植生帯を回復させなければなりません。
 霞ヶ浦の水を利用する自治体の1つとして、牛久市から「霞ヶ浦導水事業の代替案としトップページへて、常陸川水門(逆水門)の柔軟運用による水質浄化の実施を求める意見書」をあげることは重要であり、それが否決されたことは大変残念です。杉森議員は今後もこの問題を継続して取り組みます。

A遺伝子組換えと環境ホルモンのフリーゾーン化


 食の安全を求めて、杉森議員は2010年6月市議会の一般質問で、以下の通り質問し、市執行部は以下の通り回答しました。
     農水省が遺伝子組換え推進パンフを学校に配布
 【杉森議員】報道によれば、農林水産省は今年2月、全国で初めて茨城県・栃木県・群馬県の国公私立の小学校(5・6学年)、中学校、高校の全生徒児童に『正しく知ろう!遺伝子組換え農作物』というパンフレットを配布しました。
     安全面を無視した内容
 小中高で合計64万枚。また教職員向けに『解説書』7万4千部を用意し、子供たちに配ったパンフレットの内容について、教職員から意見・感想も徴収するといわれています。パンフレットの作成及び配布に380万円もの税金が使われたそうです。
 なぜ、このようなムダで安全面を無視した一方的な資料が作成され、配布されたのか。そこには背景があります。
     教育機関でウソの宣伝?
 農林水産省は2008年1月『遺伝子組換え農作物等の研究開発の進め方に関する検討会最終取りまとめ』を発表し、”最短で5年後を目処に遺伝子組換え農作物の実用化を目指す”と宣言しました。
 しかし、「国民の多くが不安を抱いている実態がある」ことから、農林水産省は「コミュニケーション推進会議」を設置して、どのような宣伝工作をするかを策定し、メディア対策、教育機関対策、地方自治体対策、そして生産から消費までのフードチェーンにかかわる関係者に対する働きかけの方針などを、 2009年3月に『遺伝子組換え農産物等に関するコミュニケーションの進め方に対する提言とりまとめ』)として定め、パンフレットやリーフレット、ホームページ改編、全国での大規模・小規模のコミュニケーション開催をすすめてきました。つまり、それまでのPA(すなわちパブリック・アクセプタンス、つまり国民受容)から戦術転換して、「コミュニケーション(すなわち伝達・通信)」と言い替えて、その工作をすすめてきたのです。その一環が、今回のパンフレットの作成・配布であったのです。
     不安を抱くのは当然
 小中高のパンフレットは若干の違いはありますが、その内容はほぼ同じです。遺伝子組換え作物は安全だ、遺伝子組換え作物が食糧問題を解決する、遺伝子組換え作物はすでに広範囲に広がっている、などなど、まさに言いたい放題です。
 その安全性に関しても、「DNAは主にたんぱく質でできており、体内で消化されるから心配ない」など、遺伝子組換えとは関係ないまったくデタラメな宣伝をしています。
 国民の多くが遺伝子組換え作物に対し不安を抱くのは当たり前です。以前にも紹介しましたが、食の安全への脅威は、様々な国ですでに被害が現れ、多くの科学者の実験・研究をもとに多数の警告が発せられています。
 驚くべきことに、遺伝子組換え作物の普及を通じて、モンサント社の種子支配は、世界の種子の2割に及び、大豆では何と7割、トウモロコシも3割に及んでいます。
      食品表示制度も問題
 日本は遺伝子組換え作物の非栽培国ですが、世界最大の輸入国でもあります。その原因は分かりにくい日本の表示制度にあります。食用油・醤油など大半の食品が表示の対象外であり、しかも5%まで混入を認め、レストランでの表示もなく、資料の表示もありません。欧州では表示制度がしっかりしているため、消費者が買わない、そのため、遺伝子組換え食品が流通しません。牛久市議会でも、昨年の12月議会で遺伝子組換え食品を含む食品表示を抜本的に改正するための意見書が提出されましたが、残念ながら採択されませんでした。
 市民団体からの問い合わせに対し、農水省は「今回試行的に配布した3県の教職員の皆さんに対しアンケートを実施させて頂き、その結果を加味しながら、配布を行う予定です。
 利用に関しては、『今回送付させて頂いた児童・生徒向けリーフレットについて、今学期又は新学期に、小学校では各学級担任の皆様にご活用頂き、中学校、高等学校、中等教育学校の中学部、高等部では、理科の授業などでご活用頂ければ幸いです』との旨を、各学校に送付させて頂いており、利用を義務化するものではありません。」と答弁しています。
 そこでまずお尋ねしたいことは、各学校への配布状況についてです。いつごろ、どのようなルートで、各学校に配布されたのか。それが児童生徒の手元に渡っているのか。
 次に、各学校での学習への応用、教職員からの意見・感想の徴収状況について。
 また、教育委員会はこのパンフレットの内容を検討したのか、検討したとすればどのような判断を下したのか。
 最後に、市民からは回収の要望も出ていますが、今後の対処の仕方、取り扱いについて考え方をお聞きします。
      農水省と文科省の依頼
 【教育長】教育長「正しく知ろう!遺伝子組換え農作物」のパンフレットの各学校への配布状況についてお答えします。
 平成22年2月8日付で農林水産省農林水産技術会議事務局技術政策課技術安全室及び文部科学省初等中等教育局教育課程課より茨城県教育委員会に対し、県内各小中学校に本パンフレットを直接送付する旨の通知がありました。市教育委員会には県教育委員会より、4月13日付で市内各小中学校に国から直接パンフレットが送付されている旨の文書連絡がありました。
 市内各校では小学校高学年児童及び中学校全学年生徒を対象に農水省及び文科省の依頼に従いパンフレットを配布しています。
     遺伝子パンフ利用の学習なし
 次に各学校における授業での活用、教職員からの意見・感想の聴取状況についてお答えします。現在、市内全校ともパンフレットを用いた学習は行っておりません。また、各校の年間指導計画にも位置付けていないため実施する予定は現在のところありません。教職員の意見聴取ですが、意見・感想の返答は自由で、直接農水省へ郵送することになっているため、市での取り纏めは行っておりません。
 次にパンフレットの内容の検討と今後の取り扱いについてお答えします。市教育委員会といたしましては、国や県の動向を見守り、内容については研修してまいります。

