繋句の会レポート

---

・・・表記の説明・・・

「通る・命」と「かげろう」の筋は、繋いでいく言葉をそれぞれ紫とオレンジで表記
中断した句のつながりは、上記の筋に繋がっている場合はそれぞれの色、
中断した句の中で繋がっている場合は、太字で表記

---

提句：「透き通るかげろう命の水溜り」

	題：「通る・命」	題：「かげろう」	繋がりがなくなり、除外された句
１段	雨粒の踊り子そろい水溜り	透き通る夕焼け子供と赤トンボ	水遊び我が子と過ごす夏休み	ひとときの虚栄夏の水溜り	水溜り跳んだ背なのランドセル
２段	雨粒を吸い取るように白い壁	赤トンボすいすい飛んで恋いづこ	夕焼けが種火に見える花火待ち	夏休み宿題残してトンボとり	小学生一期一会の夏休み
３段	白い波心高まる海遊び	恋いづこ幼き時代の同級生	ひゅるひゅると打ち上げ花火音ひらく	白壁に瓦光って法隆寺	（違反句）＊
４段	古釘の風化高まる著莪の花	同級生ざんげする顔に笑み浮かび	新鮮さ取り戻させる幼き視点	廻る時代時代ヘソ出して誇る若さ	海遊び夕やみ忘れたわむれて
５段	恋風化はじけてしまう鳳仙花	笑み浮かべ心開いた帰り	我が顔に父の面影無言劇	初ビキニのぞいたヘソのかわいさや	ヘソ出して顔に壁塗り浜辺かな
６段	はじけとぶ元気さ感じるポップコーン	引き潮の恋帰りは怖い	面影を探してめぐるふるさとの道	荒磯の蟹逃げるビキニかな	人もなく浜辺の波の音ばかり
７段	母もまた少女のころはポップコーン	引き潮に古い恋も水の中	天神様帰りはこわいよとおりゃんせ	炎天の蟷螂元気に斧上げる	五十路過ぎポップコーンの我が人生
８段	裏なりの胡瓜への字は母の顔	水の中ヤマトの金魚も避暑気分	水中花時には水も取り替えて	なめらかな少女の肌美しき	炎天に銀紙並ぶ駐車場
９段	とげのある胡瓜なあなたは甘えんぼ	親より子が上手なり金魚すくい	裏なりのかぼちゃも熟せば種残す	美しきマリアの像にひざまずき	炎天下ポスト満腹避暑に行く
結句	★命ある間は徹する甘えん坊 ★好きなのはあなたの通る道だから	★親子連れかげろう揺れて散歩道	透き通るマリアの唄声にわか雨	種を播く凡人に命永遠	余白

・・・繋句の注釈・・・

参加者が、提句をきっかけにつぎつぎとつなげていきます。
一回ごとに前の句の一部を詠み込んで、全部で十句詠みます。
一回ごとに繋がっているのを選び分けて、
繋がっていないのは除外していきます。
十句目は、結句と言って、
前の句の一部を読み込むと同時に、提句の一部も詠み込みます。
これで、繋句の輪が繋がってエンドレスになるわけです。
最後まで繋がったものを、その会の結果とします。
繋がった繋句に、題をつけます。
提句と結句が繋がっている言葉を題とします。

今回は、たまたま、二筋が最後まで繋がり、結句は三句できました。

なお、違反句とは、自分の句につけたり、
前に繋がっていないものです。

---