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September 29, 2002
存在するものには名前がある・・・



ものには名前がある。
というより、人間は名前をつけないとものを認識できないようだ。

とにかく、ものがあると名前をつける。
新しいものが見つかったり、できたりするとまず名前を付ける。
名前がないと、頭の中にそのものの概念が定着しないのか・・・

わたしは人の顔や名前を覚えるのが大の苦手だ(^ ^;)
何度会ってもしっかりと憶えられない人がある・・・
その方にはすごく失礼なことをしていると思う・・・m(_ _)m
原因を考えてみると、どうも名前を覚えられないのが元凶のようだ。
名前なしではその人自体を憶えられないような気がする。
反対に、名前を覚えた人のことは顔や様子も一緒に覚えているようだ。
わたしの頭の中では名前のない人は、群集の中の一人にすぎないわけだ。

人に限らず、物でも花でもおなじこと。
名前を覚えていないものはその付帯情報も憶えられないから
何度も同じことを聞く羽目になる・・・
Sさん、何度も同じ花の名前を聞いてごめんなさい(^ ^;)
名前のないものは、存在しないのと等しいようだ。

また、実体のないもの、見えないものにも名前をつける。
宇宙空間は真空と思われていた時代があったが、いまでは何かがあるらしい。
極めて希薄な密度であっても、ヘリウムや水素がただよっているらしい。
その他にも、人間の目にも見えないし、レーダーやその他の機器でも感知できないけれど、 なにかあるらしい。
それをダークマター(暗黒物質)と呼んでいる。

つまり、なんらかの概念を必要とするものには符号=名前をつけないと
思考の対象にできないような気がする
例え、それが、サンプル1号とかA氏とかの臨時のものであっても・・・

ダークマターなんてまさしく臨時の符号みたいなものだが、現在の天文学でこれが通用しているのは、それが思考の対象物だからだろう・・・
そのうち、正体がはっきりすればそれなりの名前がつくはず、だと思う(^ ^;)



ものを特定する名前



有名なシェークスピアの「ロミオとジュリエット」の中のジュリエットの台詞にこんなのがある。「名前ってなに?バラと呼んでいる花を別の名前にしてみても美しい香りはそのまま。」

どんな名前を付けようが、そのものの実態は変わらないわけだ。
だから、名前なんか、なんでもいいといえばいいわけ・・・
ただの符号でしかないともいえる。
でも、バラを「花0000391」なんて呼んでもつまらないよね・・・(^ ^;)

今、政府が始めようとしている住民基本台帳ネットなんてそのきわみだ。
軍隊の認識票とか、社会保険番号とか、と同じように人間を番号順にならべようとしている。 個人的には、あれには反対!一旦、始めてしまうと、そのうち、いろんな情報が漏れ放題になりそうな気がする。

番号を振るということと名前を付ける、ということはまったくちがうことだ。番号は、思い入れもなく、そのものの個性も無視し、無機質な符号をつけることだ。
例えば、まったく同じボールがたくさんあれば、番号をつけてもいいだろう。
ボールには個性がなく、ただ区別するだけでいいから。
例えば、古いものから廃棄する場合には便利だろう
しかし、もし誰かが一つのボールに愛着を持ったら、そのボールの番号はその人にとって特別の「名前」になるだろう。

これがボールではなくて、たとえば捨て猫を拾ってくれば名前を付ける。
名前を付けなくても、少なくとも猫という総称はあるわけだが、その一匹の猫を指すために名前を付けるだろう。
それは、その人にとっては、ほかの猫とは代えがたい特別のものだから。




人の名前



そんなむずかしい話はさておいて、今日のお話は人間の名前、それも日本人の名前のこと

わたしの旧姓は、絶対に正確に読んでもらえないものだった。
初めてその漢字を見て、正確に読んでくれた人には生まれてこの方会ったことがないm(- -;)m  学校や集まりの席では、最初の時間に自分の名前を説明しないといけない。病院や公共の場所で名前を呼ばれるときは、なんと読まれるか分からないので じっと耳をすましていないといけない。
気楽に本など読んで待ってるわけにはいかなかった・・・(^ ^;)

人に名前を聞かれると延々と同じ説明をしないといけない。
いったい、何百万回、説明しただろうか・・・ 結婚して、読み間違いのない苗字になったときにはほんとうにうれしかった(^ ^;)

苗字は結婚でもして変わらない限り、自分ではどうしようもない。
その家に生まれたときからの運命だから・・・

しかし名前の方は、生まれて付けるから選択の余地があるから、問題はない ・・・ はずなんだが ・・・

問題があるとすれば、本人が選べるわけではないということかな・・・(^ ^;)