B雑紙と生ゴミの減量大作戦

 ゴミの減量は緊急の課題です。現在、牛久市は生ゴミの減量運動を行っています。
ゴミの減量のために他方で、ゴミの中で大きな割合を占める雑ゴミの減量が欠かせません。トップページへ
     静岡県牧之原市を視察研修
 杉森議員は会派「市民クラブ」の視察研修で7月14〜15日、静岡県牧之原市を訪問し、牧之原市の「雑紙減量大作戦」について、市民生活部環境室の説明を受けました。
 牧之原市は合併の経緯から、ごみ処理が相良地区と榛原地区がそれぞれ別の広域組合で実施されるという特異な状況にあります。2006年当時のごみ処理費は約10億円、ごみ処理の内訳は可燃物が約8割で、その約5割が紙類でした。特に紙ごみで多く出されるのが、包装紙や空き箱などの「ざつがみ」で、これを減らすために、雑紙をリサイクルする「雑紙減量大作戦」が開始されました。
      出前環境教室も
 牧之原市は各学校、保育園、地区に出向いて“出前環境教室”を開催し、メモ用紙、包装用紙、封筒、ハガキ、ダイレクトメール、菓子箱などのパッケージ類なども、セロハンははがして、紙製の手つき袋に入れて出すように指導しました。雑紙1s当たり3円の奨励金を出し、取り組み団体は42団体までになりました。
リサイクル率30%に
 取り組みの成果として、昨年度の市のリサイクル率は30%に向上し、一人当たりのごみ処理費が2800円も節約されました。
     市民の環境意識高揚
 牧之原市はさらに、家庭から出される可燃ごみが減少し、回収活動に参加することにより、参加者のコミュニケーションが進んだ、実施している菅山地区では“ゴミュニケーション”という造語が生まれた、市民の環境意識の高揚が図れた、とのことです

C空き地の適正管理と放棄地・里山の再生

 杉森議員は2010年の3月議会で、以下の通り一般質問し、市は以下の通り回答しました。
 【杉森議員】「牛久市あき地に繁茂した雑草等の除去に関する条例」によれば、「危険状態」とは、「雑草等が繁茂し、それが放置されていることにより、次のいずれかに該当すると認められる状態をいう」とされています。具体的には、
 「ア 火災又は犯罪等が発生するおそれがあるとき。
  イ 人の健康を害し、又は害するおそれがあるとき。
  ウ 廃棄物の投棄を招くおそれがあるとき。
  エ その他著しく公益に反するとき。」であります。
 そして、「あき地所有者等は、当該あき地が危険状態にならないように努めなければならない」とされ、また、「あき地所有者等」とは、「あき地の所有者又は管理者をいう」とされています。
   代執行も可能
 このように、条例上では明確に空き地所有者等の責任が規定され、さらに空き地所有者等が責任を果たさない場合は、市は助言に始まり、指導及び勧告、雑草等除去命令書、雑草等除去命令不履行戒告書、そして代執行と代執行費用の徴収ができるとなっています。
 私は空き地の雑草管理についてこれまで2度ほど質問しています。そして、市民からも幾度となく、市役所に空き地の雑草除去についてお願いに行っているが何年経っても埒が開かないとの苦情を聞いております。石川県の能美市(のみし)では、3万円を上限とする罰金規定を設けているとも聞きますが、空き地の雑草放置に対する市民の不満と心配は大変大きいものがあります。
    罰金規定のある市も
 そこでまず、市民から昨年どれくらいの数で市に空き地の雑草除去に関する苦情・要求が寄せられているのか、そして、その内、何割くらいが解決しているのか、実状をお聞かせいただきたい。
 さらに、空き地の雑草除去が思うように進まないというのは、所有者等の責任はもちろんですが、市の側にも何らかの落ち度がないのか、考えるわけです。そこで、昨年度、空き地の雑草放置に対して市が発した助言、指導及び勧告、雑草等除去命令書、雑草等除去命令不履行戒告書の状況についてうかがいます。そして、昨年度の代執行令書の発行及び執行の状況についても伺います。
   今後の展開
 それらを踏まえ、市長から一昨年9月にいただいた答弁、すなわち「苦情を受けた土地については、職員が現地を確認するとともに、その状況を写真等により詳細に土地所有者へ通知することで責任ある対応を求めているところです。しかしながら、不在地主等で連絡が取れない場合は改善されないことが多く、対応に苦慮しておりますが、消防署との連携を図りながら、今後も土地所有者に対しまして空き地の管理の徹底を指導してまいります。なお、条例においても規定しておりますが、市が仲介役となり、家庭菜園などに空き地を有効利用する施策等を進め、最終的には、行政による強制力を伴った措置を視野に入れながら、市民が安心して暮らせるよりよい生活環境の確保に努めてまいりたいと考えております。」との答弁から、どのような進展があったのか、そして、これからどのようにしようとしているのか、お聞かせいただきたい。
 【環境経済部長】空き地の雑草管理についてのご質問にお答えいたします。牛久市では「あき地に繁茂した雑草等の除去に関する条例」において、空き地に雑草等が繁茂し、それが放置されることがないよう、空き地の適正な管理を土地所有者の責務と定め、空き地の管理の徹底を促しているところであります。
 近隣の方から雑草等に関する苦情が寄せられた場合は、まず、市職員が現地確認を行い、その状況を写真撮影し、土地所有者へ雑草の除去など、空き地の適正な管理を実施するよう、写真を添付した文書で助言又は指導しております。
   苦情140件
 平成20年度の状況としましては、市へ雑草除去を委託している件数は794件ございました。空き地に関する市民からの苦情は140件、そのうち助言文書の発送が105件、通知後、91件が除草等により改善されております。なお、それでも改善されない空き地の土地所有者に指導文書の発送が14件あり、うち4件が改善されております。
 条例においては、助言又は指導を行い、それでも、従わないときは期限を定めて、勧告さらに措置を命ずることができることになっており、最終的には、行政代執行の規定が適用になりますが、これまで、牛久市では、期限を定めての勧告等は実施しておりません。消防署と連携して、双方より指導文書を通知することで、行政指導を行っているのが現状であります。
   緊急雇用創出事業で
 雑草等は、一度刈り取り等が実施されても、翌年には再び繁茂し、苦情が寄せられることから、対応してもきりがないのが現状であります。そこで、平成22年度では、緊急雇用創出の補助金を活用して、2名の臨時職員を雇用いたしまして、市街地の空き地の雑草繁茂状況の実態調査を実施いたします。その中で、データを収集するとともに、土地所有者に、自ら又は委託して雑草除去を実施するのか、働きかけを行い、市民ニーズの高い空き地の雑草対策に役立ててまいります。