「赤毛のアン」の主人公アンが望んでいたことは
自分の名前が「最後にeのつくアン」だったらよかったのに、ということだった。
「Ann」「Anne」がどうちがうのかは、わからないが、アンが自分の名前にこだわっていたのは間違いない。




子どもの名前



子どもが生まれたら、名前を付ける。
二週間以内に出生届を市役所に提出して、めでたく日本国民となるわけだ。

その前に、両親、祖父母などは、子どもや孫の名前を付けるに当たって、いろいろ悩むという。やれ、字画がどうの、運勢がどうの、親の名前を継ぐとか(親とまったく同じ名前はダメ)、一字もらうとか、えらい人にちなんでつけるとか・・・
悩む人のために、命名の本が山のように出版されている。
オンラインでも、こんなサイトもある。「命名の達人」

さて、苦心惨憺で選んだ名前か、思いつきで簡単に決めた名前かはさておき、市役所に届ける。用紙に書き込んで提出して、これで、姓名がついた人間として登録されたわけだ。
普通は、結婚して姓が変わらない限り、一生のあいだこの名前とお付き合いしていくことになる。

少なくとも姓名の名のほうは一生のお付き合いだ。




ちょっと困った例・・・



せっかく思い入れたっぷりにつけてもらった名前だが、少々困ることもある。

夫の名前には、「敬」という字が入っている。
公文書を取ると、いつもこの字が手書きになっている。
よく見ると、偏の頭の部分を「十十」と書いてある。
こんな字は漢和辞典を引いてもないのだ。

では、どうしてこうなるかというと、名前は出生届に書いたとおりに登録されるからだ。つまり、まちがって登録するとそのままになってしまうということ。字がまちがっていようが、読みが違っていようがお構いなしなのだ(^ ^;)

夫の名前は正式には、存在しない字で書かないといけないわけだが、普通は「敬」で「代用!」している。正式に書いたら、字を知らないと思われるかも・・・m(- -;)m

読みは登録しないから、どんな読み方でもいいのだが、あまりに常識外の読み方だと本人が困ることになる(^ ^;)

知り合いに、「真生」という名前の人がいる。
さてこの人の名前はなんと読むだろうか?
まさお? まお? いえいえ、「まい」と読むんです!
彼女の両親は、「まお」と読ませたかったらしいが、諸般の事情(!?)で「まい」になったそうだ。
これは、一見すると「まさお」と読んでしまうし、男性だと思ってしまう。
いちど聞いたら忘れないから、いいかもしれないが・・・




いよいよ本題・・・(^ ^;)



さて、いよいよ本題(前置きが長くてすみません(^ ^;)

人生ウン十年、そろそろ残り時間を数えたほうが早い段階に入った。
それがなんと、我が人生最大の発見をすることになってしまった!

去年の話だが、十人ほど集まっている場で、公文書を見る機会があった。
住民票とほかの公文書を前に置いて、はたと思った。
公文書の自分の名前欄がおかしい。
パソコンでプリントされているはずの名前欄の、姓はいいのだが、名のほうが手書きになっていて、見知らぬ字が書いてある。
つくづくながめて・・・
なんとしても、腑に落ちないので、こんどは住民票の小さな活字を食い入るように眺めた。

栫H 栫H?  栫H??

現在通用している漢字は、「薫」です。上のは昔の漢字!

思い余って、「あの・・・、住民票の字は正しいのでしょうね?」と聞いてみた。
「それは、戸籍と同じですから正しいですよ。なにか・・・」

うわーっ! なんということ!
思わず出てきた言葉は・・・
「自分の名前がこんな字だなんて、いままで知らなかったわーっ!」
一瞬のためがあって、次の瞬間、居合わせた人たちの大爆笑!
だって、生まれてこの方、ずっと自分の名前を「薫」と書き続けてきた。
何万回、いや、何十万回、何百万回、書いたことだろう。
重要書類にだって書いたし、印鑑証明にだって書いた。
パスポートも取ったし、いろいろな証明書に書き続けてきた・・・
一度だって、文句言われたことも、書き直されたこともない・・・

まったく、Unbelievable だ!

家にすっ飛んで帰り、父母のところへ駆けつけて、事情を説明!
ところが、両親さえも、「そんなこと、知らんで!」というではないか!

「出生届を出したのは、だれだ?」ということになり、父が
「ぼくやけど、そんなん知らん・・・」という。
「でも、名前は出生届に書いたとおりになるんよ。
まちがった字を書いたって、その通りになるんやから・・・」
「・・・・・」父、憮然。

これから、自分の名前を書くときはどうしよう・・・と悩んでいる。
くれぐれも本人に迷惑のかかる名前は付けないようにしよう!!!






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