トップページへ
燃料電池・自然エネルギーの促進


 石油などの化石エネルギーや原発による原子力エネルギーなどから脱して、人類は今、燃料電池による水素エネルギーの時代を迎えようとしています。
 原理は単純で、水を電気分解して酸素と水素にする反応の逆を行うわけです。水素と酸素を反応させることによって生まれるのは電気と水だけ。すでにホンダやトヨタを始め世界の自動車会社が燃料電池車の開発・販売にしのぎをけずっていますが、家庭用電力や携帯電話の電源まで、燃料電池に変わっていくだろうといわれています。
 そして、燃料電池を補完するためのエネルギーとして、風力・太陽光・バイオマスなどの自然エネルギーも期待されます。
 牛久市を省エネルギーと燃料電池や自然エネルギーの開発・普及促進地域として発展させるために、杉森議員は力を注ぎます。

原発は最大の環境破壊

 地球環境保護の世論の高まりの中で、政府や電力業界は「環境にやさしい原発」などと、デタラメな宣伝をしています。COを排出しないという事をその論拠にしていますが、ウラン濃縮などで大量のCO2を排出している事実を別として、放射能というCO2以上に危険な物質を排出している事実から目をそむけさせているのです。
 2010年5月に作家の広瀬隆氏が茨城県内3箇所で、「原発は地球も地域も救わない=茨城県に集められる放射性廃棄物と東海村に迫る大事故の危険性」と題して、以下のような講演をしました。
   東海原発の被害資産
 原発事故の恐ろしさは政府の文書に示されている。60年に科学技術庁の委託を受けて、日本原子力産業会議が科学技術庁原子力局に提出した極秘文書「大型原子炉の事故の理論的可能性及び公衆損害額に関する試論」では、わが国最初の東海発電所で事故が起こった場合、最高では農業制限地域が1千`以上に及び、損害額は当時の金額で1兆円以上に達しうるとされている。つまり、日本列島全体が住めなくなることを予測していたのだ。
   原発の老朽化
 1966年にわが国最初の商業用原子炉・東海発電所が運転を開始し98年に廃炉となったが、78年に東海第二発電所が運転を開始し30年以上を経過して老朽化原発の代表になり、炉心シュラウドに重大な欠陥(大量のひび割れ)を抱えながら、現在も平然と運転を続けている。
   地震大国・日本
 日本は北米プレート、太平洋プレート、ユーラシアプレート、フィリピン海プレートの4つのプレートが重なり合う、世界でも稀有な地震大国である。現在、東海大地震が迫っているといわれ、2009年8月にM6.5の駿河湾地震で最新鋭の5号機で重大なトラブルが発生し運転不能となった。07年の新潟県中越沖地震でM6.8程度の中地震で柏崎刈羽原発が破壊され大事故寸前であった。
   茨城県は地震の巣
 茨城県も「地震の巣」と呼ばれる危険地帯で、昨年来激動中の太平洋プレートが北米プレートの下にもぐりこんでおり、いつ地震に襲われてもおかしくない状況にある。東海第二を運転する日本原子力発電の報告でも、M8という巨大地震を起こす大断層が至近距離に走っている。
   耐震基準見直しの無謀さ
 現在、耐震基準の見直しが始まったが、耐震基準の審議をしながら原子炉は運転するという無謀なことを続け、中越沖地震で大破壊された柏崎刈羽原発だけが飛びぬけて高い耐震性に引き上げられた他は800ガル以下の低水準であり、東海第二は600ガルである。しかも、数字を若干引き上げただけで、原子炉はそのままである。
   体内被曝の恐怖
 原発による放射能の危険は、事故による放射能の大量飛散による被曝だけでなく、運転を続ける中で大量に排出される放射性廃棄物、また修理・点検の際の被曝などがあげられる。
 しかも、被曝は体外被曝だけでなく、特に怖いのが体内被曝である。放射線の被曝量は、距離の2乗に反比例するため、放射性物質を水や食物として、あるいは塵などと一緒に吸い込み、体内に取り込んでしまうと、細胞に付着して、距離が1/1000mmになれば、放射線の被曝量は1mの1兆倍にもなる。
   放射能の濃縮も
 原発によって生まれる200種類を超える放射性物質は、体内の特定の部位に濃縮する。女性の卵巣、男性の精子に濃縮しやすいのがプルトニウム、ヨウ素、コバルトなどである。骨に濃縮するのがストロンチウム90などで、骨髄の造血細胞に作用して白血病をもたらす。
 アメリカのハンフォード再処理工場から放射性物質がたれ流されたコロンビア川では、水中の濃度を1とすると、生物の植物連鎖で濃縮され、水鳥の卵の黄身では100万倍に濃縮されていたことが明らかになった。特に、赤ん坊や子どもなど、発育盛りの世代ほど大量に放射性物質を摂取し影響を受けやすい。
   チェルノブイリの悲劇
 1986年に発生した旧ソ連のチェルノブイリ原発事故は終わっていない。事故後5年目の90年に14歳以下の年齢層に癌が急増し始め、現在では成人の甲状腺癌が増え始めている。
 放射能の危険性を表す単位には、放射性物質が持っている放射能(キューリーやベクレル)の他、照射線量(レントゲン)、線量当量(シーベルト)、吸収線量(グレイ)などがある。重要なことは、どれほど弱い放射能でも、必ず被害が出るということである。
処理不能の放射性廃棄物
 原発から生まれる200種類以上の放射性物質は「高レベル放射性廃棄物」と呼ばれる。この処理ができない。様々な楽観論があったが、東海原発を稼動させてから40年以上たっても処理できない。2009年にアメリカ政府が「高レベル放射性廃棄物は100万年監視しなければならない」と発表した。
   「ニューモ」の欺瞞
 日本では原子力発電環境整備機構=NUMO(ニューモ)ができた。この英語名は、Nuklear(原子力)Waste(廃棄物)Management(管理)Organization(機構)of Japanで、放射性廃棄物管理機構と訳さねばならないが、正直に名乗れないのだ。
 このニューモが、高レベル放射性廃棄物を4重の壁で守られた地層処分をするという。
 第1の壁はガラス固化体だが、大量の熱を逃すために紙のように薄っぺらで、ボンベのようなキャニスターに入っているが、地下水と接触すればすぐ腐食してしまう。
 第2の壁は鉄製の容器だが、鉄器が腐食しやすいことは弥生時代のボロボロの鉄器を見ても分かる。
 第3の壁は粘土だが、粘土を放射能による高温の状態で置いておけば、カラカラにひび割れすることは誰でも知っている。
 第4が天然バリアだという。地面のことだそうだ。地下には幾層もの地下水が走り、放射性物質が地下水を通じて広がり、表面にも出てくることは明らかである。
 ニューモはこれらの事実を隠し、「安全」を宣伝し、処分場の候補地を探している。莫大な国家予算を投じて、原発推進というムダで危険な事業が続けられていることを、いつまでも許していて良いはずがない。

トップページへトップページへ